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Sceneギュっ!(リョ×海)
「ただいま」
空港のアナウンスも、人々のざわめきも、もう何も海堂の耳には届かない。ただ一言リョーマの唇が紡いだ「ただいま」の言葉以外は。
「先輩、小さくなったみたい」
「…馬鹿が。小さくなるかよ」
お前がデカくなったんだ…と小さく言う。
リョーマの成長が嬉しいような、身長を抜かれたことが悔しいような。あの頃の幼いリョーマにはもう会えないのかと寂しくもあり。
けれど結局は、ただ照れくさかった。
リョーマは嬉しそうに微笑む。
「帰ったら真っ先にやりたい事があったんだ。いい?」
そう尋ねるリョーマは、手にした鞄を足元に置く。
「…いいんじゃねーの」
海堂が何言ったって、リョーマに聞く気がないのは明らかだ。
一歩、二歩。
目の前に立ったリョーマは、あまりの近さに余計に大きく感じる。
「早くね、こうしたかったんだ」
そう言って、じっくり味わうようにゆっくりと、海堂を抱き寄せる腕。
「越前…」
「先輩をギュってできる位大人になったよ?ねえ、いいでしょ?」
そう。それは約束だった。
「…ああ、ずっと一緒だ」
「うんっ!」
幼い頃の幼稚な約束。
リョーマの嬉しそうな笑顔に、海堂は優しく瞳を閉じた。
先輩のこと包み込めるくらい大きくなったら、結婚してくれる?
…テメエ、頭オカシイんじゃねーか?
ねえ、いい?
…。
ねえってば!
できるもんなら、やってみな。
Sceneギュっ!(跡×宍)
胸の上に文庫本を伏せたまま、跡部は規則正しい寝息を紡ぎだす。
「…珍しい」
自分の家なら運びこむことも不可能だろうゆったりとしたソファで、跡部は寝入っている。
「こんなでかいソファなのに、脚が窮屈そうなのがムカつくなぁ」
宍戸は傍らに座り込むと、吐息にふるえる長い睫をまじまじと観察する。瞬きしたらバサバサ音でもしそうな長く豊かな睫。そして伏せられた瞼の下には、どこまでも澄んだ神秘的な海のような、どこまでも晴れ渡る青空のような、宍戸が大好きな瞳が隠されているのだ。
人の気配を感じたのか、跡部はころりと向きを変えて宍戸の方へ身体を向ける。
けれど浅い眠りは覚めない。
何かを囁くように、もごもごと動く唇。
無防備な帝王のうたた寝姿。
「…くっそー。ギュってしたくなるじゃねーか」
「…しろよ」
「いっ!?」
驚いて飛び退いた宍戸を、跡部の腕が素早く捕まえる。
「てっめぇ!いつから!?」
宍戸の照れ隠しの怒鳴り声に、跡部は微笑みだけを返すとゆっくりと身を起こす。
「ほらよ」
そう言って、両腕を広げるから。
「…ちぇ」
宍戸はそっぽを向きながら、それでもギュッと、跡部に抱きついた。
Sceneギュっ!(千×神)
「かーみーおーくーーん!」
「…げっ、来た」
「うわぁ、土煙立ってるし」
下校途中、振り向けば見慣れた白ラン姿がこちらに向かって突進してくる。
心底嫌そうな顔で伊武が言うとおり、マンガのように土埃が舞い上がっている。
「おまたせっ!」
そしてあっという間に、千石は神尾の前に立ちはだかる。
『別に待ってはいないけどね…』という本音はもう言わない。神尾にだって学習能力はある。だから、ソワソワと足踏みをしてご褒美を待つような千石に手を伸ばすのだ。
「お疲れ様。今日はどこ行く?」
そう言って、神尾は見上げるように千石に抱きついた。
そして、ギュッと力を込めるのだ。
「へへっ、どこでもいいや。神尾くんと一緒なら」
「そう?」
毎日毎日毎日。満面の笑みで駆けてくる千石。そして、嫌そうな顔をしながらも、嬉しさを隠し切れない神尾。
「…馬鹿じゃないの?」
伊武は呆れた顔で溜息を吐いた。
決して幸せそうな二人に対する妬みではない。心の底からそう思うのだ。
少し離れたところでは、訝しげな視線を寄越す下校途中の生徒たちに必死で言い訳する部活仲間の姿があった。
Sceneギュっ!(塚×不二)
「手塚」
「…不二?」
もうとっくに日が暮れて人気のない校門で呼び止めたら、手塚はとても不思議そうな顔をする。
「…仮にも恋人が待ってたのに、その表情って何さ」
本当は可愛い恋人が待ってくれていたことを嬉しく思っているけれど、照れくさくて素直になれない…なんて。手塚がそんな情緒を持ち合わせていないことは百も承知だ。
心の底から不思議そうな手塚の表情。
「今日は遅くなるから、先に帰ってろと言っただろう?」
挙句の果ては説教だ。
もう少し、ほんの少しでいいから何かないものだろうか?
「…もういいよ」
不二は呆れ半分、怒り半分で歩きだした。
「不二?」
「君にね、そーゆーのを求めたのが間違えでした!」
「何を怒ってるんだ?」
「そんな事も分からない君に怒ってるの!」
「…不二!」
早足の不二。
追いついた手塚は、どうしたものかと考え込んでから、恐る恐る腕を伸ばした。
このままでは、もう少しで分かれ道になってしまう。
「待て」
そして、怒ったように揺れる肩を思い切り引き寄せる。
「わあっ!?」
急に後ろに引っ張られて、不二は掴まれた肩を中心にクルリと振り向かされたかと思うと、そのまますっぽりと手塚の胸の中だ。
「どうすれば、機嫌が直る?」
「…も、いい」
自覚のない手塚の強引さに、不二は一瞬呆然とする。
それから、ギュッと抱きついた。
満足そうに閉じられる不二の瞳。
「…?」
手塚は相変わらず首を傾げながらも、不二を抱く腕に力を込めた。
Sceneギュっ!(忍×岳)
「なあ、侑士。これカッコよくね?」
「どれ?」
膝に広げた雑誌を見ながらそう岳人が言うので、忍足は隣に座って覗き込もうとする。
「あっ、バカ。そこ座ったら暗くなるじゃねーか」
「えー…?」
岳人の左隣は忘れ去られた勉強道具が置かれたローテーブル。だから空いた右隣に腰掛けたのに、怒られる始末。当然目の前に座ればますます岳人の視界は悪くなるだろう。
「……」
「……」
「……」
本当はたいして興味もないページを睨むように見つめる岳人に、忍足はクスっと笑った。
「何や、恥ずかしがらんでも言えばエエのに」
そして、岳人の後ろに腰を下ろし、包み込むように背中から抱きしめた。
「これなら、ええ?」
「…おう」
自分から「ギュってして?」と言えない岳人を、忍足はこれでもかって力で抱きしめる。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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