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11代目拍手です。

跡宍・千神・リョ海 各1本ずつ


scene窓際で(跡×宍)

「跡部」
「…ああ?」
キーボードを打つ手を止めて声に振り返る。
宍戸は窓際に立ち空を見上げていた。
「なんかもう、冬なんだな」
「そうだな」
空が低い。
1日が短くなったように感じて損をしている気分だと、宍戸はよく言った。
「窓際は冷えるだろ?こっちに来い」
いくら空調が効いていても、大きすぎる窓ではどうしても外気に負けてしまう。
「やだ」
「宍戸?」
「お前が来い」
「ったく」
いつも聞き分けのイイ恋人は、時々こうして拗ねた口を利く。
「寒い」
「だから言ってるだろ?カーテン閉めるぞ?」
「やだ」
「…宍戸」
こういう時は、黙って言う事を聞くしかない。
「お前は鈍い」
「俺が?」
自慢じゃないが、そこそこ目端が利くタイプだと自負していた。宍戸にだけは言われたくないと、言い掛ける口を噤む。
火に油を注ぐのは利口じゃない。
「こういうときは『俺が温めてやる』くらい言えよ」
「…は?」
「お前、実は気障でもプレイボーイでもないよな」
「…あのな」
自分の家で、気心知れた奴との穏やかな空間で、何を気取ってなきゃいけないのか…。
「…あんま気抜いてると、浮気しちゃうぜ?」
「それは困る」
咄嗟に、冷えた肩を背中から抱き締める。

それは、男前な恋人の不器用な甘えだった。

 


scene待ち合わせ(千×神)

「神尾くん、ごめん!」
「千石さん」
ようやく現れた千石さんに、俺はほっと息を吐く。
軽そうに見せても俺にはいつも誠実な千石さんが、約束をすっぽかすことは無いと信じていたけれど。
「…ほんと、ごめん!」
「良かった」
俺の手を取り息を切らしながら謝罪する千石さんに、思わず呟いた。
「神尾くん!」
千石さんは急に顔を上げ、一転して険しい表情をみせる。
「な、何?」
「どの位待ってたの?結構早く来てたんじゃない?」
「えー、と」
千石さんが遅れたのは30分。俺も寄りたい所とかあってかなり早く来てたから…。
「1時間くらい」
「ダメじゃないか」
「へ?」
千石さんは、握ったままの俺の指先に息を吹きかけた。そして自分の頬に擦り寄せる。
「こんなに冷たくなって。こういう時はどこか店に入る事!って、遅れた俺が言えたセリフじゃないけどね」
千石さんは、そのまま俺の手に何度もキスをする。
「…恥ずかしいよ」
「何言ってるの?俺の所為でこんなに冷えちゃって。すぐに温めなきゃね?」
「千石さん?」
「ほら」
千石さんはジャケットの前を開け俺を抱き寄せる。
「俺に抱きついて。背中に腕を回してごらん。ジャケットの中にだよ?」
「ちょ、それは流石に」
ここは結構大きなショッピングモールの入り口で、さっきから引っ切り無しに人が出入りしている。手を取り合ってる時点でかなり目立ってるんですけど…。
「何恥ずかしがってるの?風邪でもひいたらどうするのさ」
「あー、でも」
「じゃあ、こっちならいい?」
千石さんは強引に俺の手を引き、少しはずれのベンチまで移動する。そして自販機の蔭に隠れた。
「ここならいいでしょ?」
そう言って、もう一度強く抱き寄せた。
「俺の体温で温めてあげる」
「…うん」
千石さんはにっこり笑って、俺の額にキスをする。

千石さん、分かる?
俺すっごくドキドキしてるんだ。
温かいを通り越して、熱が出ちゃいそうだよ。

 

 

scene朝練(リョ×海)

「…先輩。寒くないンすか?」
「ああ?」
俺を見上る越前は、ジャージを着こんでもなおガタガタと震えている。
「もう10月も終わりっスよ?そろそろ半袖ハーフパンツは辛いっスよ」
「まだ平気だ」
「見てる方が寒いよ、ほら」
「…なっ!」
越前が急にしゃがみ込んだと思ったら、俺の脚に…!
「やっぱり、相当冷たいよ?」
「なっ、なっ!」
ちゅっ…と音を立てて、俺の脚から唇を離す。
「ほら、鳥肌も立ってるし。俺温めてあげるっスよ」
「わー!」
鳥肌は、お前がそんな事するからで!
座り込んだ越前は、俺の脚を抱きしめて、もう一度唇を寄せる。
そして今度は、下から上へ、ベロリと…。
「んぎゃーっ!」
な、舐めやがったコイツ!
「海堂ー、うるさいぞ」
「も、ももも…」
桃城はかったるそうな口調で、ジョギングの先頭に立つ。
これを見て、何か言う事はねエのか!
「越前ー。海堂がぶっ倒れないように、程々にしとけよ」
「うぃーっス」
「お、おお、お…」
お前ら、俺を何だとー!

ブチっ、と。何かが切れた音がする。
世界が、真っ暗になった。

「あ、海堂先輩、倒れた」
「…だから、程々にしとけって言ったろ?」

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