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明けましておめでとうございます。
昨年中は大変お世話になりました。今年もどうぞご贔屓にv宜しくお願い致します。
年末年始に風邪ひきまして、ようやく復活!
そして明日からもう仕事…。なんてこったい(泣)
とりあえず、今年一発目は「安らかな眠り」の続編です。
穏やかな目覚め(跡×宍)
目覚ましの音で渋々目を覚ます、そんな毎日だったから、自然な明るさに誘われるようにして目覚めるなんて夢のような気がする。
そうか、俺はまだ夢の中なんだ。
「起きたか?」
「…あ?」
耳許から、聞き慣れない声がする。いや、聞き慣れていると言えば聞き慣れているんだけど、このシチュエーションではあり得ないというか。
「寝過ぎちまったな」
「…跡部?」
「ああ?何だ」
跡部だ。
夢でも何でもない。リアルに、隣から聞こえる声。
「えー…と」
何だっけ?何でこんな事になってんだ?
ああ、ここ俺の部屋じゃねえじゃん。頬に触れる枕の肌ざわりも、天井の柄も違う。
「お前まで制服のまま寝ることねえだろうが。せめてジャケットくらい脱げよ」
…ああ、思い出した。
「手前が俺の手離さねェから、脱げなかったんだよ」
「へえ、そうだったか?」
「あのなァ」
何が「へえ」だよ。頑張って着替えろって言ったって、何だかくだらない事をごちゃごちゃ言って、挙げ句俺の手を離さなかったくせに。
「優しいのな?それで添い寝してくれたのか?」
跡部はクク…と笑うと、俺の頭に手を伸ばす。
息が届く程の近くで、同じ枕に頬を埋めて、俺の髪を撫でる跡部。
目を細めて優しく微笑む、そんな跡部を見つめてたら、昨日の跡部の言葉が蘇る。
― すぐに捕まえてやるから。
跡部が眠りに落ちる前に呟いた言葉。
「っ、」
俺は、反射的にベッドから跳び起きようとした。
「バカ、ここまで来て逃げるなって」
「…ここまで、って」
跡部は寝起きとは思えない瞬発力で、握力で、俺の腕を強く掴んだ。そのままベッドに引き戻される。
「どうせ朝練は中止だ。ゆっくりしろよ」
「え?中止なのか?」
まあ、行ったところで大分遅刻だろうなとは思ってたけど。
「ああ、昨日監督からメールが来た。急な施設点検が入ったらしいぜ。試合翌日なのもあるし、いっそのこと休みにしちまおうって思ったんだろ」
「…昨日メールって」
学校を出て跡部の部屋に来るまでの間、メールを確認している素振りは無かった。部屋に着いてからは、ベッドに倒れこむまでそんな暇は無かったし…。
「お前な。あの時間から今まで、ずっと眠れる訳がねえだろうが。一度起きて確認したんだよ」
「は?」
じゃあ、何だよ。起きたくせに、着替えなかった訳?てかさ、俺を起こせよ。
「お前、よくぶっ通しで寝れるな?ガキじゃあるまいし」
「…誰の所為だよ。起こせばいいのによ」
「あ?起こしたら帰っちまうだろうが」
そりゃ、帰るだろ。家に連絡してないし。
「ああ、家には連絡入れておいたぜ。体調崩したから俺んちに泊めるって」
「…よくもまあ、そんな嘘を」
「嘘も方便だ」
怒るのもバカバカしい。
俺は、ごろりと転がって天井を仰ぐ。薄手のカーテンを通して、朝日が天井を照らしている。
お陽さまの明るさで目覚めるのって、気持ちいいな。俺の部屋は遮光カーテンで、ぴったり閉めてしまえば夜だか朝だかわかりゃしない。
「うーん…!」
思い切り身体を伸ばす。ああ、これで制服着てなきゃもっと良く眠れただろうに。さすがに肩が凝っている。
「あれ?跡部、何で起きたのに着替えなかったんだよ」
眠ったままの俺は仕方がないけど、一度目を覚ました跡部なら部屋着に着替えられたろうに。
「あの状況で俺だけ楽な格好になるのも気が引けてな。かと言って、お前を勝手に着替えさせたら謂れのない疑惑を持たれそうだし?」
だろ?と、跡部が口角を上げた。
…あー、昨日の発言はやっぱり本当なんだ。
「あ、そ」
俺はそっぽを向いて、そう返す。
かなり照れくさいぜ?昨夜の言葉がどこまで本気かは分からないけど、思った以上に気に入られてるのは本当のようだ。
「ばか、こっち向けって」
「あ?あァ」
跡部の甘える声なんて気色悪いだろ!って思うのに、それが意外とそうでもなくって。俺は素直に跡部と向き合う。
「覚えてるよな?昨日の言葉」
「…ああ。何となく」
「何で何となくなんだよ。頭悪いな」
「う、うるせえ!」
あんなこっ恥ずかしい言葉、思い出すのも嫌だ!
「じゃあ、もう一度言うから忘れるなよ?」
「言うな!」
慌てて耳を塞ごうとする。
でも、当然跡部が許さない。
「聞け。じゃなきゃキスするぞ」
「聞きます!」
「…それはそれでムカつくな」
「じゃあ、言うなよ」
「言うさ」
…何だかなァ。
呆れる俺を余所に、跡部は小さく微笑む。
「お前が好きだ」
瞳を細める表情は、今までに見た事もない穏やかさだった。
「…昨夜、そんな事言ってなかったじゃん」
「お?ちゃんと覚えてるじゃねえか」
「っ、く」
跡部のからかう口調に、頬が火照った。
うわー、ハズい!きっと俺、相当赤面してるよ。
忘れてた振りしたのがバレたのも恥ずかしいけど、それより跡部がさ、嘘みたいにカッコ良く見えるんだ。
やば!絶対絆されてるよ、俺。
「惚れたろ?」
「!?」
「仕方ねえよな、俺様に口説かれて落ちない奴が居る筈ない」
「な、なっ!」
この、自信家!
「本当だろ?」
「うー…」
ったく、どこから来るかなその自信は。
でも確かに、昨日の試合を見て惚れない奴はいないかもな。しかも、こんな特別な素顔を見せられたらな。
「いいって、お前から無理に言葉を貰おうとは思ってない。普通、そんな覚悟なかなか決められるもんでもないだろ」
「あー…」
何かさ、どこか引っかかる言い方するんだよな、こいつ。
「手前にはそんな度胸ねえだろ?」
かっちーん!
俺が肝っ玉小さいみたいな、そういう言い方だよな!?
かなり腹立つ!
「お、俺だって、跡部が好きだよ!」
あ、思わず口をついて出てちまった。
「よーし、言ったな?」
「…あ~」
嵌められた。
しまった、って顔顰めた時にはもう遅くて、跡部は素早く俺にキスした。
ぽかんと開いたままの俺の唇に、跡部の唇が重なる。
あァ、お前の唇って柔らかいのな?
昨夜も思ったけど、睫毛長いな。色も白くて…。
あーあ、お前が女だったらな。俺、勝者のガッツポーズを決めてた所だよ。
「シケた顔すんなって」
唇を離して、跡部が笑った。
「…だってよォ」
「昨日の俺は、カッコ良かっただろ?」
自分でよく言えるよな…。まあ、カッコ良かったけど。
「もっと強くなるぜ、俺は。一番近くで見てみたくないか?」
「それは」
…見たい。
「お前も、俺と一緒に居ればもっと強くなるぜ?」
「ああ。だろうな」
跡部の指先が、俺の頬をなぞる。
少しの引っかかりもない、滑らかな動き。
夏だってのにささくれ立った俺の指とは違う。確かに男性の手なのに、どこか涼しげでうっとりとさせられる。
「だから、傍にいろ」
「…バカ」
例えばお前がカッコ悪く負けたって、例えば俺が強くならなくたって、それとこれとは別なんだよな。
くそっ。
少し泳いだ視線とか、一瞬戸惑った指先に、気持ちを全部持ってかれる。
「宍戸?」
「好きだわ」
「宍戸…」
俺の言葉に、跡部が笑った。
俺も笑う。
「跡部」
「宍戸」
見つめあって、同時に吹き出した。
「ハハ、キモいって俺ら!」
「それは手前だけだ」
「ああ!?」
「もう少し寝るか」
跡部は大きく伸びをしてから、俺の頭を引き寄せる。
「マジっすか!腕枕とか!」
「光栄に思え」
「はいはい」
もう一度、クスクスと笑い合う。
差し込む陽射しが強くなって、今日も暑くなるんだろうな、って。
そう思った時には、もう瞼が落ちていた。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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