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・R-18です
・長いです
2008.11発行(完売) コピー誌「片想いのベクトル」より。
こちらもほぼ手直しなし。PC入れ替えを機にデータの保存も兼ねてUPします。
・R-18です
・長いです
2008.11発行(完売) コピー誌「片想いのベクトル」より。
こちらもほぼ手直しなし。PC入れ替えを機にデータの保存も兼ねてUPします。
片想いのベクトル(跡宍)
跡部は困ったように、長めの前髪をかきあげた。
「…本当に好きなんです」
対峙した女の子は、良い返事を貰えなきゃその場を立ち去らないという勢いで、跡部を真っ直ぐに見上げた。
本当に好きなら、今跡部が心底困ってる事を分かってやれよ。
本当に好きなら、跡部を困らせるような告白はしてやるなよ。
「ダメ、ですか?」
「…今はテニスの事しか考えられない。悪い」
跡部は随分丸くなったと思う。中学時代なら「邪魔だメス猫」くらい言って、その場を立ち去っただろう。でも、本来の跡部は、周りの人間の感情を察知して、そつ無く振る舞うタイプだ。最近、そんな本当の姿が顔を見せるようになってきた。
大人になった…言えば、それまでかもしれないけど。
「本当に、悪ィけど…」
跡部はそう頭を下げて、彼女の脇をすり抜ける。
呆然と立ちつくす彼女は、跡部の背中を見送ることも出来なかった。ただ、跡部が立っていた場所を見つめて、涙を溜めているだけだ。
彼女の無神経さに腹を立てつつも、その姿が己と重なって、胸が痛い。
きっと、あれはもう一人の自分の姿だった。
***
「しーしど~。そんなに見とったら、跡部に穴が空くで?」
「…忍足」
結構遠目から眺めていたのに、忍足は目敏く俺の視線に気づいて話し掛けてくる。
高1から部長を任されている跡部は、慣れた姿で後輩に指示を出している。
フェンスに凭れかかる俺達の姿には気づいていないようだ。
「そんなに跡部がカッコええか?」
「…そんなんじゃねえよ」
「なら、どんなんよ。そんな瞬きもせずに凝視して」
忍足の言葉に、俺は「しまった」と又後悔する。
「そんな、必死に見てたか?俺」
「せやな、こうして話し掛けるには十分なくらいにはな」
「…そうか」
またやってしまった。止めよう、止めようと思っているのに。
「ま、俺しか気づいてないやろうけど」
「そうか」
忍足は昔から敏い男で、とりわけ恋愛関係には敏感な奴だ。
からかう様に声をかけるのだって、俺を心配してくれてのことだろう。何度かこんな風に声を掛けられてたから。
「悪い、忍足。くどい様だけど…」
「分かっとるよ。跡部には言うな、やろ?」
「…ああ」
跡部には、跡部本人だけには気づかれたくなかった。だからわざと、こんな遠くから目を凝らしてその姿を見守っている。
「…せやけど跡部だって、嫌な気せえへんと思うけど?」
忍足はいつもの様にそう言った。俺は相変わらず首を振る。
忍足は、告白すればいいのにと何度も勧めてくれた。
でも、俺はそんな事したい訳じゃない。
見返りが欲しくない訳じゃないし、同じように想って貰えたらどんなにか幸せだろうと思う。
でもそれじゃあ、彼女たちと同じなんだ。
思いつめた涙目で告白する彼女たちと、同じになってしまう。
「跡部を困らせたくない、か?」
「…ああ」
俺の返事に、忍足は溜め息を吐いた。
「そないな事、ないと思うけどな?」
忍足の表情は、いつも残念そうだ。
そうやって励ましてくれるのは嬉しいけど、やっぱり俺には出来ない。
跡部の迷惑にだけはなりたくないんだ。テニスに没頭する跡部の邪魔だけはしたくない。
「おい、宍戸と忍足!喋ってる暇があったらコート入れ!」
やば。跡部の声が結構鋭い。俺達は慌ててラケットを取り上げる。
「さすがに二人で話してたら気づかれるよな」
俺の言葉に、忍足は小さく笑った。
「最初からこっちばっか気にしとったけどなぁ」
「そうか?」
俺は全然気づかなかったけど。
首を傾げれば、忍足は俺の髪をくしゃ…っと撫でた。
「宍戸は…、まあ、エエわ」
「はあ?」
瞳を細めて微笑む忍足は、少し困ったような顔をした。
忍足も俺も相変わらずダブルス要員が主で、こうしてシングルスの試合をするのは練習試合しかない。
俺たちは、次第にさっきの会話など忘れて没頭する。
「わ、っと。そうは行くかよ!」
それぐらいは読めてたぜ。ひぐま落としは、自慢のダッシュ力で返す。
「…ったく、何やねん、その無茶苦茶な速さ」
そうぼやく忍足も、相変わらず嫌らしいコースを的確に突いてくる。
俺はまだ分からないが、忍足や跡部は今年が最後のテニスかもしれない。
俺たちは3年で、今年の夏の大会を最後に引退する。
関東大会に進めなかった他の部は早速受験勉強に励んでいるし、忍足は医大受験するって言ってたから、本当だったら誰よりも早く勉強中心の生活に入りたいところだろう。
もちろん、跡部も。
大学へ進んでしまえば、きっと忙しくてテニスなんて出来ないんだろうな。
青学の手塚や越前のようにプロとして活躍するなら、氷帝では跡部しかいないって思ってたけど…。 跡部家の跡取りともなればそうはいかないだろうし。
何面か向こうで腕を組み、指示を出す跡部の姿が目に入る。
跡部は、部活中は惜しみなく部員の為に時間を割き、自分の練習をするのは自宅に帰ってからだと気づいた時、俺の中で跡部の存在が大きくなっていった。
俺様気質でとんでもなく強引に見えるけれど、誰よりも部員の事を想っている。
気づいたのは高校に入ってすぐで、俺は自分の事だけで手一杯なのに、人の事ばかり構っている跡部の姿に凄く驚いて、感心して、魅かれていった。
今までみたいな、部の部長、エースとしてだけでなく、一人の人として、恋愛対象として。
「よし。今日はここまでだ。1年片付けに入れ。レギュラーと準レギュは急いで上がれ。雨が降りそうだ」
跡部の言葉に空を見上げれば、もうすぐそこまで黒い雲が迫っていた。
「おい、宍戸」
「え?」
急に掛けられた声に、俺は跡部を振り返る。
「着替えたらちょっと待ってろ」
「…ああ」
跡部はそれだけ言うと、踵を返した。
「なんだ?」
その背中は怒ってるようにも見えないし…。
「俺、何かしたか?」
振り返れば、忍足は「さあ?」と肩を竦めた。
みんなが帰った部室は、急にがらんとしてしまった。
跡部好みに変えられた部室には、ゆったりとしたソファが置かれている。手ざわりの良い黒のレザーは、高校生には勿体ない代物だ。
俺は、そこに横になった。
中学が成長期のピークだった俺は、その後あまり身長が伸びなかった。175の俺が横になってもゆとりのある大きさ。180は優に超す跡部や忍足でも、きっと横になれるだろうソファは、まるでベッドのように寝心地が良い。
跡部はまだ帰って来ない。
「…うーン」
俺の瞼は次第に下りて行った。
「…戸、宍戸」
遠くで呼ぶ声がする。
「…宍戸」
ああ、跡部の声だ。
「…あ、とべ?」
「おい、起きろ」
「っ、」
最後ははっきりと聞こえた声に、俺は跳び起きる。そうだ、ここ部室だよ。
「お前は、どこでも寝られるんだな」
見下ろす跡部は呆れたような声で言う。
その姿はもう制服に着替えられていて、シャワーを浴びた髪もすっかり乾いている。
俺、けっこう長い間寝てたのかも。
「で?話でもあるのか?」
俺は、自分の髪を整えながら尋ねる。
一緒に帰りましょうって間柄でもないから、きっと何かあるんだろう。
けれど跡部は、素っ気なく聞き返す。
「話があるのはそっちじゃねえのか?」
「え?」
「最近、練習中俺の方ばかり見てるだろう?気づいてないと思ったか?」
「あ、いや…」
ヤバい。気づかれてたんだ。
「流石にこうも続くと気になるからな。こうしてサシで聞いてやろうって訳だ」
「あー、悪い」
跡部は向いのソファに深く腰掛け、聞く気満々だ。
そうは言っても、お前が好きだなんて言う訳にもいかないしな…。
「どうした?」
「いや、まあ。何て事ないんだ。たださ、」
「ただ?」
「…跡部はプロにならねェのかなって」
肝心な言葉はやっぱり言えないけれど、これも十分気になってた事だ。
「何だ、そんな事か」
「はあ、まぁ」
跡部は呆れたように笑う。
「そんな事いつでも聞けばいいだろう」
「だけどよ、答えによっちゃ皆が動揺するかもしれねェしさ」
「まあ、な」
跡部は背もたれに背中を預けて、天井を見上げた。
綺麗な指で髪をかき上げる。
「そうだな。プロってのは考えてないな」
「…そうか」
当然と言えば当然の答えなのに、俺は意外と自分ががっかりしていることに気づく。
「プロに、なって欲しかったか?」
「…まあね。それだけで強い弱いを計る訳じゃねェけど。手塚が青学出身なら、跡部は氷帝なんだぜってさ、言いたいじゃん?俺の代にこんな凄ェ奴いたんだぜって」
「ハハ、そう思って貰えるのは有難いけどな」
「…やっぱ、家?」
恐る恐る跡部の顔を伺えば、跡部は一瞬動きを止めて意外そうに口を開く。
「宍戸が家の事聞いてくるなんて珍しいな?」
「あんま、悪いかなァって思ってたから」
「別にそんな事ねェよ。でもな…」
跡部は改めて腰かけ直し、少し浅めに座った膝に肘をつき前屈みとなった。
俺もつられて居ずまいを正す。
「家のためとは言わねえが、色々やりたい事があってな」
「そうなのか?」
テニス以外に、そんな事があるなんて知らなかった。
「大会が終わったら、出来るだけ早いうちに外に出ようと思ってる」
「そ、と?」
思わぬ言葉にドキリとする。まさか。
「ああ、海外に」
「そんな…」
そんな答え、少しも想像していなかった。いや、プロとしての海外遠征なら分からなくもない。けれど、まったく別の事で、しかもそんなに早くだなんて。
「何だよ、驚いた顔して」
「驚くさ。みんなは知ってるのか?」
跡部は小さく首を振った。
「お前がその様子なら、他の奴らには大会後がいいだろうな。無駄に動揺させたくない」
「跡部…」
嘘だって、言って欲しかった。
今、この生活から跡部が居なくなるなんて考えられなくて。そういや、中学上がった時からこの強烈な存在と一緒に過ごしてきたから、何だろう、もう跡部なしの生活が思い描けない。
想いが届かなくても、今までの家に住んでいるなら、ずっとその姿を見ていられると思ってたのに。
「宍戸?大丈夫か?」
「…え、何が?」
「顔色が悪い」
「あ、あァ…平気」
本当はちっとも平気じゃない。
「…驚かせついでに、もう一ついいか?」
「もう一つ…?」
まだ、何かあるのかよ?
まさか、大会出られないなんて言うなよな?今年はシードで関東大会からの出場が決まってるんだ。全国に手が届こうってのに。
「一緒に来いよ。海外」
「…え?」
何を言った?
一緒に…って。海外って?
「高校の卒業を待たずに渡るかもしれねェ。宍戸、一緒に来いよ」
「何…」
何を言ってるんだ、跡部?そんなの、そんな事って、まるで…。
「何だよ、目丸くして。聞こえてるのか?」
「…き、こえてる、けど」
「嫌か?」
「え…?嫌とか、」
そうじゃなくって、それってもしかして…。
「ああ、そうか。お前は本当に気づいてなかったんだな」
「気づいて?」
何が?
俺の表情に、跡部は苦笑した。
「忍足なんかは知っててワザとあんな事するんだろうけどな。まさか、お前が本気で、少しも気づいてないとは思わなかった」
「…え?」
跡部は笑って右手を伸ばした。
その手のひらが、優しく俺の頭に触れる。
くしゃ…と、髪をかき交ぜた。
「お前が好きだ。こんな風に触れてみたかったよ」
「…あとべ?」
嘘だろ?
跡部が、俺をだなんて。
だって、今までそんな素振り無かったじゃないか。
中学時代と変わらず、部長と、ひとりの部員として。全然そんな雰囲気なかったろ?だから俺だって必死だったよ。誰にも気付かれないように、一生懸命この気持ちを隠して来たんだ。
「だから、一緒に来いよ。お前を連れて行きたいんだ」
「跡部」
俺だって、一緒にいたい。テニスをしているお前が一番好きだけど、そうじゃない跡部だってずっと見つめてきた。
生徒会長を務めるお前の姿も、授業中の姿だって。
眼鏡の奥の瞳を細めて、雑談する姿も。
お前が思う以上に、俺だって跡部が好きだ。
でも、言えない。
思わず、「俺も好きだ」と言いそうになった口を噤む。
そんなの許される訳がないんだ。
跡部家の跡取りだぜ?跡部景吾だぜ?
俺達みたいな一般人が付き合うなんて、ていうか男と付き合うだなんて。そんなの絶対ダメなんだよ。
「宍戸?」
跡部が音もなく立ち上がる。
俺も、反射的に立ち上がり、自分のカバンを掴んだ。そして駆け出す。
これ以上話したら駄目だ。
絶対に俺は、この気持ちを言ってしまう。
跡部の邪魔にはなりたくないんだ。いつかあの日の彼女のように、跡部の背中を呆然と見送らなくちゃいけない日が来るのなら、いや、絶対に来てしまうはずだから。
それなら、この気持ちを打ち明けない。
知られることのないまま、海外に行く跡部を笑顔で見送りたいんだ。
「宍戸」
俺は、必死でその声を無視する。
「宍戸…!」
「…あ、」
扉の手前で、力いっぱい腕を引かれた。
その拍子に体が傾き、肩からラケットバッグが滑る。
ドン…と、重たい音を立てて荷物が落ちるのと同時に、俺は跡部の胸に抱きしめられてた。
「宍戸、言えよ」
「なっ、」
逃げようとしても、跡部の腕はそれを許さない。
「お前の本当の気持ち、聞かせろよ」
そんなの言える訳がない。
「どんな答えだって覚悟は決めてる」
「跡部っ」
そんなに見つめないでくれよ。
俺は必死に、我慢して我慢して我慢して…!
本当は、その背中に腕を回して抱きついてしまいたいんだ。
「なあ、宍戸。嫌いなら嫌いでいいんだ。今答えを貰わないと、俺は諦められない」
「…嫌い?」
嫌いだなんて、そんな事。
なんだってそんな事思うんだよ。
こんなにも焦がれて、眼で追って。もう何年も想って来たのに。
嫌いだなんて、嫌いだなんて。
「嫌いだなんて!言える訳ねエだろうが!」
どうして、そんな酷いことを言うんだ。
自分の気持ちを打ち明けない事なら、それなら我慢ができる。でも、この気持ちを裏切るような嘘は吐けないんだよ。
「じゃあ、何だよ?お前の気持ちはどうなんだよ?」
「跡部…」
俺は、諦めてその背中に腕を回した。
ごめん、跡部。
俺も相当我慢してて、もうこれ以上無理みたいだ。
お前に迷惑だけは掛けたくないのに。
「好きだ。跡部が好きだ」
跡部が小さく息を呑んだ。
「じゃあ、一緒に来るか?」
「…行く」
跡部が、強く抱きしめた。
骨が軋みそうな包容に、俺は胸まで苦しくなる。
「跡部…」
ずっと好きなの隠して素っ気なく接してきたから、こんな風に触れられると箍が外れちまう。
「跡部、あとべっ」
ぎゅっと抱きついた。
耳許で、何度もその名を呼ぶ。
「宍戸」
呼び返してくれる事が、こんなにも嬉しいだなんて知らなかった。
「あとべ…」
もっと、ぎゅって、潰れるくらい。
その腕で抱きしめられて、砕かれて、その体の一部になってしまいたいくらいだ。
お前に溶け込んで、ひとつになってしまいたい。
「宍戸、絶対離さないからな」
「ああ」
「…他の奴に、こんな風にさせるなよ?」
頭を撫でる手が、強く俺の髪を引いた。
「ああ」
忍足の仕草を思い出す。
あいつ、跡部の気持ちを知ってたから、あんな風に俺に触ったんだ。だから、俺に気持ちを打ち明けないのかって唆したのか。
「跡部だけだ、こんな風にするの」
俺は跡部の胸から顔を上げた、そしてほんの少し背伸びをする。
「宍…」
触れた唇は、温かかった。
「あとべ」
目が合ったら、後ろ髪を鷲掴みにされて、強引に仰向かされる。
「宍戸っ、」
「あ、ンっ」
覆いかぶさるように、もっと激しく口づけられた。
「あ、はっ」
荒々しく舌を絡められ、呼吸すら儘ならない。
唾液を啜られる音に、腰が砕け落ちた。
「宍戸」
抱きとめた跡部は、瞳を細めて微笑む。
「アァ…」
あまりの色気に、目眩がする。
その床で、俺たちは抱き合った。
跡部が制服を脱がせてくれるのを、待ってなんていられない。
二人で同時に脱ぎ棄てて、俺は裸のまま跡部に抱きついた。
跡部は俺の体を抱きとめて、フローリングに倒れこむ。
「宍戸、宍戸…」
跡部が、キスをくれる。
唇は勿論、首にも胸にも、腹にも脚にも。
そして、熱を持った中心にも。
「ああっ」
その唇が触れただけで、俺の昂りはびくんと跳ねた。
跡部はそのまますっぽりと咥えこむ。
「はあァっ…!」
快感に背筋が撓った。
その隙に俺の背中に腕を入れ、跡部はより深く咥える。
「あ、あ」
ダメ。
そんな風にしゃぶられたら、俺、すぐにイっちまうよ。
じゅぷ…っと濡れた音がして、全身に震えが走る。
今度は強く、舌で先を突かれる。
根元を握られて、軽く扱かれたら。
「は、ア、んンンンっ!」
俺は、あっという間に昇りつめた。
「はぁ、は…」
一気に体力を消耗して、荒い息しか吐けない。
「宍戸」
「あ、とべ」
「俺も、いいか?」
「ん」
跡部の言いたい事は分かってた。
脚に触れた跡部の牡はもう完全に勃ち上がってて、そこはただ一カ所だけを求めてる。
口でするのだって嫌じゃないし、むしろその熱を頬張ってみたいんだけど。
跡部は俺の中に入りたがっている。
「宍戸…」
何かが、後の入口に塗り広げられて、冷たい感触に震えが走る。
「何…?」
「悪い、只の軟膏だから害はない。…気持ち悪いか?」
「平気」
気持ち悪いだなんて。少し冷たかっただけだ。そんなんじゃなくて…。
この震えは期待だった。
「いいか?」
「来いよ、跡部」
誘う様に、その胸に指を滑らせる。
俺を押しつぶさないように腕を突っ張ってるから、腕と胸の筋肉が際立って余計に色っぽい。まるで彫刻みたいに綺麗な身体。
クラクラして瞳を閉じた瞬間。
「宍戸」
「…っ」
跡部の先端が入口を割った。
「く、ゥ」
好きなら、平気。なんて簡単に言える衝撃じゃなかった。
「痛い、か?」
「…だいじょ、ぶ」
正直かなり痛いし、異物感は凄いけど、それよりも早く侵入して欲しかった。
「本当か?」
跡部が動きを止めたまま、顔を覗き込む。
きっと俺、辛そうな顔してるんだろうな。嫌な汗が噴き出したのも分かってる。でも。
「来、て。…頼むから」
「宍戸」
「早くっ、」
急かしても、跡部は動かない。
「初めてだろ?無理しなくたって…」
ったく、馬鹿跡部。こんな事まで言わせるなよ!
「来いって」
「…宍戸」
途中まで入った跡部のモノが、ビクンと震えた。
「早く、…お前ので貫かれたいんだよ!」
「…っ、宍戸!」
「…ぐっ、ウ」
跡部の灼熱が、思い切り身体を突き刺した。
俺の言葉で、跡部はもう遠慮はしなかった。
「ぐっ、あ!」
「し、しどっ!」
激しく腰を打ちつける。
「あ、アアっ!」
余りの勢いに身体が浮いて、その度に跡部に抱き戻された。
「すげ、」
跡部も我を忘れたように恍惚とし、グリグリと腰を回して押し付ける。
「ああ!あ、ハっ」
「宍戸、中がうねってるぜ?」
「ば、か!」
一々言うなよ、恥ずかしい。
「く、またキツくなった」
「ひ、やァっ」
結合からはぐちゃ、と音が漏れ、それは段々激しくなっていく。
「ああっ」
内臓が押し上げられるみたいな圧迫感。
仰いだ胸に、跡部が吸いつく。
「や、あっ!」
乳首を吸われて、身を捩る。
「お前、ココも感じるんだな」
「知る、か!」
そんな所、誰にも触れられたことないから知りもしない。
「感じてるって、中が締まったからな」
「っアホ!」
悪態をついたら跡部は喉で笑って、今度は俺の中心に手を掛けようとする。
「、だめ」
敏感になったそこは、もう涙に濡れて、今か今かと待ち望んでいる。
少しでも触れられたら、弾けてしまいそうだ。
「すげェ。ドロドロじゃねえか」
「だ、って」
すげェ、気持ち良くて。痛いのなんか凌駕するくらい気持ち良くって。
ホントは必死で射精を我慢してたんだ。
「じゃ、一緒にイくか」
「跡部」
「俺も、そろそろ限界だ」
そう言って腰を揺らすと、咥えた熱が益々大きくなるのを感じた。
「…あァ」
その充足感に胴震いする。
「背中に手を回しておけ」
「…ん」
跡部は一度際まで抜いた。
そして、抜け出る直前に再度突き刺す。
「ぐ、あアアっ!」
身を裂かれるような突き上げ。
「くっ」
跡部も顔を顰めた。
そのまま激しくピストンする。
「あ、くっ!」
「…少し、緩めろ」
「あハっ」
そんなの、できねェよ。
跡部は苦笑して、俺の腰を抱え直した。
今度は大きくグラインドする。
「あアアっ」
目が回ってしまいそうな快感。
自分の後口が、一段と跡部を締め付けたのを感じた。
「…宍戸っ」
跡部は舌打ちして、より強く突き立てる。
「く、アっ!」
「いくぜ?」
ラストスパートだ。
「あ、っはあ」
凄い。
「く、う、…ンっ!」
ダメだ、もう無理。
「宍戸っ」
「あァ、ああっ!」
こんな、頭が狂う。
「っ、」
もう。
「だめっ、だめえェ!」
「し、しど、」
やっ、もう!
俺は、無我夢中で跡部にしがみついた。
「イくううううううっ!」
絶頂に達した。
全身が、自分の体じゃないみたいに勝手に震える。
「くっ」
跡部の勃起も大きく震えて、中で弾けたのを感じる。
「…アア」
内壁を打ち、広がる飛沫が嬉しくて、思わず吐息が零れた。
「平気か?」
もう一度シャワーを浴びて、跡部は丁寧に体を拭いてくれる。
「…平気」
SEXよりも、出したものを指で掻き出された方がよっぽどショックだったよ。
でも、そうしないと後が大変だからと言われて、泣く泣く従った。
「よし」
疲れのあまり半分眠ったような俺の体に、跡部は丁寧に制服を着せてくれ、ソファに横たえた。
そして、自分のポケットから携帯を取り出す。
「…あとべ?」
呼べば、跡部は携帯を耳にあてたまま俺を見下ろす。
「ああ、車呼ぶだけだ。俺の家に来い」
「え…?」
「その姿じゃ親が心配するだろう」
確かに。こんな呆けたみたいに全身火照らせて、Hしてきましたみたいな姿で帰る事はできない。
この余韻から抜け出すには、もう少し時間がかかりそうだ。
「それに、お前の準備も始めたいしな」
「準備?」
跡部はニヤリと笑って、俺の頭を撫でる。
そして、繋がった携帯に学校まで迎えにきてくれるように伝える。
「…準備?」
俺は回らない頭でその言葉の意味を考えるけれど、やっぱり何も考えつかない。脳みそまで、熱に犯されちゃったみたいだ。
「跡部?」
跡部は携帯を閉じると、横になる俺の傍らにしゃがみこんだ。そして、頬に優しく口づける。
「お前の口から、俺について来ると言わせたくてタイミングを計ってたけどな。最初から答えは分かってたんだ」
「…え?」
どういう事だ?
「お前が俺を好きなのは、傍から見てりゃすぐに分かるんだよ」
「ええ!?」
嘘…。
「でもお前は、自分で決めなきゃ納得しないだろう?」
「それは…」
確かにそうかもしれない。
「自分で覚悟を決めさせて、俺と一緒に行くことを選ばせたかったんだ」
「跡部…」
何だ。
それじゃ俺の片想いなんて、とっくにバレてたんじゃねェか。
「色々悩んで損した…」
そんな事なら、あんな女子に自分の姿を重ねて泣いたりとか、する必要なかったんじゃん。
「そうでもないぜ?」
「何でだよ?」
跡部の顔がゆっくりと近づく。
「俺のためを思って必死に想いを隠す姿は、いじらしくて可愛かったぜ?もっと好きになった」
「何だよ、それ」
跡部はちゅ、と。拗ねた俺の唇にキスをする。
そして、呟いた。
「可愛かったんだ…」
バカが。そんな、幸せそうに笑うなよ。こっちが照れるじゃねェか。
「そうかよ!じゃあ、海外でもどこでもお供するぜ?」
今度は俺から、その唇に吸いついた。
「ああ、どこまでも」
跡部は、そう言って微笑む。
***
後日談。
「で?どうなったんや」
「…お前、うるさいよ」
「何や、何や」
「…お前、何も知らない顔して、本当は全部知ってたんだろ?」
「おや。バレちゃった?」
「…」
やっぱり。
睨みつけてやったら、忍足はニヤっと口角を上げる。
「お前さんたち、見てて飽きないんやもん。宍戸は宍戸でバレバレの片想いを必死で隠そうとするし。跡部は跡部で、そんな宍戸を抱きしめたいのを必死に我慢して。お前さんが告ってくるのをずっと待っとったんや」
「…聞いた」
「ほなら、俺に感謝しい?俺が昨日、宍戸に触れて跡部を煽んなかったら、いつまで経っても平行線やってんで?互いのベクトルがてんで違う方向いて、まあヤキモキするったら」
「感謝ァ?するか!んなもん」
ムカつくなぁ。自分は面白がってただけのくせして。
「何や、可愛くないこと言いよって」
忍足は相変わらずけらけら笑ってる。
あ、そうだ。
こいつなら跡部のやりたい事とか知ってるかな?テニス以外で海外に渡ってやりたい事って何だろう?
俺の質問に、忍足は首を傾げた。
「やりたい事?特に聞いた事はあらへんけど…」
「けど?」
「随分前に、自分の会社を興したいってのは言っとったな」
「…跡部の家を継ぐんじゃなくて?」
「それやったら日本で出来るやろ。つーか日本にいた方が都合エエんとちゃう?」
「それもそうか」
首を捻ってたら、忍足はからかうように笑って俺の頭を突く。
「何にしても、苦手な英語を頑張らんと。向こうで暮らしていけへんよ?」
「あ?…あああ!」
そうだよ、英語!海外じゃ、英語が不可欠じゃん。
「跡部、俺が英語苦手なの知ってるのに!」
「だーかーら、跡部はお前さんの口から言わせたかったんやろ?『ついて行く』って。お前が引くに引けなくするために」
「なー!」
どうしよう!無理!
俺、英語とだけは仲良くなれる気がしないんだよ。
俺は、慌てて駈け出した。
向こうで岳人と日吉に指示を出す跡部の許に。
「跡部~!やっぱり日本人は日本に居ようぜ?」
振りかえった跡部は、呆れたような顔して笑ってた。
跡部は困ったように、長めの前髪をかきあげた。
「…本当に好きなんです」
対峙した女の子は、良い返事を貰えなきゃその場を立ち去らないという勢いで、跡部を真っ直ぐに見上げた。
本当に好きなら、今跡部が心底困ってる事を分かってやれよ。
本当に好きなら、跡部を困らせるような告白はしてやるなよ。
「ダメ、ですか?」
「…今はテニスの事しか考えられない。悪い」
跡部は随分丸くなったと思う。中学時代なら「邪魔だメス猫」くらい言って、その場を立ち去っただろう。でも、本来の跡部は、周りの人間の感情を察知して、そつ無く振る舞うタイプだ。最近、そんな本当の姿が顔を見せるようになってきた。
大人になった…言えば、それまでかもしれないけど。
「本当に、悪ィけど…」
跡部はそう頭を下げて、彼女の脇をすり抜ける。
呆然と立ちつくす彼女は、跡部の背中を見送ることも出来なかった。ただ、跡部が立っていた場所を見つめて、涙を溜めているだけだ。
彼女の無神経さに腹を立てつつも、その姿が己と重なって、胸が痛い。
きっと、あれはもう一人の自分の姿だった。
***
「しーしど~。そんなに見とったら、跡部に穴が空くで?」
「…忍足」
結構遠目から眺めていたのに、忍足は目敏く俺の視線に気づいて話し掛けてくる。
高1から部長を任されている跡部は、慣れた姿で後輩に指示を出している。
フェンスに凭れかかる俺達の姿には気づいていないようだ。
「そんなに跡部がカッコええか?」
「…そんなんじゃねえよ」
「なら、どんなんよ。そんな瞬きもせずに凝視して」
忍足の言葉に、俺は「しまった」と又後悔する。
「そんな、必死に見てたか?俺」
「せやな、こうして話し掛けるには十分なくらいにはな」
「…そうか」
またやってしまった。止めよう、止めようと思っているのに。
「ま、俺しか気づいてないやろうけど」
「そうか」
忍足は昔から敏い男で、とりわけ恋愛関係には敏感な奴だ。
からかう様に声をかけるのだって、俺を心配してくれてのことだろう。何度かこんな風に声を掛けられてたから。
「悪い、忍足。くどい様だけど…」
「分かっとるよ。跡部には言うな、やろ?」
「…ああ」
跡部には、跡部本人だけには気づかれたくなかった。だからわざと、こんな遠くから目を凝らしてその姿を見守っている。
「…せやけど跡部だって、嫌な気せえへんと思うけど?」
忍足はいつもの様にそう言った。俺は相変わらず首を振る。
忍足は、告白すればいいのにと何度も勧めてくれた。
でも、俺はそんな事したい訳じゃない。
見返りが欲しくない訳じゃないし、同じように想って貰えたらどんなにか幸せだろうと思う。
でもそれじゃあ、彼女たちと同じなんだ。
思いつめた涙目で告白する彼女たちと、同じになってしまう。
「跡部を困らせたくない、か?」
「…ああ」
俺の返事に、忍足は溜め息を吐いた。
「そないな事、ないと思うけどな?」
忍足の表情は、いつも残念そうだ。
そうやって励ましてくれるのは嬉しいけど、やっぱり俺には出来ない。
跡部の迷惑にだけはなりたくないんだ。テニスに没頭する跡部の邪魔だけはしたくない。
「おい、宍戸と忍足!喋ってる暇があったらコート入れ!」
やば。跡部の声が結構鋭い。俺達は慌ててラケットを取り上げる。
「さすがに二人で話してたら気づかれるよな」
俺の言葉に、忍足は小さく笑った。
「最初からこっちばっか気にしとったけどなぁ」
「そうか?」
俺は全然気づかなかったけど。
首を傾げれば、忍足は俺の髪をくしゃ…っと撫でた。
「宍戸は…、まあ、エエわ」
「はあ?」
瞳を細めて微笑む忍足は、少し困ったような顔をした。
忍足も俺も相変わらずダブルス要員が主で、こうしてシングルスの試合をするのは練習試合しかない。
俺たちは、次第にさっきの会話など忘れて没頭する。
「わ、っと。そうは行くかよ!」
それぐらいは読めてたぜ。ひぐま落としは、自慢のダッシュ力で返す。
「…ったく、何やねん、その無茶苦茶な速さ」
そうぼやく忍足も、相変わらず嫌らしいコースを的確に突いてくる。
俺はまだ分からないが、忍足や跡部は今年が最後のテニスかもしれない。
俺たちは3年で、今年の夏の大会を最後に引退する。
関東大会に進めなかった他の部は早速受験勉強に励んでいるし、忍足は医大受験するって言ってたから、本当だったら誰よりも早く勉強中心の生活に入りたいところだろう。
もちろん、跡部も。
大学へ進んでしまえば、きっと忙しくてテニスなんて出来ないんだろうな。
青学の手塚や越前のようにプロとして活躍するなら、氷帝では跡部しかいないって思ってたけど…。 跡部家の跡取りともなればそうはいかないだろうし。
何面か向こうで腕を組み、指示を出す跡部の姿が目に入る。
跡部は、部活中は惜しみなく部員の為に時間を割き、自分の練習をするのは自宅に帰ってからだと気づいた時、俺の中で跡部の存在が大きくなっていった。
俺様気質でとんでもなく強引に見えるけれど、誰よりも部員の事を想っている。
気づいたのは高校に入ってすぐで、俺は自分の事だけで手一杯なのに、人の事ばかり構っている跡部の姿に凄く驚いて、感心して、魅かれていった。
今までみたいな、部の部長、エースとしてだけでなく、一人の人として、恋愛対象として。
「よし。今日はここまでだ。1年片付けに入れ。レギュラーと準レギュは急いで上がれ。雨が降りそうだ」
跡部の言葉に空を見上げれば、もうすぐそこまで黒い雲が迫っていた。
「おい、宍戸」
「え?」
急に掛けられた声に、俺は跡部を振り返る。
「着替えたらちょっと待ってろ」
「…ああ」
跡部はそれだけ言うと、踵を返した。
「なんだ?」
その背中は怒ってるようにも見えないし…。
「俺、何かしたか?」
振り返れば、忍足は「さあ?」と肩を竦めた。
みんなが帰った部室は、急にがらんとしてしまった。
跡部好みに変えられた部室には、ゆったりとしたソファが置かれている。手ざわりの良い黒のレザーは、高校生には勿体ない代物だ。
俺は、そこに横になった。
中学が成長期のピークだった俺は、その後あまり身長が伸びなかった。175の俺が横になってもゆとりのある大きさ。180は優に超す跡部や忍足でも、きっと横になれるだろうソファは、まるでベッドのように寝心地が良い。
跡部はまだ帰って来ない。
「…うーン」
俺の瞼は次第に下りて行った。
「…戸、宍戸」
遠くで呼ぶ声がする。
「…宍戸」
ああ、跡部の声だ。
「…あ、とべ?」
「おい、起きろ」
「っ、」
最後ははっきりと聞こえた声に、俺は跳び起きる。そうだ、ここ部室だよ。
「お前は、どこでも寝られるんだな」
見下ろす跡部は呆れたような声で言う。
その姿はもう制服に着替えられていて、シャワーを浴びた髪もすっかり乾いている。
俺、けっこう長い間寝てたのかも。
「で?話でもあるのか?」
俺は、自分の髪を整えながら尋ねる。
一緒に帰りましょうって間柄でもないから、きっと何かあるんだろう。
けれど跡部は、素っ気なく聞き返す。
「話があるのはそっちじゃねえのか?」
「え?」
「最近、練習中俺の方ばかり見てるだろう?気づいてないと思ったか?」
「あ、いや…」
ヤバい。気づかれてたんだ。
「流石にこうも続くと気になるからな。こうしてサシで聞いてやろうって訳だ」
「あー、悪い」
跡部は向いのソファに深く腰掛け、聞く気満々だ。
そうは言っても、お前が好きだなんて言う訳にもいかないしな…。
「どうした?」
「いや、まあ。何て事ないんだ。たださ、」
「ただ?」
「…跡部はプロにならねェのかなって」
肝心な言葉はやっぱり言えないけれど、これも十分気になってた事だ。
「何だ、そんな事か」
「はあ、まぁ」
跡部は呆れたように笑う。
「そんな事いつでも聞けばいいだろう」
「だけどよ、答えによっちゃ皆が動揺するかもしれねェしさ」
「まあ、な」
跡部は背もたれに背中を預けて、天井を見上げた。
綺麗な指で髪をかき上げる。
「そうだな。プロってのは考えてないな」
「…そうか」
当然と言えば当然の答えなのに、俺は意外と自分ががっかりしていることに気づく。
「プロに、なって欲しかったか?」
「…まあね。それだけで強い弱いを計る訳じゃねェけど。手塚が青学出身なら、跡部は氷帝なんだぜってさ、言いたいじゃん?俺の代にこんな凄ェ奴いたんだぜって」
「ハハ、そう思って貰えるのは有難いけどな」
「…やっぱ、家?」
恐る恐る跡部の顔を伺えば、跡部は一瞬動きを止めて意外そうに口を開く。
「宍戸が家の事聞いてくるなんて珍しいな?」
「あんま、悪いかなァって思ってたから」
「別にそんな事ねェよ。でもな…」
跡部は改めて腰かけ直し、少し浅めに座った膝に肘をつき前屈みとなった。
俺もつられて居ずまいを正す。
「家のためとは言わねえが、色々やりたい事があってな」
「そうなのか?」
テニス以外に、そんな事があるなんて知らなかった。
「大会が終わったら、出来るだけ早いうちに外に出ようと思ってる」
「そ、と?」
思わぬ言葉にドキリとする。まさか。
「ああ、海外に」
「そんな…」
そんな答え、少しも想像していなかった。いや、プロとしての海外遠征なら分からなくもない。けれど、まったく別の事で、しかもそんなに早くだなんて。
「何だよ、驚いた顔して」
「驚くさ。みんなは知ってるのか?」
跡部は小さく首を振った。
「お前がその様子なら、他の奴らには大会後がいいだろうな。無駄に動揺させたくない」
「跡部…」
嘘だって、言って欲しかった。
今、この生活から跡部が居なくなるなんて考えられなくて。そういや、中学上がった時からこの強烈な存在と一緒に過ごしてきたから、何だろう、もう跡部なしの生活が思い描けない。
想いが届かなくても、今までの家に住んでいるなら、ずっとその姿を見ていられると思ってたのに。
「宍戸?大丈夫か?」
「…え、何が?」
「顔色が悪い」
「あ、あァ…平気」
本当はちっとも平気じゃない。
「…驚かせついでに、もう一ついいか?」
「もう一つ…?」
まだ、何かあるのかよ?
まさか、大会出られないなんて言うなよな?今年はシードで関東大会からの出場が決まってるんだ。全国に手が届こうってのに。
「一緒に来いよ。海外」
「…え?」
何を言った?
一緒に…って。海外って?
「高校の卒業を待たずに渡るかもしれねェ。宍戸、一緒に来いよ」
「何…」
何を言ってるんだ、跡部?そんなの、そんな事って、まるで…。
「何だよ、目丸くして。聞こえてるのか?」
「…き、こえてる、けど」
「嫌か?」
「え…?嫌とか、」
そうじゃなくって、それってもしかして…。
「ああ、そうか。お前は本当に気づいてなかったんだな」
「気づいて?」
何が?
俺の表情に、跡部は苦笑した。
「忍足なんかは知っててワザとあんな事するんだろうけどな。まさか、お前が本気で、少しも気づいてないとは思わなかった」
「…え?」
跡部は笑って右手を伸ばした。
その手のひらが、優しく俺の頭に触れる。
くしゃ…と、髪をかき交ぜた。
「お前が好きだ。こんな風に触れてみたかったよ」
「…あとべ?」
嘘だろ?
跡部が、俺をだなんて。
だって、今までそんな素振り無かったじゃないか。
中学時代と変わらず、部長と、ひとりの部員として。全然そんな雰囲気なかったろ?だから俺だって必死だったよ。誰にも気付かれないように、一生懸命この気持ちを隠して来たんだ。
「だから、一緒に来いよ。お前を連れて行きたいんだ」
「跡部」
俺だって、一緒にいたい。テニスをしているお前が一番好きだけど、そうじゃない跡部だってずっと見つめてきた。
生徒会長を務めるお前の姿も、授業中の姿だって。
眼鏡の奥の瞳を細めて、雑談する姿も。
お前が思う以上に、俺だって跡部が好きだ。
でも、言えない。
思わず、「俺も好きだ」と言いそうになった口を噤む。
そんなの許される訳がないんだ。
跡部家の跡取りだぜ?跡部景吾だぜ?
俺達みたいな一般人が付き合うなんて、ていうか男と付き合うだなんて。そんなの絶対ダメなんだよ。
「宍戸?」
跡部が音もなく立ち上がる。
俺も、反射的に立ち上がり、自分のカバンを掴んだ。そして駆け出す。
これ以上話したら駄目だ。
絶対に俺は、この気持ちを言ってしまう。
跡部の邪魔にはなりたくないんだ。いつかあの日の彼女のように、跡部の背中を呆然と見送らなくちゃいけない日が来るのなら、いや、絶対に来てしまうはずだから。
それなら、この気持ちを打ち明けない。
知られることのないまま、海外に行く跡部を笑顔で見送りたいんだ。
「宍戸」
俺は、必死でその声を無視する。
「宍戸…!」
「…あ、」
扉の手前で、力いっぱい腕を引かれた。
その拍子に体が傾き、肩からラケットバッグが滑る。
ドン…と、重たい音を立てて荷物が落ちるのと同時に、俺は跡部の胸に抱きしめられてた。
「宍戸、言えよ」
「なっ、」
逃げようとしても、跡部の腕はそれを許さない。
「お前の本当の気持ち、聞かせろよ」
そんなの言える訳がない。
「どんな答えだって覚悟は決めてる」
「跡部っ」
そんなに見つめないでくれよ。
俺は必死に、我慢して我慢して我慢して…!
本当は、その背中に腕を回して抱きついてしまいたいんだ。
「なあ、宍戸。嫌いなら嫌いでいいんだ。今答えを貰わないと、俺は諦められない」
「…嫌い?」
嫌いだなんて、そんな事。
なんだってそんな事思うんだよ。
こんなにも焦がれて、眼で追って。もう何年も想って来たのに。
嫌いだなんて、嫌いだなんて。
「嫌いだなんて!言える訳ねエだろうが!」
どうして、そんな酷いことを言うんだ。
自分の気持ちを打ち明けない事なら、それなら我慢ができる。でも、この気持ちを裏切るような嘘は吐けないんだよ。
「じゃあ、何だよ?お前の気持ちはどうなんだよ?」
「跡部…」
俺は、諦めてその背中に腕を回した。
ごめん、跡部。
俺も相当我慢してて、もうこれ以上無理みたいだ。
お前に迷惑だけは掛けたくないのに。
「好きだ。跡部が好きだ」
跡部が小さく息を呑んだ。
「じゃあ、一緒に来るか?」
「…行く」
跡部が、強く抱きしめた。
骨が軋みそうな包容に、俺は胸まで苦しくなる。
「跡部…」
ずっと好きなの隠して素っ気なく接してきたから、こんな風に触れられると箍が外れちまう。
「跡部、あとべっ」
ぎゅっと抱きついた。
耳許で、何度もその名を呼ぶ。
「宍戸」
呼び返してくれる事が、こんなにも嬉しいだなんて知らなかった。
「あとべ…」
もっと、ぎゅって、潰れるくらい。
その腕で抱きしめられて、砕かれて、その体の一部になってしまいたいくらいだ。
お前に溶け込んで、ひとつになってしまいたい。
「宍戸、絶対離さないからな」
「ああ」
「…他の奴に、こんな風にさせるなよ?」
頭を撫でる手が、強く俺の髪を引いた。
「ああ」
忍足の仕草を思い出す。
あいつ、跡部の気持ちを知ってたから、あんな風に俺に触ったんだ。だから、俺に気持ちを打ち明けないのかって唆したのか。
「跡部だけだ、こんな風にするの」
俺は跡部の胸から顔を上げた、そしてほんの少し背伸びをする。
「宍…」
触れた唇は、温かかった。
「あとべ」
目が合ったら、後ろ髪を鷲掴みにされて、強引に仰向かされる。
「宍戸っ、」
「あ、ンっ」
覆いかぶさるように、もっと激しく口づけられた。
「あ、はっ」
荒々しく舌を絡められ、呼吸すら儘ならない。
唾液を啜られる音に、腰が砕け落ちた。
「宍戸」
抱きとめた跡部は、瞳を細めて微笑む。
「アァ…」
あまりの色気に、目眩がする。
その床で、俺たちは抱き合った。
跡部が制服を脱がせてくれるのを、待ってなんていられない。
二人で同時に脱ぎ棄てて、俺は裸のまま跡部に抱きついた。
跡部は俺の体を抱きとめて、フローリングに倒れこむ。
「宍戸、宍戸…」
跡部が、キスをくれる。
唇は勿論、首にも胸にも、腹にも脚にも。
そして、熱を持った中心にも。
「ああっ」
その唇が触れただけで、俺の昂りはびくんと跳ねた。
跡部はそのまますっぽりと咥えこむ。
「はあァっ…!」
快感に背筋が撓った。
その隙に俺の背中に腕を入れ、跡部はより深く咥える。
「あ、あ」
ダメ。
そんな風にしゃぶられたら、俺、すぐにイっちまうよ。
じゅぷ…っと濡れた音がして、全身に震えが走る。
今度は強く、舌で先を突かれる。
根元を握られて、軽く扱かれたら。
「は、ア、んンンンっ!」
俺は、あっという間に昇りつめた。
「はぁ、は…」
一気に体力を消耗して、荒い息しか吐けない。
「宍戸」
「あ、とべ」
「俺も、いいか?」
「ん」
跡部の言いたい事は分かってた。
脚に触れた跡部の牡はもう完全に勃ち上がってて、そこはただ一カ所だけを求めてる。
口でするのだって嫌じゃないし、むしろその熱を頬張ってみたいんだけど。
跡部は俺の中に入りたがっている。
「宍戸…」
何かが、後の入口に塗り広げられて、冷たい感触に震えが走る。
「何…?」
「悪い、只の軟膏だから害はない。…気持ち悪いか?」
「平気」
気持ち悪いだなんて。少し冷たかっただけだ。そんなんじゃなくて…。
この震えは期待だった。
「いいか?」
「来いよ、跡部」
誘う様に、その胸に指を滑らせる。
俺を押しつぶさないように腕を突っ張ってるから、腕と胸の筋肉が際立って余計に色っぽい。まるで彫刻みたいに綺麗な身体。
クラクラして瞳を閉じた瞬間。
「宍戸」
「…っ」
跡部の先端が入口を割った。
「く、ゥ」
好きなら、平気。なんて簡単に言える衝撃じゃなかった。
「痛い、か?」
「…だいじょ、ぶ」
正直かなり痛いし、異物感は凄いけど、それよりも早く侵入して欲しかった。
「本当か?」
跡部が動きを止めたまま、顔を覗き込む。
きっと俺、辛そうな顔してるんだろうな。嫌な汗が噴き出したのも分かってる。でも。
「来、て。…頼むから」
「宍戸」
「早くっ、」
急かしても、跡部は動かない。
「初めてだろ?無理しなくたって…」
ったく、馬鹿跡部。こんな事まで言わせるなよ!
「来いって」
「…宍戸」
途中まで入った跡部のモノが、ビクンと震えた。
「早く、…お前ので貫かれたいんだよ!」
「…っ、宍戸!」
「…ぐっ、ウ」
跡部の灼熱が、思い切り身体を突き刺した。
俺の言葉で、跡部はもう遠慮はしなかった。
「ぐっ、あ!」
「し、しどっ!」
激しく腰を打ちつける。
「あ、アアっ!」
余りの勢いに身体が浮いて、その度に跡部に抱き戻された。
「すげ、」
跡部も我を忘れたように恍惚とし、グリグリと腰を回して押し付ける。
「ああ!あ、ハっ」
「宍戸、中がうねってるぜ?」
「ば、か!」
一々言うなよ、恥ずかしい。
「く、またキツくなった」
「ひ、やァっ」
結合からはぐちゃ、と音が漏れ、それは段々激しくなっていく。
「ああっ」
内臓が押し上げられるみたいな圧迫感。
仰いだ胸に、跡部が吸いつく。
「や、あっ!」
乳首を吸われて、身を捩る。
「お前、ココも感じるんだな」
「知る、か!」
そんな所、誰にも触れられたことないから知りもしない。
「感じてるって、中が締まったからな」
「っアホ!」
悪態をついたら跡部は喉で笑って、今度は俺の中心に手を掛けようとする。
「、だめ」
敏感になったそこは、もう涙に濡れて、今か今かと待ち望んでいる。
少しでも触れられたら、弾けてしまいそうだ。
「すげェ。ドロドロじゃねえか」
「だ、って」
すげェ、気持ち良くて。痛いのなんか凌駕するくらい気持ち良くって。
ホントは必死で射精を我慢してたんだ。
「じゃ、一緒にイくか」
「跡部」
「俺も、そろそろ限界だ」
そう言って腰を揺らすと、咥えた熱が益々大きくなるのを感じた。
「…あァ」
その充足感に胴震いする。
「背中に手を回しておけ」
「…ん」
跡部は一度際まで抜いた。
そして、抜け出る直前に再度突き刺す。
「ぐ、あアアっ!」
身を裂かれるような突き上げ。
「くっ」
跡部も顔を顰めた。
そのまま激しくピストンする。
「あ、くっ!」
「…少し、緩めろ」
「あハっ」
そんなの、できねェよ。
跡部は苦笑して、俺の腰を抱え直した。
今度は大きくグラインドする。
「あアアっ」
目が回ってしまいそうな快感。
自分の後口が、一段と跡部を締め付けたのを感じた。
「…宍戸っ」
跡部は舌打ちして、より強く突き立てる。
「く、アっ!」
「いくぜ?」
ラストスパートだ。
「あ、っはあ」
凄い。
「く、う、…ンっ!」
ダメだ、もう無理。
「宍戸っ」
「あァ、ああっ!」
こんな、頭が狂う。
「っ、」
もう。
「だめっ、だめえェ!」
「し、しど、」
やっ、もう!
俺は、無我夢中で跡部にしがみついた。
「イくううううううっ!」
絶頂に達した。
全身が、自分の体じゃないみたいに勝手に震える。
「くっ」
跡部の勃起も大きく震えて、中で弾けたのを感じる。
「…アア」
内壁を打ち、広がる飛沫が嬉しくて、思わず吐息が零れた。
「平気か?」
もう一度シャワーを浴びて、跡部は丁寧に体を拭いてくれる。
「…平気」
SEXよりも、出したものを指で掻き出された方がよっぽどショックだったよ。
でも、そうしないと後が大変だからと言われて、泣く泣く従った。
「よし」
疲れのあまり半分眠ったような俺の体に、跡部は丁寧に制服を着せてくれ、ソファに横たえた。
そして、自分のポケットから携帯を取り出す。
「…あとべ?」
呼べば、跡部は携帯を耳にあてたまま俺を見下ろす。
「ああ、車呼ぶだけだ。俺の家に来い」
「え…?」
「その姿じゃ親が心配するだろう」
確かに。こんな呆けたみたいに全身火照らせて、Hしてきましたみたいな姿で帰る事はできない。
この余韻から抜け出すには、もう少し時間がかかりそうだ。
「それに、お前の準備も始めたいしな」
「準備?」
跡部はニヤリと笑って、俺の頭を撫でる。
そして、繋がった携帯に学校まで迎えにきてくれるように伝える。
「…準備?」
俺は回らない頭でその言葉の意味を考えるけれど、やっぱり何も考えつかない。脳みそまで、熱に犯されちゃったみたいだ。
「跡部?」
跡部は携帯を閉じると、横になる俺の傍らにしゃがみこんだ。そして、頬に優しく口づける。
「お前の口から、俺について来ると言わせたくてタイミングを計ってたけどな。最初から答えは分かってたんだ」
「…え?」
どういう事だ?
「お前が俺を好きなのは、傍から見てりゃすぐに分かるんだよ」
「ええ!?」
嘘…。
「でもお前は、自分で決めなきゃ納得しないだろう?」
「それは…」
確かにそうかもしれない。
「自分で覚悟を決めさせて、俺と一緒に行くことを選ばせたかったんだ」
「跡部…」
何だ。
それじゃ俺の片想いなんて、とっくにバレてたんじゃねェか。
「色々悩んで損した…」
そんな事なら、あんな女子に自分の姿を重ねて泣いたりとか、する必要なかったんじゃん。
「そうでもないぜ?」
「何でだよ?」
跡部の顔がゆっくりと近づく。
「俺のためを思って必死に想いを隠す姿は、いじらしくて可愛かったぜ?もっと好きになった」
「何だよ、それ」
跡部はちゅ、と。拗ねた俺の唇にキスをする。
そして、呟いた。
「可愛かったんだ…」
バカが。そんな、幸せそうに笑うなよ。こっちが照れるじゃねェか。
「そうかよ!じゃあ、海外でもどこでもお供するぜ?」
今度は俺から、その唇に吸いついた。
「ああ、どこまでも」
跡部は、そう言って微笑む。
***
後日談。
「で?どうなったんや」
「…お前、うるさいよ」
「何や、何や」
「…お前、何も知らない顔して、本当は全部知ってたんだろ?」
「おや。バレちゃった?」
「…」
やっぱり。
睨みつけてやったら、忍足はニヤっと口角を上げる。
「お前さんたち、見てて飽きないんやもん。宍戸は宍戸でバレバレの片想いを必死で隠そうとするし。跡部は跡部で、そんな宍戸を抱きしめたいのを必死に我慢して。お前さんが告ってくるのをずっと待っとったんや」
「…聞いた」
「ほなら、俺に感謝しい?俺が昨日、宍戸に触れて跡部を煽んなかったら、いつまで経っても平行線やってんで?互いのベクトルがてんで違う方向いて、まあヤキモキするったら」
「感謝ァ?するか!んなもん」
ムカつくなぁ。自分は面白がってただけのくせして。
「何や、可愛くないこと言いよって」
忍足は相変わらずけらけら笑ってる。
あ、そうだ。
こいつなら跡部のやりたい事とか知ってるかな?テニス以外で海外に渡ってやりたい事って何だろう?
俺の質問に、忍足は首を傾げた。
「やりたい事?特に聞いた事はあらへんけど…」
「けど?」
「随分前に、自分の会社を興したいってのは言っとったな」
「…跡部の家を継ぐんじゃなくて?」
「それやったら日本で出来るやろ。つーか日本にいた方が都合エエんとちゃう?」
「それもそうか」
首を捻ってたら、忍足はからかうように笑って俺の頭を突く。
「何にしても、苦手な英語を頑張らんと。向こうで暮らしていけへんよ?」
「あ?…あああ!」
そうだよ、英語!海外じゃ、英語が不可欠じゃん。
「跡部、俺が英語苦手なの知ってるのに!」
「だーかーら、跡部はお前さんの口から言わせたかったんやろ?『ついて行く』って。お前が引くに引けなくするために」
「なー!」
どうしよう!無理!
俺、英語とだけは仲良くなれる気がしないんだよ。
俺は、慌てて駈け出した。
向こうで岳人と日吉に指示を出す跡部の許に。
「跡部~!やっぱり日本人は日本に居ようぜ?」
振りかえった跡部は、呆れたような顔して笑ってた。
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戸坂名きゆ実
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