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甘ーい!酔っ払い宍戸さん。
プレイ (跡×宍)
宴の後。
跡部の部屋は散々たる様子だ。
ビールやカクテルの空き缶、ワインのボトルがそこかしこに転がっている。
食べかけのスナック菓子の袋は、誰かに蹴られて中身が散乱していた。
「いやあ、いつもすまんなぁ跡部」
大して悪びれた風でもなく忍足が笑う。
「いつもの事だろ」
中学生の自分たちが羽目を外すには、大人たちの目が届かないほどの大邸宅跡部邸か、一人暮らしの忍足のマンションと場所は限定されてくる。
これだけの人数で騒ぐとなると、部屋の広さやご近所への迷惑を考えて、どうしても跡部の部屋に集まりがちだ。
「ったく。こいつらはどうして潰れるまで飲みやがる…」
日本酒の瓶を抱えてフローリングに横たわる鳳の頭をつま先で蹴飛ばすと、跡部は大袈裟に溜め息をついた。
自分の限界を知って自分の足で帰宅できたのは日吉と樺地だけだ。
「ジロたんとがっくん可愛ええなぁ~」
仲良く手を取り合いながら丸くなって眠る姿はハムスターなどの小動物を思わせる。
ジローの胸元に焼酎のボトルが抱えられていることは、まあご愛嬌だ。
「お前は相変わらずザルだな、忍足」
「いや~跡部様には敵いますまい」
持ち寄ったアルコール類の約8割はこの二人によって摂取されたはずなのに、現状はこの通りである。
「亮ちゃんも、可愛らしいな~」
目を細めて傍らで眠る宍戸を覗き込むと、すかさず跡部の鋭い視線が突き刺さる。
誰よりも宍戸を愛し誰よりも嫉妬深い彼は、幼馴染みのジロー以外の人物が「亮ちゃん」と呼ぶことを大変嫌う。
「おお、怖っ!」
忍足が降参とばかりにおどけて両手をあげると、話し声で目覚めたのか宍戸が身じろぎする。
「…ん、けーご」
フローリングに座る跡部と忍足の間で眠っていた宍戸には、二人の声は大きすぎたようだ。
寝言なのか目覚めているのか判断しかねる舌足らずの声だが、呼ばれたことに気を良くした跡部は、優しく頭を撫でてやりながらその顔を覗き込む。
「どうした亮?ベッドで寝るか?」
学校では聞くことが出来ないその呼び方は、すっかり恋人モードだ。
忍足の存在は全く無視である。いやむしろ見せ付けているのか…。
「ラブラブやなあ」
からかう忍足は相手にされない。
「亮、ベッドへ行くぞ」
揺り起こそうと寝そべる肩に手をかけると、宍戸の暖かな手がそっとその手を握る。
「けーごの手、冷たくてきもち…」
「お前の手が酔っ払って熱いんだ」
「へへ…そっかぁー」
笑い上戸なのだろうか。コロコロと笑いながら跡部の手を自分の頬に押し当てる。
「けーご、すき…」
瞳を閉じてそう呟く宍戸はまだ半分夢の中なのか、ただ酔っているためか、他のメンバーがいることなんて忘れ去っているようだ。
「うわ、宍戸ってば大胆やなー」
今度は心底驚いた顔の忍足も、二人の視界には入らない。
「アーン?お前相当酔ってるな?」
紅く染まった頬を突付く跡部に、うっすら瞳を開けた宍戸は拗ねて呟く。
「…んだよ、けーごは言ってくれないの…?」
「何だ。言って欲しいのか?」
「うん…言ってー」
ねだる様に跡部の手の甲に口付ける。
「言って?」
上目遣いに見つめられた跡部は、そんな口付けでは足りないとばかりに条件を出す。
「ちゃんとこっちにキスできたら、言ってやってもいいぜ」
ククっと笑いながら自分の唇を指差す跡部。
「…できるっ」
そう言ってもぞもぞ起き出した宍戸は、跡部の膝によじ登りとうとう向かい合って抱きついた。
身長がそう変わらないため、跡部は胡座をかくことでバランスをとると、少し目線の上がった宍戸が転がり落ちないよう腰に腕を回して支える。
「ほら、してみろよ」
そう言って宍戸の顎先にチュッと口付けて誘う。
「ここだぜ?」
もう一度自分の唇を指差すと、宍戸は照れたように身を捩る。
「えー、だって忍足が見てるぜー」
『気付いてたんか!』
無言の突っ込みも虚しく、二人は抱き合って見つめあう。
「んなの気にするな。見せ付けてやれよ」
そう言って忍足に流し目を送る跡部を、送られた本人はただ呆然と見るしかなかった。
(跡部のやつ、俺がいつも宍戸にちょっかい出すんを根に持っとるからなー)
体よく仕返しされてるっぽい状況に、忍足は腰を上げる。
(なにもこんな近くで見学せんと。自分どんだけ自虐的なん)
そんな姿に跡部はニヤニヤ笑う。
「忍足、逃げなくたっていいじゃねーか。こんな色っぽい亮は二度と見れねーぞ」
そして、まだ照れている宍戸に…。
「ほら気にすんな。忍足も見たいってよ」
『誰もそんなこと言ってないわ!』
その突っ込みも言葉にならず、結局少し離れて見学を決め込む。
「亮?」
優しく背中を撫でる跡部の手に、宍戸はうっとりと目を細める。
「きもちいい、けーご…」
そう言ってしなだれかかると、ゆっくり唇を寄せる。
最初は重なるだけだった唇も、次第に熱く絡み合っていく。
「…ぁん、っン!」
ピチャ…と生々しい音が漏れる。
息つく間も無いほど、角度を変えては重なり合う唇。
「そ…ンな、ダメぇ」
絶えかねて声を洩らす宍戸の隙をねらって跡部の舌先が入り込むと、もう宍戸は振り回されるだけだ。
「んっ…あ、ふっ…」
上顎を突付かれる。
「んん…!」
歯茎を舐め上げられる。
「あ…はぁ…ン!」
跡部は乱れる長い黒髪に指を絡め、逃げないようにしっかりとその頭を支える。
「だ…めぇ…」
口内を蹂躙され飲み込めない唾液を滴らせるその妖艶な姿に、忍足は口をポカンと開け、それでも食い入るように見入ってしまう。
とろとろに蕩けて体をくったりさせた宍戸に、跡部は仕上げとばかりにチュッと音を立て軽いバードキスをする。
頬を紅潮させ定まらない視線で見つめてくる宍戸の口許を舐め上げ唾液をすすってやると、跡部は満足そうに口を開く。
「良く出来たな、亮。愛してるぜ」
すると、照れたように微笑んだ宍戸は、跡部の首に腕を回しその耳元で何かを囁く。
「 」
もちろんなにも聞こえない忍足は、ただ成り行きを見守るだけだ。
手を沿え耳元で囁く宍戸の姿は、子供のナイショ話のようで可愛らしい。
話を聞き終えた跡部は、意地悪い笑みを浮かべると忍足を振り返った。
「亮がキスだけじゃ我慢できなくて抱いてくれって言うから、俺たちは他の部屋に行くぜ」
勝ち誇ったかのような表情に、宍戸があわててその口を塞ごうとする。
「なんで言うんだよ…!恥ずかしいじゃねーか…」
消え入りそうな声と更に紅く染まる頬。宍戸は両手で顔を覆ってしまう。
「別に隠す必要ねーだろ。自慢させろよ、亮」
いやいやと首を振る宍戸を宥めすかしてお姫様抱っこをすると、跡部は立ち上がる。
「まあ、お前らは好きに過ごせよ。隣の部屋に予備の布団なんかもあるから後は任せたぜ」
そして足取りも軽く別室へと去って行った。
取り残された忍足は、ただ呆然とするばかりである。
酔っているとはいえ、あんな淫らな宍戸の姿。
今になって下半身の変化に気付く。
「エロすぎやろ…」
そう呟くと、返ってくるはずのない返事が聞こえる。
「あーあ、今夜の標的はおったりか」
暢気なその声はジローである。
「マジやってらんねーよ!くそくそ跡部!」
岳人も舌打ちしながらボヤく。
「宍戸さーん…」
下半身を押さえてシクシクと涙を流すのは鳳だ。
「なっ!お前ら起きてたんか!?」
「起きるっつの。あんな声聞かされたら…」
決して宍戸に惚れているわけでない岳人でも、そのエロさかげんに呆然とした。
「あとべ、亮ちゃん独り占めして超ムカツクC-」
ジローの文句に、鳳はわあっと泣き崩れる。
「先輩たちはまだいいですよー!俺なんか2回目ですよ!」
「へっ?」
忍足と岳人が驚く。何もいわないジローはその事実を知っていたようだ。
鳳は涙ながらに打ち明ける。
「跡部部長、前こうして飲んだ時もわざと宍戸さんを酔わせて今日みたいなことを!俺たちに見せ付けたんですうー」
「ああ、春休みの時?」
俺は里帰りしてたからなぁと呟く忍足。
「俺はあの時今日より酔ってたしな」
岳人もその時の事を思い出してきたようだ。
「…俺は前回も途中から起きてたC-」
ジローは膨れっ面で呟く。
「じゃあ何!?日吉と樺地は知ってて先帰ったのかよ!?」
岳人が叫ぶ。
「樺地は分からないけど、日吉は多分そうです…。前回の犠牲者は俺と日吉ですから…」
そう言ってメソメソと泣く鳳に、岳人はふと疑問を口にする。
「知ってたんなら鳳も帰ればよかったじゃん」
そう言われると、鳳は小さな声で恥じ入るように呟く。
「でも…、またエッチな宍戸さん見たいなーっていうのもあって…」
床に『の』の字でも書き出しそうな姿に、忍足は「はぁー」と溜め息を洩らす。
「難儀な子やな…」
その夜、悶々と眠れず過ごした4人は、翌朝すっきりと目覚めたらしい跡部に叩き起こされた。
「おら!いつまでも寝てねーで部屋を片しやがれ!」
怒鳴りながら寝転ぶ4人の頭を順に蹴り飛ばしていく。
「ひどいわぁ、もう少し優しく起こしたってや…」
「俺、ついさっき寝たばっかなのに!くそくそ跡部…」
そんな騒動にもジローはぴくりとも動かない。昨夜夜更かししたためか、寝ることが趣味のジローには到底睡眠時間が足りないようだ。
「…あのー。宍戸さんは?」
さすがは宍戸の犬と呼ばれる男、鳳。寝ても覚めても『宍戸さん』である。
その質問に、機嫌が良さそうな跡部は聞きたいか?と笑う。
「ばか鳳!」
岳人が怒鳴り、忍足も「余計なことを!」と思ったが後の祭りである。
「ちょっと昨夜無理させちまったからな。今日は腰が立たねーかもな」
勝ち誇ったかのような笑みに、鳳はがっくりと首をたれる。
「宍戸さーん…」
「しかしとんだプレイやったな跡部。宍戸は覚えてるん?」
正直、宍戸は覚えてないんだろうなーと思い口にした質問だったが。
「ああ。アイツの可愛いところは、酔って大胆になるくせに翌日しっかり覚えている所だからな」
「うわー。宍戸、自業自得だけどちょっと可哀想」
岳人にも同情される始末だ。
「あいつ今日1日は恥ずかしくて出てこないかもしれねーけど、まあ気にすんな」
そんな楽しそうな跡部の台詞。
「がっくん。お前たちは気付いてなかった振りしてやり。宍戸のヤツ居たたまれんやろ」
気遣う忍足に「自信ねーよ」とボヤく岳人。
「しっかし俺らは『放置プレイ』やし、宍戸は『羞恥プレイ』やし…跡部はマジでサドやな!サド!」
3人のじっとりとした視線を浴びた跡部はそれを鼻で笑い飛ばし、陽のそそぐバルコニーで優雅に紅茶を愉しんでいるのだった。
お酒は二十歳になってからですよー。しかし砂吐くほど甘いってこんな感じでしょうか(笑)
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
これらに関する苦情の拍手コメントはスルーさせて頂きますのでご了承ください。
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