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!注意!
・神尾&深司が女体です
R-18です
・長いです

2008.10発行(完売)のコピー本より。
改訂とは言えないくらい、微妙な修正のうえUP。
さすがに8年近く前に発行した本なので、持っている方はいないと思いますが(笑)
忍足がほんのちょっとだけカッコよく(?)なってます。
元があまりに残念な書かれ方だったんで手直ししました。


PC入れ替えを機に、データの保存も兼ねてUPします。
久しぶりの更新がこんなんですみません!

囚われの純粋べカミ)


最近、変なのに付けまわされてる。
「…深司」
「神尾…」
もう3回目か?ここのテニスコートで会うのは。
氷帝学園に通う生徒なら、こんなストリートテニスコートに用があるはずないんだ。学園には何面ものコートがあって、きっとコイツなら、自宅にだってそんな設備いくらでもあるはずなんだ。
天下の跡部家。そこの一人息子、跡部景吾。
「よう、また会ったな?」
また、って。よく言うぜ、待ち伏せてたくせに。
俺達は平凡な公立中学校の生徒で、もちろんそんな何面もテニスコートがある恵まれた学校じゃないんだ。まだ2年だからなかなかコート使わせてもらえないしな。
だから部活のない日はこうしてストリートで練習してる。
「何黙りこくってんだよ?」
跡部はゆっくり階段を上がってくる。俺達は帰ろうとした道を塞がれ、追い詰められるように一歩ずつ後ずさった。
「何や、跡部逃げられてるんか?」
今日は、いつものでかい奴を連れていない。その代わり、メガネをかけた胡散臭い奴を連れている。見た目は二人とも完璧な美形なんだけど、片や性格に難ありの御坊ちゃま、片や胡散臭い関西弁。
「逃げられてなんかいねえだろ。これは、あれだ。あまりの好運に嬉しくて声も出ないってやつだ」
「何が好運だ!」
思わず突っ込んでしまう。
「ほーら、跡部違うて」
「うるせえぞ、忍足」
ふーん、忍足っていうんだ。
「…神尾、相手すんな」
深司が俺の袖を引く。
「分かってる」
もう一回コートに上がれば、反対側にも階段がある。少し遠回りにはなるけれど帰れなくはない。
毎度毎度声を掛けてくる跡部だけど、こんな風に近づいてくるのは初めてだ。いつもは「女にしちゃやるじゃねえの」とか「お前、下手くそだな」とか練習を眺めては茶々を入れるだけだった。
年は一つしか変わらないはずだけど、妙に背がでかくて威圧的な物言いがもっと年上に感じさせる。 
俺達は女の中でも特別大きくないし、つーかむしろチビだし。何かされたら太刀打ち出来ないのなんて分かり切ってる。
俺はまだ良い。足の速さとすばしっこさには自信があるんだ。でも、深司は違う。人並み以上に運動は出来ても、特別足が速いわけじゃない。何より全体的にのんびりしてるんだ。テニス以外でコイツが機敏な動きをするのを見たことが無い。
「なあ、名前聞いてもええ?」
忍足が、足を速めて二三段駆け上がる。
俺達はびくっと体を強張らせて背を向けようとした。
「あーあー、すまんな。別に怖がらせたい訳やないんや」
忍足は、ごめんごめんと足を止めた
「名前、聞きたいだけなんや」
「…何で」
凄んで見せたら、忍足は楽しそうに笑って頭をかいた。
「え~、そないな事聞かんでも分かるやろ?」
「やっぱり」
俺は、隣に立つ深司を背中に隠す。
「神尾」
深司は足をもたつかせて二段ほど上がると、心配そうに声をかける。 
いつものナンパだろう。数回に分けて偵察に来るあたり、いつもよりも性質が悪いか?
深司は、綺麗な顔立ちで物静かで、サラサラの黒髪が似合いな所謂美少女だ。口を開くと意外とブラックな発言が多いんだけど、そんなの傍から見るだけの男には伝わらない。
俺は、小学校の頃からそんな深司を守り続けてきた。最近の大人って、相手が小学生だろうが中学生だろうがお構い無しなのな。平気で手を出そうとする。
こいつらだって、最悪の場合階段から蹴り落としてしまおう。
もう、夕闇がせまっていて、このまま陽が沈んじゃったらこいつらの思う壺だ。深司の奴、声がむちゃくちゃ小さいから、きっと叫んだって誰も気づいてくれないだろうし。
距離を保ったまま除除に後ずさる俺達に、忍足は困ったような笑みを浮かべて後の跡部を見遣る。
― 今だっ!
「深司、逃げろ!」
俺は、思い切り深司を突き飛ばした。
「神尾っ」
あまりに強く押したから、ふらついて片手をついてしまったようだけど、派手に転んではいなそうだ。これなら深司は逃げられる!
けれど、深司の足音がしない。俺は慌てて振り向いた。
「深司!早く逃げろって!」
「違う…!」
深司が俺の背後を指す。
「え…?」
振り向けば、息がかかるほど近くに跡部がいた。
「…っひ」
「ばーか」
跡部はそう言ってニヤリと嗤うと、背後から俺の首に腕を巻きつける。
何段か下に立っているはずなのに、それでも全然大きくて、俺は後から見下ろされた。
そんな俺達の横を、忍足が弾む様に上って行く。
「…深司!」
座り込んだままだった深司は、呆気なく忍足の手につかまった。
そんな深司を優しく立たせてやると、忍足は乱れた黒髪を直してあげながら顔を覗き込んでる。
「こっちの子の方が、全然別嬪さんやねんけど。人の好みって分からんもんやな」
「…え?」
それって…。
「なあ、深司くんとやら。君の友達おもろいな?神尾くんって言うん?自分が狙われてるのも気づかんと、君のこと逃がそうと必死になって」
「…ンのやろ!」
深司が眉を跳ね上げて忍足を睨む。
「わーお。意外とこっちもお転婆やね?俺、好きよ。そーゆーの」
忍足が、深司の髪にキスをする。
「なっ!」
深司は眼を丸くして固まってしまった。
俺がいつも男どもから守ってきたから、深司の奴、男性に全く免疫がないんだ。あまりの衝撃に、ぴくりとも動けなくなっている。
「深司!しっかりしろ!」
叫んでも、全然反応しない。
「バカが。お前は自分の心配しとけ」
「ちょ、」
跡部の腕がきつく抱きしめる。
「お前も大概鈍いよな。俺の態度、結構あからさまだったと思うぜ?本当に気づかなかったのかよ」
「…うるせえ」
自慢にもならねえが、俺は今まで男に好かれたためしがない。いつも深司の横で男子を威嚇し続けてきたから嫌われることには慣れてるが、間違っても告白されたことなんて無かった。
一重瞼で鋭い釣り眼だから、黙っていると怒っているように見えて怖いと囁かれてるのも知ってる。でも別に俺はそんなの興味ないし、それに、いつか絶対赤い糸で結ばれている誰かと出会えるって信じてるんだ。だから、こんな奴!
「手、離せよ」
「おいおい。随分可愛い口きくじゃねえか?立場分かってるのか?」
「…何だよ立場って」
俺達の睨み合いに、忍足が苦笑する。
「跡部、そないな事言わんで。仲良くしたいだけやろ?」
「へェ?仲良く、ね。どういう風に仲良くするつもり?」
今度は深司が食ってかかる。良かった、少し復活したみたい。
そんな深司のせせら笑うような物言いに、忍足は嬉しそうに返す。
「君、綺麗な顔して、結構言うね」
「どうも」
「誉めてないんやけどね」
薄暗い中で、地味な突っ込み合いはやめて欲しい。
「まあいい、行くぜ」
跡部はそう言うと、俺を引っ張って階段を降りはじめる。
「ちょ、どこ行く気だよ!」
「ああ?そりゃあ、仲良く出来る場所だろ?」
「…っ」
回された手は、跡が残るんじゃないかってくらい強く肩を掴む。
「深司…」
「神尾」
すぐ後ろからは同じように深司が忍足に引かれ、俺達は不安に視線を交わすことしかできなかった。


***


連れて来られたマンションは酷く空気が澱んでいて、日ごろ使われていないのが分かる。
ダイニングのテーブルも薄ら埃が積もり、忍足は顔をしかめてそれを吹き飛ばす。
「だから言うとるやろ?いくらなんでも、ハウスクリーニングくらいは入れろって」
「…うるせえな。嫌なんだよ知らない奴に入られるの」
跡部は壁際のリモコンを掴むとボタンを押す。空調が働いて低い機械音が響いた。
二人の寛ぎ方を見てると、きっとこの部屋は跡部の私物なんだろうなって思う。こんな高層マンションの最上階をポンと息子にくれてやる親の気が知れない。
「まあ、そんな所に突っ立っとらんと、そこ座り?少し埃っぽいけど」
そんな言葉を深司は鼻で嗤い飛ばすと、わざと埃が立つようにドンっと派手に腰掛けた。
「別に、言うほどでもないけど。御坊ちゃまは随分繊細でいらっしゃるんだね?メイドさんが綺麗に掃除してくれたお家に帰った方がいいんじゃない?」
「ホンマ君、可愛い口きくな」
「お褒めに与り光栄です」
「だから誉めてへんわ」
二人は、読めない表情で見つめあう。
そんな二人を余所に、跡部は冷蔵庫を開けたり、キャビネットを覗いたり、そして手頃なワインボトルを掴みだした。
「保存状態最悪だから味は期待できねえが、まあ無いよりはマシか?」
「あ?ああ、そうやね」
「じゃあ、精々酒でも喰らって、そこの一言多い女と楽しんでくれ」
跡部の言葉に、びくりと肩を震わせたのは俺だ。深司は詰まらなそうな顔して髪をかき上げてる。
「深司…」
「神尾、俺は平気だから。それより」
「…うん」
俺だってきっと只じゃ済まない。何事もなくここから出してもらえるなんて、まず無理だろう。逃げ出すにしたってここはマンション最上階で、飛び降りることだって出来ない。
「いくぞ、神尾」
初めて名前を呼ばれ、俺は反射的に振り向く。そんな俺に微笑むと、跡部は俺の腕を掴んで立たせる。
どこに?とは、流石の俺も口に出来なかった。そんなの決まってるよな。きっと、寝室だ。
俺が思い描いてた、赤い糸で結ばれた相手との幸せな初体験とはまるで違うこの状況。
俺はきっと、今日ここでこいつに抱かれてしまうんだ。


***


扉が閉まる音が、妙に大きく聞こえた。ここのマンションって、最上階が全部跡部の家みたいで、さっきの部屋から随分歩かされた。ここで泣き叫んだって多分深司には聞こえない。深司が泣き叫んでも、きっと俺には聞こえない。
もう逃げられないのが分かった今、その事実がほんの少しの救いに感じる。俺は自分のことで手一杯で、深司を助けてやるどころの騒ぎじゃない。情けないようだけど、深司の声が聞こえないことにホッとする。それに何より、自分の泣き声なんて聞かれたくなかった。
「脱げよ」
そう言って、跡部が突き飛ばす。
「…な?!」
酷い。まさか、本当にそれだけが目的だなんて思わなかった。ほんの少しも俺という人間への情は無いんだろうか。
「さっさとしろよ」
跡部はイライラした様に歩み寄る。その短い間に自分のジャケットを脱ぎ捨て、シャツのボタンを外し、もうその逞しい胸が肌蹴ている、
だらしなくぶら下がったネクタイをむしり取るようにして床に投げ捨てると、跡部は俺の体を押し倒す。
「やめろ…!」
俺は、その手を払って横へ転がり逃げる。
「バカが」
でも呆気なくつかまり、跡部は強引に俺の顎を掴むと視線を合わせる。
「俺は気が短いんだ」
指先に力がこもり、俺は顔を顰めた。
「…殴りたいなら殴れよ!」
こんな奴にヤられる位なら、殴られた方がマシだ。
「ふざけんな。そんなことしたら興ざめだろ?血まみれの女を抱く趣味はねえよ」
「…無理やりヤるのは、いいのかよ」
「それは嫌いじゃねえな、って、お前…」
跡部は、スカートを握り締めていた俺の手を取る。
「…何」
「お前、震えてんのか?」
「っ、うるさい!」
俺は慌てて手を引いて、寝転がった背中に隠す。
震えてるよ。そうだよ、何が悪い。こんな無理やり連れて来られて、初めてなのに優しくもされないで、きっと強姦される。どこの世界に怖くない女がいる?
「お前、まさか初めて…とか?そんな訳…」
「…そうだよ!悪いかよ!そんなの全然普通だろ?!俺、まだ中2だぜ?何で…」
何だってこんな目に。ずっと我慢してた涙が溢れる。一度箍が外れると、もう恐怖に押し潰されそうで、俺は逃げ惑う様にベッドの上から這い降りようとする。
「ちょ、待てって」
「触るな!」
怖い、掴む腕が固くて強くて。
「逃げるな」
「嫌っ!」
「おい、暴れるなって!」
「も、う嫌っ、助けてっ!深司!深っ」
声にならない。
「も、怖っ…、ひっ」
涙が止まらない。ひっくひっくとしゃくり上げるから、息も苦しくて全然腹に力が入らない。
「おい、マジかよ?お前本当に経験ないのか?」
「んっ、っく。あ、当たり、前…」
「だって、あの辺じゃ有名だぜ?お前ら二人誰にでもヤらせるって」
「…はあ?!」
見上げた跡部の顔は、涙に曇っていても嘘を言っているようには思えなかった。
「その割に俺には靡かねえし、かなりムカついてたんだけどよ」
「…ん、なの、知ら、な」
「ああー泣くな!」
「っひ」
怒鳴るから、益々涙が止まらない。
「まあ、お前が嘘言ってるとも思えないしな。でも、あっちの女は本当だぜ」
「…え?深司?」
「…お前、本当に何も知らねえのか?目出度い奴だな」
深司が、誰とでも?どういう事?
あいつは、俺が小学生の時から守ってやってて、男に免疫なんて無くって。
「まあ、いい。それなら願ってもない。おい神尾」
跡部は、俺のセーラーのリボンを手にしながら言う。
「な、何?」
俺は、跡部の顔を見つつもその手が気になって、視線を上へ下へと彷徨わす。
「名前は?」
「は?」
「下の名前だ」
「あ、アキラ…」
跡部はへェ、と笑うと「いい名前だ」と呟く。
「それじゃあ、アキラ。お前を抱くぜ?」
「…嫌ァっ!」
リボンが解かれる。

「ひどいっ、」
「うるせえ。お前少女漫画読み過ぎ」
跡部は、俺のセーラー服を引き破った。その上、ブラも強引に剥ぎ取る。
「やっ」
「バカ、隠すなって」
跡部は、胸を隠そうとする両手を抑えつける。
「見るな!」
あまりに食い入るように見られて、居たたまれない。
いつも思ってた。スタイル良くって胸も大きかったら幾らでも見せてやるよって。あまりに貧相で見っともないから隠したいのに、跡部は無理やりに抑えつける。
「ははっ、小せえな」
「っ…」
バカにするくらいなら抱かなければいいのに。こんな惨めな事ってない。
また溢れた涙が、こめかみを伝って枕に落ちる。
でも跡部の目には入っていないようだ。
「ああ、ヤベぇ…。イイわ」
跡部は胸に頬を擦り寄せる。
「あ、」
ずっしりと圧し掛かった体はびくともしない。悔しいけど、俺はされるがままだった。
「こんなの目の前に、カッコつけてらんねえっての」
「…跡部?」
大きな手のひらが小さな乳房をすっぽり隠し、躊躇うこと無く揉み込む。
「ひっ」
初めての感覚に鳥肌が立った。
「…優しくリードされたかったか?お前、初めてだもんな」
「あと、べ?」
「無理だって。ずっと触れたかった肌がよ、眼の前にあるのに。スマートに脱がせてる場合かよ。もう触れたくて触れたくて…」
「ひゃっ!」
跡部が先端に吸いついた。唇で挟んで舌先で突いて。そのうち、円を描くように舐めまわし始める。
夢中になってしゃぶっている。跡部の喉が、ミルクを飲む赤ん坊のように上下する。
下腹部がじん…と熱くなる。
今度はぴちゃぴちゃと舌が鳴って、見下ろすと、跡部が目を閉じて俺の胸に張り付き恍惚とした表情をしている。
「…ああ」
どうしたんだろう、俺。下腹が疼く。くすぐったくて気を逸らそうと腰を捩った。
すると、跡部が顔を上げる。
その頬は上気していて何とも嫌らしかった。思わず自分の頬に触れたらやはり熱くって、きっと同じようにのぼせたような顔をしているんだろう。
「感じるのか?」
「感じる…って?」
そう言うのか?イライラするようなこの下着の奥の疼きは。
「神尾、ここが変なんだろ?」
「ちょっ!」
上は脱がされたのに、腰から下はちゃんと身に付けた状態で、俺は両足を開かれた。
スカートが肌蹴て、下着が丸見えだ。
「すげ、ここ染みになってるぜ?」
「言うなっ!」
信じられない信じられない!こんな事されてるのに、俺は感じてるのか?
「甘い匂いがする」
「ダメ!!」
跡部が割り開いた脚の間に体をねじ込み、下着の上に顔を伏せる。しかも態々言わなくてもいい事を…!
大事な部分を隠す布を指先で摘まんでずらすと、跡部はとうとうそこにも触れてしまう。
薄い茂みの中に跡部は舌を差し込む。
「ああっ」
ある一か所に触れられたら、俺の体は勝手に弾かれた。その拍子に、跡部の顔にそこを擦りつけるような形になる。
「ああ、美味い」
「…バカ!」
強く舌を押し付けられて、何かが押しつぶされてるのが分かる。その先っぽが擦られるたびに俺は無意識に腰が跳ねた。
次第に、ぐちゅっと音を立て、跡部がその尖りにも吸いつき始める。啜り上げる唾液の音に、俺は円を描くように腰が揺れるのを止められなかった。
「あ、ああっ、何これ?はっ、アア…」
「アキラ…、エロいなお前」
跡部は揶揄うように笑うと、また鼻先を押し付けるように顔を埋める。
熱い舌が大胆に舐め上げたかと思えば、今度は先を尖らせて突くように悪戯する。それから唇で挟む様に啄んで…。
「ああ、やン…、ダメ、あっ、はあ…」
「…アキラ、すげェよ。こっちもぐちゃぐちゃに濡れてる」
そう言って、跡部はとうとう下着を剥ぎ取ってしまう。視界の隅に映る丸まった下着に、俺は恥ずかしくて固く眼を瞑った。
そんな俺の気も知らず、跡部は、まだ知らない奥底を指先で触れた。
その瞬間。
「あっ!」
初めての衝撃が走る。
「何、これ…?」
「お前、イきそうだったろ?」
え…?
「いく、って?」
「あ~、マジで初めてなのな」
呆れたような声の割に、跡部は楽しそうに微笑んだ。
「教えてやるよ」
「え?」
跡部はそう言って、再度激しく舌を使った。
「ちょ、やめっ!」
ずずっ…と啜る音に、ぴちゃっと漏れる水音。
もう、何だかわからないモノを我慢できそうもない。俺は、跡部の頭を太ももで挟む様な格好で腰を揺らした。
「ああ、あん、は、ァ…」
「アキラ」
跡部の片手が伸ばされて、忘れられていた乳房を鷲掴む。
「ああっ」
もう、隠しようもないくらい乳首は尖って震えてた。
「は、あ…。また濡れたぜ?」
跡部の息も熱い。跡部は唇をずらして奥の入口を舌でノックした。
「ひっ!」
どうしよう、どうしよう。何か、来る。
「…アキラ」
先に力を込めて、跡部の舌が侵入する。一度ゆっくりと入り、すぐに戻る。そしてその一帯をべろりと舐め上げた後、もっと固い何かが触れる。
「…や」
「平気だ。傷つけやしない」
つぷん、と。今までと違う感触。
俺の体は、その硬さに悦んだ。
そうか、跡部の指だ。そう気付いた瞬間に。
「は、あ、ァァァンっ!」
俺は四肢を硬直させ、仰け反った。体がガクガクと震える。今までの比ではない、何かに呑み込まれた。
「アキラ」
跡部の嬉しそうな声に、俺はイッたんだって悟った。

目の前が霞む。
自然と溢れた涙がたまって、横を向いた鼻筋を伝って落ちた。
「は、あ、はァ…」
荒い息を整えるので精一杯だ。それに、急激な眠気が襲ってきた。
「眠いか?」
「…跡部」
額に汗を浮かべた跡部は、そっと俺の頬を撫でる。労わるような優しさが沁み入るようで、俺は心地よさに瞼を閉じる。
「そうだな、少しそうしてろ。楽にしているんだ」
このまま寝たら、すごく良く眠れると思う。心地よい疲労感は全身を取り巻き、俺はもう何も考えられない。
そう言えば、俺って無理やり連れて来られたんだよな?もう、そんなのが遠い昔の事に感じる。
「そうだ、そのまま眠っちまえ」
「…ん」
俺は、跡部の言葉に甘えて意識を手放そうとする。端に押しやられた柔らかなタオルケットの感触を探す。
「…ひィっ!」
突然、俺の体が穿たれた。正に太い杭に貫かれた感覚。
「ば、っか!寝てろよ」
「…寝れるか!」
うとうとしている所を、呆気なく犯された。
「力抜けっ!」
「ふざけっ、痛っ、」
跡部はチッと舌打ちした。
「変に緊張するから痛いんだ。ほら」
「ひゃっ」
跡部の手のひらが、優しく脇腹をなぞる。そのまま、上へと滑り先ほど散々弄られた乳房に戻る。
「ほら、力抜け」
「あ、」
むぎゅっと掴む。指の隙間から逃げるように飛び出した乳首を、指の腹で押しつぶされる。
「…すべすべしてて、気持ちいいのな」
「あ、ン」
ムニムニと規則的に何度か揉まれたら、もうそれだけでさっきの熱がぶり返す。
「すげ、潤んできたぜ?」
「や、いちいち言うな、って!」
「あ、ほら、また」
俺が嫌がると知って、跡部はわざと口にしてるようだ。まったくムカつく!
悔し涙を浮かべる俺を鼻で嗤い飛ばして、跡部は体を起こした。
「あ、っ」
振動で、繋がりが深まる。
「そろそろ、動くぜ?」
「…あ」
そうだ、俺ばっかが気持ちよくなって、跡部の奴まだイってないんだ。
あれ、そう言えば…!
「あ、跡部?ゴムは?!」
「…ああ、忘れた」
「嘘っ!ちょっと、やめろよ!」
冗談じゃない!
「嘘だ、ちゃんと付けてるって」
「…あとべ!」
冗談は大概にして欲しい。ホント、洒落にならないし。
俺、初めてだから分からないしさ。付けてるのか付けてないのか、なんて。
「じゃ、動くぜ?」
そう言って少し腰を揺するだけで、俺の入口は引き攣るように痛む。
「く、…ン」
「まだ、痛いか?」
「へ、平…気」
跡部は、俺の額の汗を手のひらで拭った。もしかしたら凄く辛そうな顔してるのかな、俺。
「は、ァ」
腰を動かすごとに、跡部の熱はどんどん大きくなる。
「い、たァ」
いつか慣れる時が来るのかな?みんなどうして平気なんだろ?深司も、こんな思いしたのかな?
「悪ィ、止まんねェ」
跡部は、眉間に皺をよせて荒く吐き捨てる。
「ああっ!」
今までが嘘みたいに、激しく打ち付ける。
「や、やっ」
余りの勢いで体がずり上がって行く。
「っく、う」
跡部の唇からも、荒い息が漏れる。
益々激しくなるピストンに、俺はもうクラクラしていた。
「も、もうっ」
「く、ああっ。…出すぞ?」
「ん、っん!跡部」
「アキラ」
俺は、跡部の腰に脚を絡める。
跡部が仰け反って、激しく腰を突き上げた。
「出るっ」
「あああァっ!」
余りの熱さに、目の前が真っ白になる。


***


目覚めた時、俺は微温湯のような心地よさに浸っていた。
「アキラ、目、覚めたか?」
「…跡部」
覗き込む跡部が髪をかき上げて、その肘から水が伝い落ちる。
「…あれ?」
そこは、本当に微温湯の中だった。
「汗やら何やらで、ベトベトだったからな」
「…言うな!」
何だってこんなにも、ムードの欠片もないんだろう?
「なあ、アキラ。俺はお前の初めての男なんだよな」
「っ、何を」
こいつ最悪。無理やりヤッておいて…って、途中からは合意みたいなもんだけど。
「そうか…」
そう言って黙りこくった跡部は少し嬉しそうで、何かくすぐったい。でも、俺肝心なこと言われてないし、まだ信用はしていないんだ。
「言うことあるだろ?」
「…言うこと?」
「そう。一番肝心なこと聞いてないぜ、俺」
だって、告白もなしにHから始まるなんて最低だろ?だったらせめて、情熱的な告白でもして欲しいよ。すべてを帳消しにするような。そうしたら、赤い糸の相手が跡部だったって、そう思うことにするから。
「跡部?」
跡部はやたらに神妙な面持ちで俯いている。
なあ、まさか。本当に体だけの関係だなんて無いよな、跡部?
「…アキラ」
「…何」
「大事にする」
「…え?」
跡部は急に顔を上げて真っ直ぐに見つめた。
「絶対にお前を手に入れるって決めてたんだ。一生大事にするからな」
「…跡部」
思ってもみなかった熱烈な告白に、こっちの方が恥ずかしくなってしまう。
「だから、出来たらいいな」
「…はい?」
跡部は、湯の中に手を伸ばし俺の腹を撫でさする。
え…?何、まさか?
「ばーか。ゴムなんか付ける訳ねえじゃん」
「…跡部!」
ついさっきの真剣さが嘘のように、跡部は鼻を鳴らして嗤った。
「マジ、逃がさねえからな。俺以外の奴に触れさせてみろ、本気で許さねえぜ。ここに閉じ込めてやることも可能なんだ」
「跡部…」
裸の肩を掴む手が痛い。
顔を顰めたら、跡部はニヤっと唇を上げ、そこにキスをする。
「逃げたら、殺す」
「…なっ」
跡部という人が分からない。
縋るように、胸に吸いついた跡部。
真面目な顔で将来を誓う跡部。
そして、狂ったように束縛する跡部。
「アキラ」
跡部は手を差し出し、俺を湯から引き揚げる。
俺は、何も身につけない生まれたままの姿で、跡部の前に立ち尽くす。
「アキラ」
跡部は身をかがめると、俺の唇を激しく奪う。俺のファーストキス。
「…んっ」
あまりの長さに苦しくて拳で胸を叩くと、跡部はクク…と喉の奥で嗤う。こいつ、わざとだ。
「お前は俺のモノだ」
「あ、」
もう一度、今度は優しくキスを落としながら、跡部は左の乳房を強く揉む。何だか、心臓を人質にされた感覚に陥る。
「俺のモノだ」
強く抱きしめる腕に、体を預ける。
何だか変な男だけど、逃げられないことは本能が気づいてる。物理的な問題ではなく、心も、もう囚われていた。

次第に、濡れた体が冷えて来た。俺は跡部に縋りつく。
「ねえ、温めてよ?」
跡部の満足そうな溜息が、耳に心地よかった。





― おまけ ―

「で?君はどないする?」
「え?呑むけど」
「…あ、そ」
深司は跡部の用意したボトルを掴むと、慣れた手つきでコルクを抜く。
「君、随分な猫被っとんのやな?」
「悪い?」
髪をかきあげワインをラッパ飲みする姿は、神尾の信じている「男に触れたことも無い、のんびりとした美少女」には程遠い。
「バージンだって、神尾くん信じとるようだけど?」
「いいじゃない、それで。俺、神尾と一緒にいるのが好きだし。余計なこと言ったら、本気で許さないから」
抑楊の無さが不気味さを際立たせる。忍足はぶるっと肩を震わせた。
「…神尾くんが、好きなんか?」
「あんたの言う『好き』がどういう種類かわからないけど。まあ、たしかに好きだよ。跡部が神尾を裏切ったら、跡部を殺したいくらいには」
「…相当やね」
空恐ろしさに、寧ろ笑いが出てしまう。
「神尾くん抱かれるで。ええの?」
「神尾が幸せならいいよ」
「…幸せ、かねェ?」
忍足の知る跡部は、とにかく常識が通じない最悪の御坊ちゃまだ。あんな純粋な、普通に育った神尾の手に負えるとも思えない。
「幸せでしょ。少なくとも相手がアンタよりは将来安泰だ」
「…君、本当にカワイイね」
「有難う」
「…だから、誉めてないっちゅーに」
噛み合わない会話に、いよいよ忍足は舌を鳴らした。
深司はそんな忍足を余所に、もう一度ワインを煽る。
PR
はじめに
ようこそお越し下さいました!「ハコニワ‘07」はテニスの王子様、跡宍メインのテキストサイトです。妄想力に任せて好き勝手書き散らしている自己満足サイトですので、下記の点にご注意くださいませ。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
これらに関する苦情の拍手コメントはスルーさせて頂きますのでご了承ください。
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戸坂名きゆ実
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