似非クランケ （宍戸総受） 2007/01/16 (Tue)

ＣＰ注意！総受けですよ！

ジロー・鳳・跡部に狙われちゃってる、ちょっとおバカな宍戸さん。

似非クランケ　（宍戸総受）


―ジロー場合―

「宍戸、あのね。ここだけの話なんだけど…」
「おう、どうした？」
「俺っていっつも寝てるだろ？これって病気なんだって…」
「マジかよ！？」
「俺も昨日、母さんに聞いて初めて知ったんだ…」
「…治るのか？」
「分かんない。でも放っておくと、ずっと目覚めなくなるって」
「大変じゃねーか！」
「…どうしよう、宍戸！」
「治療方法ないのかよっ…」
「完全には治らないけど、寝ちゃった俺を目覚めさせる方法はあるんだ…」
「どうすればいいんだ！？」
「それは…」
「それは…？」
「……」
「ジロー！」
「それは、俺が一番信頼して心を許せる人に、キスしてもらうっていう方法…」
「本当かよ！？」
「本当だよ！宍戸、信じてくれないの…？」
「いっ、いや。そーゆー訳じゃ…」
「俺、そんなに心から信用できるのって宍戸しかいねーよ！」
「ええっ、俺！？」
「俺の命がかかってるんだ！…ダメ？」
「う…」
「…命が…」
「わ、分かった！」
「ホント！？目覚めない時いつもだよ？」
「ええっ！？いつも！？」
「俺の命が…」
「わー！！分かった、分かったから！」
「ありがとう！宍戸」
「お、おう。まかせとけ！」



―鳳の場合―

「…すみません宍戸さん」
「いや、いーけどよ。お前『ノーコン』って言われる度にこれじゃあ試合になんねーぞ」
「…すみま、せ、ん」
「わー！泣くなって！跡部だって悪気があってあんな言い方したんじゃねーし。期待されてんだよお前は」
「…はい」
「でもこの前まで、あんな言われ方したって落ち込んでなかったよな？何かあったのか？」
「…宍戸さん」
「んあ？」
「聞いてくれますか…？」
「ああ。どうした？」
「先日、祖母がイギリスへ帰ってしまったんです」
「そうか…」
「はい。俺すごくおばあちゃんっ子で、落ち込んだりするといつも祖母に抱きしめてもらってたんです」
「…そう、か」
「…あ、宍戸さん今引いたでしょ…」
「い！？いや。そんな事ないぞ！で、どうした？」
「祖母がいなくなってから、落ち込んだ自分をどう立て直していいか分からなくて…」
「そ、そうか。困ったな」
「…宍戸さん。俺のこと抱きしめてくれませんか？」
「え！俺！？」
「俺こんな情けない話、信頼している宍戸さんにしか出来ません！お願いします！」
「えっ！でもお袋さんとかのがいいんじゃねーの！？」
「…母は昔から家庭を顧みず…」
「わー！悪かった！」
「…じゃあ、お願いできますか？」
「うー」
「祖母が日本へ帰ってくるまででいいんで…」
「うーん、まいったなぁ」
「…宍戸さんっ！こんな事お願いできるの宍戸さんしかっ」
「わかったから！泣くなって！」
「じゃーお願いできますか！？」
「うー、分かった。どんと来い！」



―跡部の場合―

「宍戸。俺は呪われているらしい」
「…はい？」
「昔跡部家の当主が口にするのも憚るほどの狼藉をはたらいた際、その被害を受けた者が後十三代目に当主となる者を呪い殺すと言い残した文書が見つかった。ちなみに俺だ」
「…なんでその時の当主を呪わねーんだよ」
「んな事は知らねー」
「デマだろきっと」
「あーん？お前は俺に呪い殺されろと？」
「んな事言ってねーだろ！」
「なら協力してくれるか？」
「あー？どうすりゃ解けるのよ。その呪い」
「…美しい黒髪と、黒曜石のような瞳をもつ者と16歳になるまでに結ばれれば…」
「…それが俺ってか？」
「残念だが。俺の周りにはお前しか該当者がいない」
「俺、男だし。結婚もできなけりゃ、体も結ばれねーの！」
「体は問題ない。結婚も跡部家の力をもってすれば…」
「はあ！？じゃーその跡部家の力とやらで黒髪、黒曜石の瞳を持つ女を捜せよ！選り取り見取りだろーが！」
「お前は俺なんか助けられないと？」
「そーじゃねーよ！該当する女がいればそっちを選ぶのが当然だろ！？」
「お前は俺に見ず知らずの女と結ばれろと？」
「ダチの男と結ばれるよりは自然だろーが！？」
「…冷てーヤツだな。俺様が頭を下げて頼み込んでいるというのに…」
「頭下げてねーじゃん」
「俺なんか呪い殺されてしまった方が清々すると…」
「言ってねーだろ！」
「お前は俺の命なんかより世間体が大事なんだな…」
「あーと－べー」
「そうか。よーく分かった。来世でも一緒にテニスが出来たらいいな…」
「おい～。跡部」
「…短い人生だった。この世界は俺様という素晴しい人間をこんなにも早くに失うのか…」
「分かったってば！」
「本当だな？男に二言はないな？ではここにサインをしろ」
「ああ、いいさ！サインでも何でもしてやるさ！どらぁっ！」



―岳人の場合―

「岳人。俺将来カウンセラーとか向いてるかもしんねー」
「…は？なんで」
「内容は詳しく言えねーけど、最近何人かにいろいろ相談されてよ。どうも話を聞くと、トラウマっちゅーの？あんなのとか精神的に弱ってそうなそんな相談ばっかだからよ」
「…ふーん」
「俺って癒し系？自然と頼りたくなるようなオーラ出てる？」
「俺としては、宍戸がカウンセリング受けるべきだと思うけど？」
「えっ！？何でだよ！」
「お前の人を疑わないところは、もはや長所じゃなくって短所だと思うぜ。ってか異常だよ」
「ああ？どういうことだ！？」
「ジローは、あわよくばこのままずーっと宍戸にキスしてもらい一生繋ぎとめてやろうと目論んでるし？鳳は、さあいつ抱きついた弾みに見せかけて宍戸の乳首に吸い付いてやろうかって鼻息も荒い。跡部にいたっては宍戸が自分の元を離れられないような誓約書をすでに作成済みだし」
「何だって！？」
「宍戸。何でもかんでも信じすぎ！ジローも鳳も跡部も、何だか良く分からないままハイハイって頷いちゃったんだろ！？」
「…何で知ってるんだ」
「お前以外はみんな気づいてるよ！あいつら揃いも揃ってニヤケた面してるからな」
「……」
「まあ精々、あいつらとの約束をどうやって両立させるかでも考えろよ」
「…どうしよう、岳人？」
「さーねー？カウンセリングでも受けてくれば？」