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嵐のような 完結編。
R‐18ですのでご注意ください。

嵐のような3 (跡×宍)

改めてこうするのが、思ったよりも恥ずかしい。
存在を確かめるように俺の胸に掌を滑らせる跡部も、何だか少し照れくさそうだ。
「俺は、お前の気持ちなんて全部分かった気になってた」
指の後を追うように、今度は唇を滑らせる。そうしながら話すものだから、とてもくすぐったい。
「跡部?」
左胸で動きが止まる。
「お前があんな思いを半年も抱えていたのに、俺はちっとも知らなかった」
「跡部…。そんなの当然じゃん」
跡部が言うのが、あの彼とのことだと気づく。
寂しさとか不安とか、手を上げられる恐怖。何より、彼に嫌われたくないという恐怖。恋愛の楽しさなんて呆気なく消え去ってて、あの頃の俺に残ってたのはそんな感情だけだった。
「…何も知らないで、俺はお前をカッコ良く救い出した気になっていた」
悔しそうに苦しそうに呟いて、跡部は胸の尖りに吸いついた。
「あ、っ」
感情をぶつけるように強く吸い上げるものだから、俺の熱はあっという間に高まっていく。
「俺が勝手にお前を連れ去ったんだから、お前が俺を好きになってくれるまで焦らず待とうなんて。俺は、そんなバカなことを本気で出来ると思ってた」
息が上がる。
胸のあちこちにキスを降らせて、汗ばんだ跡部の手のひらは俺の下腹部へ潜り込んでいく。まとうシーツはもう熱気に温まっていた。
性急な跡部の手に、俺は凄く幸せを感じる。こんなにも自分を求めてくれてると実感できた。
「跡部に、俺はほんとに救われたんだ。でも、だからってこんなことしてるんじゃないぜ?」
「…ああ」
跡部は鳩尾に鼻先を押し付け、猫みたいに擦り寄せた。感じる吐息が酷く熱い。
「俺は、愛情を欲しがってばっかりだった。与える幸せってのを知らなかったんだ」
甘える跡部が可愛くて仕方がない。カッコ良く攫ってくれた跡部も、不安に押しつぶされそうだった跡部も、俺はこんなにも好きでたまらないんだ。
今は、求める手に応えたい。安心が欲しくて弄る指先に、何度だってキスしてあげたいんだ。
「…あんなのは、恋愛じゃねえんだよ」
「え?」
「お前が、俺以外の奴に恋してたなんて認めねえからな。あんなのは、気の迷いなんだよ。お前の初恋は俺なんだよ」
不貞腐れたようにぼそりと言うから、思わず噴き出してしまう。
「笑い事じゃねえ!」
「ハハ、悪い悪い」
「…もう、黙れ」
跡部は小さく舌打ちしてから、仕切り直すように顔を伏せた。熱い舌が、ねっとりと俺の脇腹をなぞる。
「ハ、ァっ」
ゾクゾクと、快感が走った。
「全部、寄こせよ」
「…あとべっ」
サラサラの髪が、臍の下で蠢く。跡部の唇は、躊躇いもせず俺のモノを含んだ。
「く、ン…」
一気に昇り詰めそうなのを必至に堪えて、俺は揺れる跡部の髪を掴み、腰を押し付けた。
跡部は一瞬喉を詰まらせるみたいな声を漏らしてから、小さくくぐもった声で笑った。
ああ、跡部。俺、初めてこんな淫らにねだったよ。

    ***

押し付けられる灼熱に、思わず歯を立てそうになってしまって焦る。喉を突かれた驚きじゃなくて、あまりの甘さに、文字通り食べたくなってしまったんだ。
そんな自分に自嘲して、宍戸のモノを咥え直す。
全てを解放するように、宍戸は欲望に正直に腰を揺らす。最初は躊躇いがちだった動きが次第に大胆になって、喘ぐ声を抑えることも忘れてしまったようだ。
俺は舞い上がるような気持ちで、滲み出る蜜を啜る。
絶対に、あの男は宍戸のこんな姿を知らない。どんなSEXをしてたかなんて考えるだけでも腹立たしいが、この乱れ方を知っているのは俺だけだろうと、変な確信がある。
「宍戸、気持ちいいか?」
先端に何度もキスをして、尋ねる。
「イイ、いいよ、ォ…!」
脚をピンと強張らせて胴震いした宍戸は、そのまま一度目の白濁を噴き上げた。
勢いよく飛んだ飛沫は俺の頬を打ち、ゆうるりと伝い落ちる。
「あっ、ごめ…」
顔を真っ赤にした宍戸が、戸惑う様に体を起こす。
「いいんだ。起きるな」
「でも、拭かなきゃ」
「拭く?ふざけるな」
「…へ?」
こんな美味いもん、味あわなくてどうする。
指で拭って口に含んだら、宍戸がぎょっとしたような顔をして枕に突っ伏してしまった。
「…お前、ハズい!」
「何でだよ」
俺は硬さを失くした宍戸の先端に、もう一度吸いついた。
「ちょっ!跡部」
一々うるさい奴だな。
小さな口はまだ名残を滴らせて、物欲しげに震えている。
人って箍が外れると本当に貪欲なものだ。まだ誘うような宍戸もそうだが、何より俺が、その一滴だって欲しくて堪らないんだ。
「あとべっ!」
煩い。
俺は、何度も頭を叩く手を抑えつけて黙らせると、改めてその先端にしゃぶりつく。舌先を捩じ込めばまだその奥に蜜が眠っていそうで、子供のおしゃぶりのようにチュウ、と音を立てて何度も吸い上げる。
「ああ、あァ…」
宍戸はガクガクと腰を振り立てる。
「甘い、宍戸。すげェ美味い」
「あとべ、また、ま、たっ…」
「イケよ」
何度だってイっちまえよ。全部受け止めてやる。
くうっ…と歯を食いしばって、宍戸は呆気なく二度目の精を放つ。

口内に広がった宍戸の蜜を、俺は手のひらに吐き出した。それをゆっくりと宍戸の奥へ塗り込める。
「あ、跡部…?」
反射的に逃げようとする腰を、俺はベッドに縫い付ける。
「今更それはねえだろ?」
ククっと嗤えば「別に!逃げちゃいねえよ」とバカ正直に本音を漏らした。
「怖いか?」
見上げれば、宍戸の目は今にも泣き出しそうに潤んでいる。
「こ、怖いに決まってるじゃねェか」
気を逸らす為か、投げ出された手を忙しなく握ったり開いたり、落ち着きが無い。
「初めてじゃねえだろ?」
「そ、そりゃあ…。でも」
「でも?」
「…入れられて、気持ち良くなったことは無い」
宍戸の手が、縋るように俺の肩を掴んだ。立てられた爪から震えを感じる。
「いつも、痛くて」
心なしか青ざめたような宍戸を、俺は鼻で嗤い飛ばした。
「ばーか。ンな下手くそと一緒にすんな。『もっと』って強請るくらい気持ちよくしてやるよ」
「…ンな事、誰が言うか、アホ」
俺は首を伸ばして、ようやく笑ったその唇にキスをした。

驚くほど熱い。驚くほどの締め付け。
「ああ、ハ、ァっ」
何が気持ちよくなった事がない、だ。
俺の動きに合わせて弾む躰はもうドロドロに蕩けて、汗だか精液だか唾液だか、もう訳が分からない。
俺も大概に動物じみてて、こんなサルみたいにむしゃぶりついた事なんて、今まで一度だって無い。
好きな相手と愛し合うってのは、こんなにも気持ちいい事なのか。当たり前な事が改めて身にしみる。
「あとべっ、あと、べ」
腰を叩きつければ、宍戸はうわ言のように呟く。
「…っく」
熱い締め上げに、俺は何度もイキそうになるのを堪えた。もっともっと、気持ち良くさせたい。
パンっ、パンっとぶつかる肌の音に、宍戸は益々煽られるようだ。
「あ、アア、…んん!」
鼻で啼く声は、まるで甘えているように聞こえる。
残念だが、そろそろ俺も限界かもしれない。
「宍戸」
汗で滑る腰を強く抱え直し、より深く己を突き刺す。
「あああっ!あ、ああっ」
激しい抜き差しに合わせて、宍戸が嬌声を上げる。
より熱く蠢く内壁が、ギュう…と俺を包み込む。
「すげ、イイっ」
「あ、はっ、跡部、あとべ」
「宍戸、」
ズンズンと、自分でも腰を止められない。
「すご、イイっ、いい!」
「ああ、俺もだっ」
「だめ、も、…ああっ」
引っ切り無しに零れる声。自分でも何を言ってるのか分かって無いんだろう。
「そろそろ、イクぜ?」
「ああっ、あァっ!」
俺の声に益々興奮したように、宍戸はぶるりと震えた。
ぐちゃ、ぐちゃ、と漏れる粘液の音。
「ハぁ、ああっ、んあ、」
宍戸の喘ぎ声。
「はあっ、っく」
もう、持ちそうにない。マグマが体の奥から吹き出そうとするのが分かる。
「宍戸っ!」
「あああっ」
無茶苦茶に腰を振る。
「ああ、ダメっ、だめ!」
「っ!」
「あつ、い!あついっ、アア」
「イけ!」
「く、ァ、あああああっ!」
宍戸の中心が躍るように弾んで、弾けた。
「く、ゥ」
食いちぎられそうな締め付けに、俺も大量の熱を吐き出していた。

    ***

「おーい。いい加減顔見せろ」
跡部の揶揄うような声が、すごく楽しそうでムカつく。
「いいじゃねえかよ、気持ち良くなるためにシてんだ、恥ずかしがるなって。色っぽい声だったぜ?」
「…うるさい!」
俺は猛烈に、盛大に恥ずかしいんだ!
「良かったじゃねえか。下手くそに植え込まれたトラウマも無事解消だ。だからよ…」
跡部が包まっていたシーツを引っぺがす。
「ちょっ、」
慌てて隠れようとしたが、伸ばされた手に呆気なく抱きこまれる。
「もう一度、良いだろ?」
「ばっ!」
俺が何度イかされたと思ってる!マジ体力の限界だっつーの。
「お前は寝転がってりゃいいから」
「跡部ー!」
押し付けられた昂りは熱く脈打ち、もう力を取り戻している。
「俺に任せとけって」
逃げ出そうとしたら、足首を取られて引き戻された。
「イイ子だから、な?」
いい子、だなんて。
「…バカが」
慣れない言葉に照れてる内に、俺はあっさりと脚を割られていた。
「集中しろ」
「ったく、」
やっぱり、嵐のように。
俺は熱に飲み込まれる。

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はじめに
ようこそお越し下さいました!「ハコニワ‘07」はテニスの王子様、跡宍メインのテキストサイトです。妄想力に任せて好き勝手書き散らしている自己満足サイトですので、下記の点にご注意くださいませ。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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