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CP注意!ジロー×宍戸ですよ。
ジロ宍ってより、ジロー→宍戸でしょうか。
ジローが宍戸を好きになった切っ掛け話。
始まりなんてこんなもん (ジロ×宍)
おいっ!みんなジロー何処行ったか知らねぇ?
ジロー?誰だよそれ?
何言ってんだよ!
知らんわ。そんなヤツ
ふざけんなよ!
俺様も知らねーな…。
どうして?ジローがいないんだよ。さっきまでそこで寝てたのに…。みんな、どうしちまったんだよ?
ジロー?ジロー!?
「ジロー!!」
「…宍戸。廊下に立っとけ」
「はっ!?」
ジローを探しに駆け出したつもりが、顔を上げるとそこは教室だった。
「あれ?」
黒板の前にはヒラ先(平野先生だから略してヒラ先)が教材の巨大コンパスを手に呆れたように俺を見ている。
そっか、数学の時間か…。
「友達思いもいいが、居眠りまで付き合わなくていいんだぞ宍戸」
「すんません…」
俺は急いで廊下に出る。
いつもなら『今時廊下に立たせるなんて時代錯誤だぜ!』なんて文句を言ってるところだけど、今の俺には好都合だ。
…大声でジローの名前叫んじゃったもんなぁ。
激恥ずかしい!
すれ違いざま見たクラスメートの滝は、笑いを堪えて涙浮かべてた。
あ~。この先一週間はこのネタでからかわれそう…。
素直に廊下に立ったのはいいけど、ムチャクチャ暇。
まだ授業は30分近く残ってるし、立ったまま寝ちまいそうだ。
そうだ。
ジローのヤツにイタズラしに行こう!
俺がこんな目にあってるのはジローのせいだしな。
ただじゃ済まさねえ!
思い立ったら即行動だ。
俺は窓ガラスに越しに姿が見えないように腰を屈めてジローの教室を目指す。
いつも席替えの時寝ているジローの席は、廊下側の一番後ろと決まっていた。
横開きのドアは結構大きな音をたてるから、慎重に10センチ位開く。
また寝てやがるのかな?
足蹴っ飛ばして驚かせてやろう。
ほくそ笑みながら中を覗く。
…あれ?
ジローがいない。
机の上には教科書も筆記用具も置かれていない。
ジローがいない…。
…まさかな?
さっきのは夢だし…。
またいつものサボりだよな。
恐らく。
たぶん。
きっと。
きっと…。
「ジロー!!」
俺は開いたドアもそのままに、廊下を走りだした。
だって!
さっきのは夢だって分かってても、激気になるし!
この眼で確認しないと超不安!
何か手のひらから変な汗出てきたし。
…ジローが消えちゃったらどうしよう!?
「こらあっ!!宍戸!」
ヒラ先が教室から顔出して怒鳴ってる。
ごめんヒラ先!!
後で補習でも何でも受けるから!
今はジローを探さなきゃいけねーんだ!!
部室に保健室、ジローがお気に入りの中庭の木陰と巡って最後に屋上へ来た。
マジ部活でもあり得ねーくらい走りまくったから、汗が瀧みたいに流れてる。
「ジロー!!」
「あ、宍戸だ~。どうしたの?」
「ジロぉ~!!」
屋上の扉に体当たりする勢いで飛び出した俺は、返ってきた暢気な声にガクっと肩を落とす。
いや、そりゃ本気でジローが消えるとは思ってなかったぜ?
そうそう。見つかって何よりじゃねーか。
でもよ、でもよぉー。
「くっそ、こんなに必死に探したのに暢気な顔しやがって!」
「えー?どしたの?宍戸もサボり?」
春の暖かくなってきた風に、ジローの金色の髪がふよふよと揺られている。
ぐしゃぐしゃに丸められたブレザーは、きっと枕代わりだったんだろう。
あー馬鹿らしい。何やってんだ俺。
「何なに?俺変なこと言った?」
「…なんでもねーよ」
のほほんとした顔に文句を言う気すらおきねえ。
ってゆーか、ジローは文句言われるようなことしてねーしな。
俺が勝手に一人で走り回ってただけだ。
「俺も寝る」
ジローを見つけてホッとしたら急に眠くなってきた。
「たまにはお前が膝枕しやがれ」
いつも俺か忍足を枕にしてるんだから、たまには逆もいいだろう。
「珍しいね?」
ジローはひとしきり眠ってスッキリしてるのか、案外簡単に頷く。
くそ、仕返しだ。
足が痺れたって起きてやらねーからな。
***
何か良く分からないけど、いきなり屋上に来て怒ったようにブツブツ言ったかと思ったら、宍戸は俺の膝枕で寝てしまった。
「まー、もう怒ってないみたいだし。いっか」
太腿に宍戸の頭を乗せたまま、俺はフェンスによりかかる。
しばらくボーっとしているとチャイムが鳴る。
「あ…。昼飯だ」
どうしよう。宍戸起こした方がいいかな?
俺は3時間目に早弁したからいいけど、宍戸は腹減るよな。
でも気持ち良さそうだから、寝かせといてやりたいなー。
悩んでいると、ガヤガヤと話し声が近づき屋上の扉が開く。
「おお!今話題のジローくん!ここにおったんか」
「…忍足」
なんで俺が話題なんだ?
「ジロー!さっき超面白かったんだぜ!」
岳人は話がしたくてたまらないみたい。
「ジロー。宍戸が、宍戸が…」
滝、笑いすぎて泣いてる…。
「ねえ、何かあったの?宍戸も何か変だったし」
「…っちゅー訳でな、こいつ4時間目のほとんどをジローの名前叫び続けてたんや」
弁当をつつきながら、3人がさっきの出来事を聞かせてくれる。
「もーいきなり宍戸が『ジロー』って叫んだときのクラスメートの顔がおかしくって…」
「ヒラ先超怒ってたよな!俺のクラスまで聞こえたもん。あと宍戸の『ジロー』って叫び声も!」
岳人のクラスまで聞こえたってことは、本当に廊下の端から端までってことだ。
「跡部なんか『跡部、テニス部なんとかならんのか』って言われて『俺か!?』って思わずセンセイに突っ込み入れとったしな」
「うわっ!それも超レアだな。跡部の突っ込み!!」
岳人が足を鳴らして大笑いしても、宍戸は気持ち良さそうに眠ったままだ。
「マジー?じゃあ俺がサボってたのバレバレじゃん!」
「…いや。ジローがサボってるのは今更だし」
滝に冷静に突っ込まれた。
「でも、何か嬉しいね。宍戸がそんな必死に俺のこと探してくれるなんて」
「だよなー。何か宍戸ってジローが寝てたって一度起こしても起きなかったら放置しそうな雰囲気だもん」
うんうんと頷く岳人。
「愛…、やったらどないする?ジロー」
「「「はあ?」」」
忍足の変にシナをつくったような話し方にみんな眉をひそめる。
「馬鹿も休み休み言えよ侑士」
呆れ顔の岳人だが、滝はなるほど…と、頬に手を当てる。
「あり、かもねぇ…それ。まあ跡部が黙ってないだろうけど」
「滝までマジかよ!?おいジローこんな事言われてるぜ!?」
別に岳人が焦る必要ないのに…。
俺は大して気にもしてないから、とりあえず笑っておく。
「んな事ねーって。宍戸が起きたら怒られるよ?」
「…んっ」
「「「「!!」」」」
自分の名前に反応したかのように宍戸が体を揺らすから、俺たちはびっくりして固まってしまう。
「…ん-」
寝返りをうっただけだった。
超焦った。
宍戸を怒らせると、実のところ跡部より手におえないから、みんなして顔を見合わせとホッと息をもらす。
「あービビッた」
岳人がそう呟くと…。
「んんっ…」
「「「「!?」」」」
起きた!?
寝返りをうって俺の腹の方に向いた顔ははっきり見えないけど、まだ平気みたい。
相当眠かったんだな、宍戸。
「―」
「何か言っとるな、宍戸」
「寝言だろ」
3人に覗き込まれても、宍戸はちっとも起きない。
「…ジロー」
「!?」
今度こそはっきり聞き取れた言葉。
「ハハっ!!まーた宍戸の奴ジローの事さがしてやがる!」
「ちゃんと見つかったでー宍戸」
ふざけて宍戸の耳元で囁く忍足。
「何か可哀想だね。ジロー起こしてあげれば?…ジロー?」
滝が俺の顔を見て不思議そうに声をかける。
「どうした?ジロー」
「ジロたん?目、見開いとるで。珍しいなー」
「…どうしよう」
俺の答えに3人の顔が「何が?」と語っている。
でも、どうしよう。
何て言えばいいかな?
さっき宍戸が寝言で俺の名前呼んだ時。
みんなには見えなかったと思うけど、俺の腰にまわった宍戸の腕がギュって俺に抱きついて。
背中に縋った手が。
俺のシャツを、きゅっ…とつかんで。
「ジロー」って掠れた声で囁くから。
俺。俺…。
「勃っちゃった…」
「「「はあ!?」」」
「何言ってんだよ、ジロー!!」
「マジかい!?ジロたん!」
「…やるねー」
さすがにみんな驚いてる。
でも!だって仕方ないじゃん!
「だって!宍戸俺のことギュってすんだもん!背中とか抱きついてきて必死な感じで…超可愛いって思っちゃったんだもん!」
「ジジジジ、ジロー。落ち着いて」
「岳人が落ち着けよ!」
「それってただ生理的な反応ってだけじゃなくて?」
「じゃあ滝は友達に抱きつかれて勃つの!?」
「…勃たない」
「宍戸が可愛いんか?」
「可愛いよ!どうしよう忍足!こんな事思ったこと無かったのに!宍戸超可愛い!!」
そうか…と思案顔の忍足。
でも俺たちはみんな知ってる。
こーゆー時の忍足って、ろくな事言わないんだ!
「よーし、ジロたん。俺たちは応援するぞ!なあ、がっくん」
「はあ!?急になんだよ侑士!」
「なあ、滝!」
「…俺はそういうことに偏見はないけど。よっぽど忍足のその標準語の方が怖い。何企んでるの?」
「企んでいるなんて滅相も無い。ただ勝負はフェアにね」
「ん?」
やだなー俺、忍足のしようとしてる事想像できちゃったよ。
「どりゃあ!!」
「「はっ!?」」
変な掛け声とともに忍足が携帯を取り出した。岳人と滝は、まるで異星人を見るかのような目つきになる。
「とうっ!」
またまた変な掛け声で、忍足は俺と宍戸の姿を撮る。
ビックリして仰け反ってた岳人と滝も、やっと忍足のしようとしてることに気付いたみたい。
「忍足~。全然俺のこと応援してくれてないじゃん!」
「なるほど!跡部に写メ送るのか!よし行け侑士!」
「岳人もひどいよ!跡部の味方なの!?」
「違うぜジロー!俺は楽しければ何でもいい!」
そう言ってビシッと親指を立て、これ以上ないくらいの満面の笑顔だ。
「…やるねー」
「感心してないで滝も止めてよ!!」
宍戸を乗せたままの俺は結局何も出来ない。
それにしたって、この五月蝿いのに何で寝てられるんだよ宍戸!
「もーっ、馬鹿バカ!宍戸が可愛いのがいけないんだ!!」
件名「マジでフェラする5秒前」
なんて、かなり古めのネタで写メを受信した跡部が、屋上に駆けつけたのが1分後。
「こらあっ!ジロー手前ぇ、ふざけんなよ!」
「俺何もしてないもん!宍戸が自分から抱きついてきただけだよ!」
「満更でもねえ顔してるじゃねーか!」
「いいじゃん!俺だって宍戸が好きだもん!」
「!!」
「こーなったら俺、闘っちゃうもんね!」
跡部が相手だって負けねーから!
こうして宍戸の奪い合いが始まったことを、当の宍戸が知ることになるのはもう少し後のことである
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
これらに関する苦情の拍手コメントはスルーさせて頂きますのでご了承ください。
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