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うらはら(跡×宍)
「ああっ、あとべ!」
これでも大分抑えているつもりだ。それでも強すぎる突き上げに、宍戸の視点は彷徨うように泳いだ。
「…っく」
ビクビクと痙攣する内壁が俺を締め付けて、さっきイッたばかりなのに、俺はもう昇りつめそうになるのを何とか我慢する。
「あ、あンっ。あとべ、あとべ」
「宍戸っ」
子供のように繰り返される俺の名が、何だか切ない。
宍戸が考えている事くらい、手に取るように分かる。
コイツは俺との未来を願いながら、常に俺との別れを模索している。
『いざという時に傷つかないようにだろ。相手がお前なら尚更だと思うよ?』
滝はそう言って、悲しく笑った。
宍戸は俺との別れを恐れて、俺との別れを模索する。
なんてうらはらな行動だ。
「ほら、宍戸」
促すように顔を寄せたら、宍戸は縋るようにして俺に口付ける。
ちゅっ、ちゅっ、と。何度も吸い付く唇はこんなにも離れたくないと訴え、背に回る手も、決して離さないと爪を立てる。
傷つけないようにと短く切られた爪でもやはり残ってしまう痕に、宍戸はいつも後悔したように俯くけれども、俺にとっては宍戸の愛情を感じられる数少ない証拠だ。
そしてまさに今この瞬間も、俺の背には甘い痛みが走った。
何だってこうも素直になれない?
身体はこんなにも正直に俺を離さないと言っているのに、頭は予防線を張ることに必死だ。
いつ別れても、笑って「さよなら」を言えるようにか?
馬鹿にするのも大概にしろって感じだ。
結局は「跡部」の名がいけないのだろうか?それとも男の矜持ってのがそうさせるのか?
「跡部」の人間としてではなく、「跡部景吾」という俺自身を真っ直ぐ認めてくれる人間とでなければ俺はやっては行けない…なんて。
そんな子供じみた考えに囚われた日々もあったが、もう昔の話だ。
天と地がひっくり返っても、俺は「跡部景吾」だ。
そして何より。
そんなちっぽけなこだわりで、俺は宍戸を手放すことは出来ない。
宍戸が怖気づこうが、呆れようが、宍戸はもう俺の一部分だ。欠ける事など有り得ない。
「宍戸、もういいだろ?」
乾いた唇を舐めてやってからそう囁けば、宍戸は「いいっ!」と何度も頷いた。
最後ひと際激しくかき回す時、俺は毎回そう尋ねるから、宍戸はいつもの通り答える。
俺はズルイだろうか?
でも、嘘は言っていない。
宍戸。もういいだろう?
お前に任せていたら、いつまでたっても堂々巡りだ。
だからいいよな?
俺は、お前を逃がさない。
お前が、これからの俺たちの関係を考える必要はない。
そんな自虐的な「うらはらごっこ」はもう終わりだ。
明日からはもう、お前に選択肢はない。
「あとべぇ…」
甘えて腰を揺らし誘う姿が、たまらなく可愛らしい。
「なんだ、もっと激しくってか?」
「…ばかァっ!」
一度引いた身体を強く叩きつけたら、宍戸は恥らいながら嬌声を上げた。
ヤバイ。顔がニヤけて仕方が無い。
決断してしまったら、悦びが止め処なく溢れてくる。
ああ、宍戸。
全ての途を塞いで、もう、お前は俺しか選べない。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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