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甘甘です。
ホットケーキ (跡×神)
俺、お腹すいた。
母さんがお昼にって何か作ってってくれたみたいだけど、俺は今、急にホットケーキが食べたくなった。
「ホットケーキ食べたくない?」
俺のベッドに寄っかかって本を読んでる跡部に言う。
「…ホット、ケーキ?パンケーキか?」
「ホットケーキだってば」
跡部の言うパンケーキが何だかは知らないけど、俺はホットケーキが食べたい。
「ホットケーキの粉買いに行こう?」
「…ああ」
跡部が頷いたから、俺は立ち上がる。
念のためにって母さんが置いていった財布を持ってダウンジャケットを羽織る。
「跡部、スーパー行くの嫌?」
「いや。行く」
きっと慣れてないと思って確認したけど、もう立ち上がってコートを着てた。
「近いから歩きで行けるんだ」
俺は先に立って階段を駆け下りる。
歩いて10分くらいのところにあるスーパーは俺が小さい頃からあって、ずっと行き慣れた所なんだけど、跡部から見ると不思議なことばかりみたい。
とりあえず、俺が買い物カゴを手にしたら、跡部も持たなきゃいけないと思ったみたいで同じように手にする。
「そんなに買わないから、二人で一つで平気だよ」
くすっと笑って俺が言えば、跡部ってば真面目な表情で「そうか」って納得してた。
それから、俺の手からカゴを奪って持ってくれる跡部と並んで、野菜コーナーを通り抜ける。そしたら、今度は値段に驚いてる。
「…安い」
「そう?普通だよ」
「…そうか」
こーゆー跡部も面白いね。
いつもは何でも知ってる跡部に俺が色々教わるんだけど、俺は跡部が俺より一杯勉強してて、お金持ちで色んな経験があって物知りなのは知ってるから、呆れたように何かを教わっても恥ずかしいとか思わない。だって、跡部は何だって知ってるからそれが当たり前なんだもん。
でも、跡部はいつも教える側なのに、俺にものを教わってプライドとか傷つかないのかな?って心配だったんだけど、ちっとも気にしてないみたい。跡部的に珍しい物を見つけると歩み寄って手に取ってる。
「神尾、これがカップラーメンか?」
「うんそう。俺こっちの豚骨しょう油味が好き」
「…色々あるんだな。よし、買おう」
こんな調子でカゴに放り込んだ商品もいくつか。
「あ、ここだ」
でも、目的はホットケーキですから。
俺はお菓子作りの材料なんかが並んでるのと同じ棚でホットケーキの粉を見つけた。
「ああ、これか」
袋の写真を見て、跡部はやっと納得がいったみたい。
「あとは、これ」
「それは?」
もう一つ俺が手に取ったのはホットケーキ用のシロップ。
「シロップだよ。甘いの。これとバターを塗ると美味しいんだ」
「…甘そうだな」
「甘いよ。ホットケーキだもん」
跡部はちょっと嫌そうな顔をした。
「あんまりかけなきゃ平気だよ。卵と牛乳は家にあるからこれで会計ね」
跡部は他の商品も見たそうだったけど、俺は早く食べたいからもう帰っちゃう。
レジを打ってもらったら結局1000円にも満たなくて、跡部が奢ってくれた。
「跡部はここに座ってて」
ダイニングの椅子を示すと、跡部は大人しく腰掛ける。
テーブルの端に置いてある、小さくてクルクル回る調味料置きが気になるみたい。別に珍しいものでもないんだけどね。しょう油にソースに胡椒にラー油。そんな見慣れたものが乗ってるだけなんだけど跡部からすると物珍しいみたい。そういえば跡部の家では洋食しかご馳走になったことがないけど、ラー油とか使わないのかな?
「神尾が作るのか?」
跡部はボールに卵を割る俺に尋ねる。
「作るったって、焼くだけだよ?」
牛乳も加えて泡だて器でかき混ぜる。それから粉を加えて簡単に合わせると、俺は火に掛けておいたフライパンに流し込んだ。
「…フライパンを濡れ布巾で少し冷ますって書いてあるけど、いいのか?」
几帳面に外袋の焼き方を読んでる跡部。
「跡部って意外と細かいこと言うよね。俺そーゆーの全然気にしない。焼けば一緒だよ」
そう言ったら「ふーん」って納得顔だ。
「少ししたらひっくり返して、これでおしまい」
「簡単なんだな」
「そ。だから俺でもできる」
包丁なんて使えないからさ、俺。
「できた」
ちょっと焦げたけどいい匂い。
バターの入った箱から、スプーン一さじくらいをすくって焼きたてのホットケーキの上に落とす。
「はい、跡部。フォークでバターを伸ばして」
俺がフォークを差し出したら、跡部はやっぱり真顔で頷いて言われたとおりにしてる。面白いの。
「それで、最後にこれ」
満遍なくバターの塗られた上に、俺はシロップをたっぷりと垂らす。
「おい、あんまり掛けるなよ」
跡部が驚いて声を上げる。そうだ、跡部甘すぎるの嫌だって言ってたんだ…。ま、いっか。
「へーき、へーき。絶対たくさん掛かってる方が美味しいから」
跡部は訝しげな表情だけど、もう掛けちゃったし仕方ないよ。
俺は気にしないでフォークを持ち、綺麗な円の一箇所を一口サイズに切り取る。
そして、シロップを少し落としてやってから、跡部の前に差し出した。
「はい。あーん」
「あ?ああ」
変な顔して一瞬ためらった後、跡部は口を開きパクッとホットケーキを食べる。
「どう?美味しい?」
尋ねたら、じっくり味わうようにして飲み込んでから「甘い」と言った。
「甘くないホットケーキなんて美味しくないもん」
俺は笑って一口食べる。
「うん。美味しい!」
やっぱりシロップたっぷりが美味しいよね。
もう一口跡部に差し出したけど、やっぱり甘くて嫌みたい。苦笑いで首を横に振った。
じゃ、俺全部食べちゃおう。
そんな俺を跡部はテーブルに肘をついてじっと眺める。
そして、しばらくしてから口を開いた。
「…神尾」
「ん?」
俺は最後の一口を飲み込んでしまってから返事をする。今更もう一口欲しいって言ったってもう遅いよ?
「神尾、結婚しよう」
「……は?」
俺はビックリして口をポカンと開けてしまう。
いや、だって。何でそんな話?
確かに俺たち付き合ってるけど、急に何を言い出すんだか?
「…俺、男だから」
何の冗談だか分かんないけど、取りあえずそう答える。
「18歳まで待つし、籍は入れらんねーけど。結婚しよう」
何かぶっ飛んだ事言ってる割りに、意外と本気みたい。
えー?何なんだろ。どうしたんだろ急に?
顔が熱くなってきちゃったよ。
…でも。すげー嬉しい。
「うん。結婚する」
「よかった」
俺が頷いたら、跡部がホッとしたように笑った。
男って、女性が作る「肉じゃが」とかに弱いって言うじゃない?でも、相手がセレブなら意外性を狙って「ホットケーキ」とかでもイケるかもよ。試してみたら?
友達に「ホットケーキ」と「パンケーキ」は別物だと教えられてこのSSを書いたのに、ネットで調べたらどうも同じものらしいじゃないですか…!でも載せちゃいます。今更どうにもならないし(酷い開き直りだ…)。
アンケートでベカミに投票してくれたお嬢様方、こんなグダグダで申し訳ない…。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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