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塚←不二前提の、乾不二・リョ不二の2本です。
scene優しい人(乾×不二)
「馬鹿だな、何も気にすることなど無いんだ」
ゆっくりと押し倒されるのは、乾のベッド。
見上げれば、見慣れた眼鏡は暗い部屋の中で、益々乾の感情を隠す。
想像もしなかったこの状況に、そのロボットの様な無表情は、この空間をより非現実的なものに感じさせる。
「これでも一人っ子でね、結構我儘だと思うよ。欲しいものは必ず手に入れる。
おもちゃ屋の前で寝ころんで駄々をこねるみたいな可愛い事は出来ないけどね。
余程たちが悪いのは重々承知さ」
「だから、俺は全部分かった上でこうしている」
「なあ、不二。そういう事なんだ」
不二は「諦め」に限りなく似た「安堵」に、静かに瞼を閉じた。
もう、振り向かないあの人の背中を追いかける必要は無い。
乾のひんやりとした掌がそっと頬を撫で下ろし、そして、その指先はシャツのボタンへと続く。
「だから、このまま流されればいい。全て俺の我儘なんだから」
優しい人。
scene罠(リョ×不二)
「ねえ越前、ちょっとこっちに…」
不二先輩に手招きされ、俺は素直に頷いた。
手にしたラケットはロッカーに立てかけ、首のタオルはベンチに放る。
部室の奥に置かれた一脚のパイプ椅子。
それはよく、手塚部長が事務仕事をする時に使う椅子。
それを部室の中央へ移動させ、不二先輩は部室の扉を真っ直ぐ見つめるように腰掛けている。
「越前は体温が高そうだから…」
そう呟いて、先輩は目の前に立つ俺の両手を取り、自分の頬を包むように押し当てた。
まるで、暖を取るように。
そうだね、雨が降ると寒いくらいの季節。
でもね、今日はそこまで寒くは無いよ、先輩。
そして、コートに残るのは部長だけ。
きっとすぐに、部長もこの部屋へ戻って来る。
戻って来る…。
近づく足音に、不二先輩は小さく躰を揺らした。
馬鹿だね、不二先輩。
「俺は、俺の意思で、…するよ」
「え?」
扉が開く瞬間。
俺は先輩にキスをした。
白い頬を両手で包み込んだまま、俺は屈んで顔を近づけた。
先輩が怖気づいて立ち上がり掛けたから、パイプ椅子が嫌な音を立てる。
そして、小さく扉の閉まる音。
そして、去っていく部長の足音。
そして、不二先輩の啜り泣く声。
「馬鹿だよ、先輩」
中途半端な覚悟で、こんな事仕掛けるから。
振り向かないあの人の、気持ちを試すような事をして。
結局、怖気づいて。
俺は、涙を隠して俯く先輩を、強く抱きしめる。
座ったままの先輩は、もう逃げ出す事は無い。
だって、部長は出て行ってしまったから。
「俺を利用しようなんて、まだまだ、…だね」
「…ごめん、越前」
「馬鹿だよ、不二先輩」
何て、お人好し。
「泣かないで。俺なら、先輩をこんな風に泣かせない」
挙げ句、俺なんかに付け入られて。
ねえ、不二先輩。
俺は、俺の意思で、あんたを抱くよ。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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