過去拍手9 2008/07/27 (Sun)

9代目拍手。

跡←宍、忍←岳　各1本。

sceneこぼれる（跡←宍）

俯く頭上から、影が覆う。
「…あ？」
「フン。てめェにしては上出来じゃねえの」
「…別に。当然だろ」
「にしちゃあ、随分息が切れてるが？」
「っち」
ったく、いちいち一言多いんだよ。
でも正直跡部の言う通りで、呼吸を整えるのがやっとだ。
俺はもう負けられない。我武者羅上等。
みっともなくたって勝たなきゃいけない。
「でも、そういうの嫌いじゃないぜ？」
跡部の影が動く。
汗に湿った髪をくしゃ…とかき交ぜ、そして離れた。
「体冷やすなよ」
「…ああ」
もう、とんだ不意打ちだ。こういうのは困るんだよ。
こんな風に触れられたら、好きが、こぼれてしまう。

 

sceneあふれる（忍←岳）

「よう耐えたな、岳人」
「まーな」
だって散々言われてきたことだし、パートナーの負担になるような事は出来ねえよ。
ダブルスだからな。
「そない言うても、今までは無駄に跳ぶの我慢出来ひんかったやろ？」
からかうみたいに侑士が笑う。
「俺だって学ぶんだよ！」
強くなりたいんだ。
そして何より、侑士の負担になりたくない。
「あー、もう。折角褒めとるのにカリカリせんと」
「…別にカリカリなんて」
「良く出来ました。いい子、いい子」
侑士の手のひらが、ぽんぽんと俺の頭を撫でる。
「…っ」
そんな事しないでくれ。
侑士が好きだって、今にも言ってしまいそうなんだ。
大好きが、あふれてしまう。