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ある日目覚めたら、宍戸に猫耳と尻尾が…!
猫耳&尻尾のくせに宍戸がグダグダと悩む、コメディになりきれないしょっぱいお話の始まりです(笑)。
猫宍奇想曲① (跡×宍)
~猫宍シリーズ1~
「どういう事だ?」
「ンなの俺が聞きてーよ!」
目覚めたら、宍戸が猫になっていた。
正確には猫の耳と尻尾が生えていた。
俺は、その耳を引っ張ってみたり尻尾を持ち上げたりするけれど、不自然な繋がり方はしていない。いや、それがよっぽど不自然なんだが。
取りあえず確認できたことは…。
「宍戸。お前は黒猫のようだ」
言った途端に頭を殴られた。
「そんな事聞いてねえっ!」
いつも以上に気が立っているみてーだ。ここは一つ俺が大人になって言い返さないでやろう。
「…それにしても」
もう一度宍戸の姿をまじまじと眺める。昨夜寝る時に無理やり俺のパジャマの上だけを着せた宍戸は、その耳と相俟って何というか、なかなか…。
「…忍足が喜びそうな格好だな?」
「わー!言うなっ」
以前に躍起になって宍戸に猫耳コスプレをさせようとしていた忍足の恐ろしさを思い出したように、宍戸は頭を押さえて何度も頭を振る。残念ながら耳は取れない。
そして、もう一つ気づいたことがある。
「宍戸。お前身体縮んでるぞ?」
「何だって!?」
ベッドの上で宍戸はすっくと立ち上がる。
「本当だ…」
尻を隠す程の長さしかなかったパジャマはちょっとしたワンピースのようになり、長袖は子供が大人服を着せられたようにすっぽりと指先を隠し、ダラリと垂れた。
「150センチ…ってところか?」
俺も隣に立って比べてみる。青学の越前と同じくらいに感じる。
「うーわー。どうしよう」
パニックのあまりボフっとベッドに崩れ落ちた宍戸の表情は真っ青だ。
確かに部活は引退してるったって学校は普通に通わなければならない。いくらエスカレーター式でも出席日数が足りなくなったんじゃ話にならない。そうは言っても、このまま学校に通えるわけもなく。
「取りあえず、様子見るしかねーな」
「…ああ」
俺たちにはそれしか出来なかった。
翌日。相変わらず猫化が直らなかった宍戸を留守番させ登校した俺は、帰りにテニス部3年の元レギュラー陣を連れて部屋に戻った。
「わー!宍戸超かわいい~♪」
「ジロー!?」
真っ先に部屋に飛び込んで縮んだ身体をギュウっと抱きしめるジローに、宍戸は驚いたような声を上げる。それと同時に尻尾はブワっと広がって太くなり、その耳は少し後ろに伏せ気味になる。
「ああ…。何て可愛らしいんや」
そんな宍戸の姿に忍足は蕩けたように目じりを下げて、フラフラと吸い寄せられるように近づいていく。
「へー。跡部何バカな事言い出したのかと思ったのに…」
「…本当だったんだ」
向日と滝も感心したように宍戸の尻尾と耳に触れる。
「お、おい!跡部!?」
みんなに囲まれ撫で触られる宍戸は、怒ったように俺を振り返る。まあ宍戸が言いたいことも分からないではない。けれど…。
「ずっと直らなかったらどうするかって考えてな。取りあえずこいつらに見てもらおうと思ったんだ。その反応を見て今後のことを考えようと思ってな」
俺はこいつら以上に柔軟な頭を持つ奴…というか常識外れな奴を知らない。こいつらがこの状況を笑って受け入れられなけりゃ、他の人なんて問題外だろうと思ったが。
「…さすがこいつらは狼狽えもしなかったな」
「なるほどね…」
宍戸も納得したように、みんなに撫で回されている。
「で?で?いつ学校来るの?」
使用人が運んできたオレンジジュースのグラスを両手で抱えて、ストローをくわえながらジローは楽しそうに尋ねる。
「そうや。学校来たらみんな喜ぶでェ?」
「…世の中の人全てが、手前らみたいにお気楽な脳みそな訳じゃねーんだ」
こんな姿で学校なんていけるか!と宍戸は二人を睨みつける。けれど自慢の鋭い視線も、この姿では全く迫力が無い。
「…ああ、ええなぁ~」
忍足は益々相好を崩す。まったくもって予想通りの反応だ。
「宍戸体調はどうなの?どっか痛いとか苦しいとかないの?」
ようやく滝が実の有る質問をする。
「あー。どっこも普通。至って元気」
ベッドに腰掛けたまま宍戸は答える。
昨日も色々調べてみたが、とくに痛いところもなく体温も平熱。味覚や平衡感覚にも問題はなかった。ただ、尻尾を掴まれると嫌がるのは猫と同様かもしれない。それと、聴覚嗅覚はいつもより鋭くなった気がすると言っていた。
「テニスはした?出来るのかよ?」
向日も続いて尋ねる。
「昨日少しだけしたんだけど、身体が小さくなった分感覚が違うってだけで、尻尾と耳が特に邪魔になる訳じゃなかったな」
「ふーん。じゃ、良かったな」
「…まあ、確かに」
ジローたち程大げさにこの状況を喜んだわけではないが、向日も相当暢気に答えて用意した焼き菓子に手を伸ばす。
「まあ部活は引退してるから試合の事とかは心配ないしね。このままいつ戻るかも分からないし…」
滝は向日の質問を継いで、少しだけ悩むように首を傾げてから口を開いた。
「学校来れば?きっと氷帝なら問題ないでしょ?」
「滝!?」
中では一番の常識人だと思われていた滝にまでそう勧められて、宍戸は驚く。
「そうだな。このまましばらく戻らなかったら宍戸出席日数足りなくなるぜ?」
向日も残りの月数を数えて滝の意見に同意する。
「…跡部」
宍戸が困ったように意見を求めるから、俺も取りあえず今の考えを口にしてみる。
「中等部長に言ってみるか。こんな学校だから、もしかしたらもしかするかもしれないぜ?」
大体がお祭り好きなうえに、特殊な家柄の生徒の多い学校だ。うちでは常識人に入る滝でさえこの意見なのだから、何とかなるかもしれない。
「…ダメだったらどうしよう」
当事者の宍戸は周りのメンバーほど暢気な気持ちにはなれないらしく、不安そうな表情は拭えない。
「だめならこのまま跡部に養ってもらえば良いじゃん!」
「えっ!?」
ジローの言葉にみんながいっせいに振り向く。けれどそんな驚いた視線に、返って不思議そうにジローは首を傾げる。
「え?だって跡部と宍戸は付き合ってるんでしょ?」
「それもそうやな…」
忍足もすぐ納得して頷く。
「そっか、永久就職だよ宍戸。跡部家なら何の心配もいらねーよな。贅沢させて貰えるぜ?」
羨ましいなーと笑う向日。
「…お前ら人事だと思って」
むすっとつぶやく宍戸に、滝ですら明るく声を掛ける。
「いいじゃない。親御さんも跡部になら安心して任せられるよね」
そう言うと、クスクス微笑んで紅茶を口にする。
「…あとべェ」
どうにも常識の通じないメンバーに半泣き状態で振り返る宍戸だが、実のところ俺もその気満々だったものだから…。
「苦労はさせねーよ」
ここはみんなに便乗して、本心を伝えておく。
「お、カッコE!跡部」
「よっ!男前!」
ジローと向日がはやし立てると、宍戸は益々頬を膨らませる。
「お前らなぁ…」
「まあ、一か八か学校に掛け合おう。俺が養うにしたって義務教育は終えないとな」
俺が養う、を強調して宍戸に微笑めば、少し安心したように宍戸は頷いた。
何だ、満更でもないらしい。
渡りに船だ。この機会に将来の約束まで上手いこと話を進めてしまおう。
俺は見っとも無くニヤけてしまわないように、頬に力を込めた。
取りあえず最初に言っておかねばならぬ事は。私はお目にかかった事はないけれど、きっとどなたかがこの題名使ってると思います。先に謝っちゃう。カブってごめんなさい…!題名決めるの苦手なんですよぉ。もう他に思い浮かびませんでした。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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