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コメディタッチの跡宍。
忍足が哀れです(笑)
最近気になること (跡×宍)
AM8:00
俺は毎朝習慣のコーヒーを入れる。
インスタントではないけれど、いわゆるハンディドリップタイプのコーヒー。
越してきた時に買ったコーヒーメーカーは、いちいち洗うのが面倒で結局使わなくなった。
「おら、跡部。コーヒー」
「…ああ」
ブラックで差し出すと、新聞から目をはなさないままカップを受け取る。
うーん。
淹れる人間がいないから仕方ねーけど、跡部がこんなお手軽コーヒーを飲むようになるなんてなぁ。
しかも、読んでるのが横文字の絵になる新聞ならまだしも、経済新聞ってどうよ?
どこのサラリーマンだって感じ。
まだ大学1年だぜ?
ま、スポーツ新聞じゃねーだけ良しとするか。
「パン食う?」
自分の分をトーストするついでに尋ねるのもいつものこと。
「…ああ」
どこのスーパーにも置いてある200円弱の6枚切りの食パン。
それを2枚トースターに並べる。
そこで、やっぱり思ってしまう。
あの跡部様がスーパーで売ってる食パンってどうよ!?
やっぱ、あれだよ。
お抱えのコックが毎朝焼き上げたとか、どこぞのホテルから朝一番に焼き上げたホテルブレッドをお届けってでもなきゃカッコつかないだろ!?
天下の跡部だぜ?
一緒に暮らし始めて半年になるけど、跡部って意外と順応性があるんだなーって気付いた。
貧乏なヤツが金持ちになったらすぐその生活に馴染めそうだけど、逆ってそうはいかなそうじゃないか。
でも跡部は、生まれた時から贅沢なものが回りに用意されていたからそれが当たり前だっただけで、それなりの物しか用意されていなければ、それなりに過ごしてしまう。
跡部に押し切られて同居が決まった時、俺は正直、毎朝『こんな不味い茶が飲めるかー!』ちゃぶ台バーン!みたいなのを想像していた。(ちゃぶ台なんて無いけど…)
ところが今やすっかりこの生活だ。
どうよ?どうなのよ?
最初はそりゃー気が楽になって良かったぜ?ああ、これなら跡部とも上手く暮らしていけそうだなって。
でも、最近だんだん不安になってきた。
俺はいっつも一緒にいるから変化に気付いてないだけかもしれないし、しかも何だ、惚れた弱みってゆーの?いつだって跡部はカッコ良く見えるけど。(自分で言って照れちまう!)
他の人間から見て今の跡部ってどうなんだろ?
ちゃんとオーラはあるか?
相変わらず、ちゃんと『俺様』してるか?
変に庶民くささがにじみ出てねーだろーな?
だってもし「最近跡部って普通っぽいよな」とか言われちゃったら確実俺のせいじゃん!?
激不安だぜ…。
いつものように新聞片手にトーストを食べ終えた跡部は、皿をキッチンへ置きがてらリビングを出ようとする。
もしかして…!?
「跡部!便所で新聞読むなよ!」
思わず大声でさけんでしまう。
だって、親父がよくやってお袋に怒られてたから…。
「…ンな事、俺様がするか!!」
朝から怒鳴られてしまった。
でも俺は安心のあまり頬がゆるんでしまう。
…よかった。さすがにそこまで所帯じみたら俺は世間様に顔向けできねぇ。
「なあ、忍足」
「あ?何や?」
めずらしく学食で出くわした忍足とうどんを啜りながら、俺はいい機会だとばかりに早速尋ねてみる。
「最近の跡部ってどうよ?」
「…どうって、何がや?」
「何がって。見た目とか色々…?」
「なんやそれ。一緒に暮らしてるお前の方が詳しいやろ」
「いや、だからさ。他の人から見てどうなのかが知りてーんだよ」
「はあ?けったいな事聞きよるなぁ」
何のネタかと笑う忍足は、俺のこの逼迫した状態に一向に気付いてくれない。
「俺的にかなり重要なんだよ」
「えらい真剣やな…」
「そうなんだよ!」
ドンっとテーブルを叩と、丼を持ち上げてうどんを死守した忍足は目を丸くしている。
「何や、大ごとか?」
「そうだってば!」
あくまで俺的には、だが。
「ん~。どうやろ。たいして変わったようにも思われへんけど?」
またズルズルとうどんを啜りだす忍足。
こいつって昔っから食うの遅いんだよな。麺伸びきってるぜ。
「高校卒業してまだ半年やろ?そう変わらへんよ」
「本当だろうな」
ずずいと顔を近づけると、忍足は怯えたように首をすくめる。
「近い近い!怖いわぁ。こんな所跡部に見られたら俺殺されるわ」
「…跡部は相変わらず『俺様』か?」
「そりゃーそうやろ。いっそ直して欲しいくらいや」
「アイツは高飛車か?」
「高飛車っつー言葉は跡部のための言葉や」
「…オーラはあるか?」
「…はあ?あるんやないの?相変わらずモテモテやし」
「…かっこいいか?」
「…なんやのこれ。惚気か?惚気なんか!?」
「ちげーよ!!重大な問題なんだ」
「…よう分からんやっちゃなー。跡部は相変わらず『俺様』で『高飛車』で『オーラがある』『帝王』や。これで満足か?」
呆れ顔で半ばヤケクソ気味の忍足の言葉に、俺は大いに安心する。
「そうか良かった。サンキューな忍足」
もう、忍足に用はない。
次は岳人かジローを見つけよう。
俺は食堂を飛び出した。
その頃の忍足といえば…。
「アーン?忍足。宍戸と随分楽しそうに話してたじゃねーか?」
「げっ。跡部」
冷め切ったうどんを前に、今度は噂の跡部様ご登場だ。
「何を話してやがった?随分顔近づけて。アーン?」
大変ご立腹のご様子である。
「何って、お前のこと話してたんや!」
「俺様のこと?」
「ああ。何や変なこと聞いとったで?跡部を見てどう思うかーとか」
「…どういう事だ」
「んな事俺が知るか。要するに、お前がどれだけカッコいいかを自慢したかったって事やろ?」
「そうか」
打って変わって満足そうに微笑む跡部。
「自分ら人を巻き込まんと、愛の語らいは二人きりで頼むわ。付き合いきれんって…」
忍足の前に残されたうどんは、もうとても食べられたものではなかった。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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