無邪気な悪魔とストリッパー （ジロ×宍） 2007/03/22 (Thu)

ＣＰ注意！ジロー×宍戸です。
黒風味で、もはや別人のジローです…！

無邪気な悪魔とストリッパー　（ジロー×宍戸）

「宍戸ストップ！」
急に掛けられた声に宍戸はピタリと動きを止める。
「ジ、ジロー？」
つい今まで寝ていたジローの鋭い声に、何事かと声も上擦る。
なんてったって今の宍戸の状態は手をクロスしてユニフォームを脱いでいる途中なのだ。腕は頭の上まで上げバンザイに近い状態。当然ユニフォームは顔を隠している。
こんな状態で虫が付いてるとか言われては絶叫ものだ。
「何だよ！？何か付いてるか？」
怖くてその体勢が崩せない宍戸は、ジローがうつ伏せて眠っていたはずの机を振り向く。
薄手の布越しに、蛍光灯の明かりは何とか確認できる。
「んーん。別に虫とかついてる訳じゃないんだけど…」
暢気に間延びした返事に、宍戸はハーっと息を吐く。
「何だよ驚かせるなよ…」
「ん、ごめんね。でもね可愛いのがついてるの」
「かわいいの？」
椅子が引かれる音がしてジローが立ち上がったのが分かる。こちらへ近づいてきているようなので、宍戸は素直にその姿勢で止まっていた。
「ほら、かわいーの！」
目の前にジローが立った気配を感じるとすぐに、胸に違和感を覚える。
「ジロー！？」
「んんー…？」
鼻歌のようなジローの返事。
見えなくたって何をされてるのかなんて当然分かる。ジローが宍戸の乳首に吸い付いたのだ。宍戸は驚いて腕を下ろそうとする。
「ダメっ！！」
途端ジローが胸から唇を離し、鋭く制止する。
「な、何で？」
「宍戸は俺のお願いいつも聞いてくれるじゃない」
「は？ハぁ…」
確かに宍戸はジローに弱い。あの天使のような微笑で「お願い」と言われるとついつい聞いてあげたくなる。
でもだからって、今ここで乳首をしゃぶらせてやる必要はないだろう。赤子と母親でもあるまいし。
「…ジロー、悪ふざけは大概にしとけ」
「悪ふざけじゃないもん。宍戸だって気持ちイイだろ？」
そう言ってジローは尖らした舌先で左の乳首のまわりをくるくるとなぞる。そして、反対は指でひっかくように悪戯するのだ。
「ちょっ！やめろって」
見えない分感覚が鋭くなる。宍戸はムズムズと湧き上がる何かに気づいて慌ててユニフォームを脱ごうとする。
「宍戸、動いたら俺泣くよ！？」
「はいっ！？」
何という脅し文句か。こんなセリフをほかのメンバーに言ったって「勝手にしろ」と軽くあしらわれるだけだ。でも宍戸には効果抜群なことをジローは知っている。
「そ。そうやっていい子にしてて♪」
「…ジロー」
何がしたいのか全くわからない。
宍戸は困りながらもやっぱり振り払えず、ジローの好きなようにさせる。
（まいったなー。みんな戻ってくるぜ）
練習メニューの組み合わせによって早めにノルマを終えた宍戸とジローはみんなより先に上がったが、そろそろレギュラー陣が帰ってきてもおかしくない時間なのだ。
そんなことジローだって分かりきっているはずなのに…。
「ね、宍戸。俺宍戸のイイ声が聞きたいな？」
「ジロー！」
低い声で咎めても、ジローには全然堪えないようだ。
「…こーしたら気持ちイイかな？」
楽しそうに胸に固執するジローは、新しく何かを思いついたらしいくクスクスと笑い、その両手を宍戸の背に回すと頬を胸に密着させる。
そして、鋭いその犬歯で尖りを甘噛みしたのだ。
くちゃっ…と漏れる濡れた音。
「…ああっ」
我慢していた声がとうとう零れる。
「わーい！宍戸かっわE♪」
「ジローっ！」
「わーっ！もう一回してあげるから怒んないで？」
そう言うともう一度今度は反対側に歯を立てて、クチュ…とわざと音をさせる。
「くっ、ア…」
ブルリと身体を震わせて、あえかな声を漏らす宍戸。ピンクの尖りは唾液に濡れピンっと立ち上がった。
「あーん！宍戸可愛いすぎ。このまま犯しちゃいたいけどまた今度ね！」
最後にちゅちゅちゅーっと左の尖りを強く吸ったジローは、ぱっと傍から離れた。
「ア…？ジ、ロー？」
宍戸は上がる息を必死に抑えながら呼びかける。けれど返事はなく、代わりに聞こえたのは部室のドアが開く音だった。
「…宍戸。お前何してんの？」
部室に響く岳人の冷たい声。レギュラーメンバーが上がってきたのだ。
「あっ、嫌。これは…おい、ジロー！」
「おっ先ー」
岳人が開けたドアの隙間からスルリと抜け出るジロー。挨拶もそこそこに慌しく駆け出した足音はすぐに遠くへと消えた。
「…あんのヤロー！」
宍戸は怒りに身体を戦慄かせる。
「…どーでもいいけどさ、宍戸。脱ぐなら脱げば？」
「あ、そうだ」
着替えが途中なのを、困惑のあまりすっかり忘れていた宍戸。慌ててユニフォームを脱ぎ捨てるが、当然そこにジローの姿はない。
濡れた先端に空気が触れていやに涼しいことだけが、今の出来事が現実だと教えていた。
「何なんだ？ジローのヤツ…」
呆然と開いたドアを見つめる宍戸に、岳人はケラケラと笑う。
「何だよ、お前もジローにいいように遊ばれてんのか！？」
「え、俺もって？」
まるで他にも同じようにからかわれたヤツがいるみたいな言い方だ。
「ああ、侑士だよ。お前らジローに甘いから、いい暇つぶしにされてるぜ？」
「マジかよ…」
濡れた胸元を脱いだユニフォームでゴシゴシ拭って溜息をつく。
「今日みたいなストリップくらいならいいぜ？いつか犯されないように気をつけろよ？俺の勘ではジローのやつ相当鬼畜だぜ」
「おいおい…俺、言われたぜ『犯したい』って」
岳人が入ってくる直前の会話を反芻する。確かに「犯しちゃいたい」などと物騒なことを言っていた気がするが、あれは本気だとでも言うのか？
「うっわー。健闘を祈る」
「ひでェ、助けろよ」
「嫌だよ。あいつマジ可愛い顔した悪魔だもん。邪魔なんてしたらどんな目に遭わされるか」
「…そ、そうか」
顔が覆われていてジローの姿は見えなかったが、もしかしたらあの時、黒く尖った尻尾なんかが付いていたのかもしれない…なんて。宍戸は本気で考えていた。

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これはジロ宍？（聞くな）
ジロー黒いです。真っ黒です。てか、もはや別人です…！