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例えばこんなイルミネーション(リョ不二)
「何でクリスマスイブにこんな所?」
しかも、自分の誕生日だというのに、越前は自分から運転を買って出た。
出掛けに「運転大丈夫なのかい?」と尋ねた不二に、唇の端を上げ「不二先輩よりは」と答えただけあって、実は他人の運転する車が得意ではない不二も酔うことなくここまで無事にやって来られた。
「君、本当に初心者…?」
年齢的にはその筈だが、そうとは思えない仕草の数々に、不二は思わず呟く。
「初心者だよ」
越前の余裕の笑みに、不二はもう何も言うまいと口を噤む。
中学の卒業を待たずにアメリカへ戻った越前がどんな生活を送っていたのか、想像できない事が何故だか寂しかった。
高速に乗らずとも数時間で到着したここは、隣県の静かな高台だ。
不二は助手席を降りると、くるりと回ってあたりを見渡した。
小さく開けた公園には、忘れ去られたようにひっそりと建つ四阿。
3台しか置けない駐車場の向こうには、街の明かりが煌めいていた。
空気の澄んだ夜空を見上げれば、そこには無数の星が輝いている。
自分の知っているそれとはまるで別物の様で息を呑む。今更になって、カメラを持って来なかった事を後悔して溜め息を漏らした。
すると、そんな不二の心を読んだかのように、前を行く越前が振り返る。
「先輩、この景色は俺達のココにだけ、焼きつければいいんだから」
そう言って自分の胸を軽く叩いた越前は「俺ってロマンチスト」と、おどけた表情をして見せた。そして、ふと真顔に戻ると。
街の灯と降る様な星空をバックにゆっくりと歩み寄る越前は、不二の目の前で足を止めた。「…越前?」
とっくに不二を追い越した長身は、不二の視界を広い胸で一杯にしてしまう。
「俺、今日誕生日」
「ん…」
そんな事は知っている。
ただ、越前があまりにもそんな雰囲気を見せず、軽い口調でドライブに誘うから「おめでとう」を言うタイミングを掴めなかったのだ。
「だから、プレゼントちょうだい」
「…うん」
そっと両肩を引かれて、何故か、不二は自然と瞳を閉じていた。
見上げる角度で唇が重なる。
いつの間にかおチビな越前がおチビじゃなくなっていた事を、改めて意識させられる。
「誕生日、おめでとう」
「ありがと」
強く抱きしめられ喘ぐように空気を求めれば、見えるのは目眩がするほどの星空だけで。
カメラを持って来なかったのはやっぱり正解だったな、と思う。
現像したところで、きっと今夜の写真は見る事が出来ない。
こんな甘ったるい自分は、あまりに恥ずかしすぎて。
不二は、火照った頬に気づかれないように、もっと強くその背に腕を絡めた。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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