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以前UPした「Imprison-監禁-」の続編です。
カテゴリー、「監禁シリーズ」の1話から順にお読み下さい。
補足ですが、「Imprison-監禁-」3作をお読み頂いた後は、
千神好きさんは…「restrain-束縛-①」→「restrain-束縛-④」(後日UP)→「restrain-束縛-⑤」(後日UP)の拾い読みでも大丈夫です。
リョ海好きさんは…「restrain-束縛-②」(後日UP)→「restrain-束縛-④」(後日UP)→「restrain-束縛-⑤」(後日UP)の拾い読みでも大丈夫です。
跡宍好きさんは…「restrain-束縛-③」(後日UP)→「restrain-束縛-④」(後日UP)→「restrain-束縛-⑥」(後日UP)の拾い読みでも大丈夫です。
restrain-束縛- (①千神編)
~監禁シリーズ4~
「神尾くん、遅いぞ」
「千石さん…」
校門を出れば、いつものように神尾を待ち受ける千石の姿。神尾は、さすがに小さく溜息を漏らす。
「…今日もか。じゃ、俺たちは先帰るからね」
「じゃーな。神尾」
ここまで一緒に歩いてきた伊武と石田は、それぞれ小さく挨拶して先に帰っていく。
「気をつけてねー」
そんな二人の後姿に、暢気に声を掛ける千石。
その瞳は、神尾の友達を温かく見送る優しい先輩のそれでは決して無い。柔らかな声とは裏腹な、酷く冷めた視線だ。
「神尾くん。俺、毎日迎えに来るって言ってるだろ?友達には一緒に帰れないってちゃんと伝えてね」
にっこりと笑って、酷く身勝手な事を平然と口にする。
「…千石さんってば」
神尾は嬉しさ半分、困惑半分の苦笑いを浮かべて、伸ばされた手を握り返した。
「今日はどうしようか?俺の家でもいいけど、明日も朝練だよね?」
「うん、そう」
「じゃ、ファーストフードで軽く食べようか?」
「うん。そうだね」
楽しそうな千石の横顔。弾むような足取りと並んで歩きながら、神尾はいつもながらに不思議に思う。
あの日。千石と跡部に拉致監禁されてから、もう1ヶ月が過ぎようとしている。
甘い手管に流されて、心も身体も自然と千石を受け入れた事に、神尾自身全く後悔はしていない。
陽気で大らかで、ムードメーカーの千石。素直に、拉致というやり方を謝罪してくれた潔さ。
確かにあんな始まりだったけれども、こうして千石と結びつけてくれる切っ掛けだったならば、責める気持ちなんて毛頭なかった。
あの後の数日間、跡部の計らいで、あの屋敷で穏やかな恋人同士としての日々を過ごした神尾は、日常生活に戻った後の千石の変わりように正直驚いている。
(まさか、こんなに変わるなんて…)
一言で言ってしまえば、余裕がないのだ。
あのマイペースな千石が、別人のようにピリピリしている。
「ねえ、千石さん?毎日来てくれなくても平気だよ?千石さんだって勉強とか友達付き合いとか色々あるだろ?」
常識で考えれば、千石が相当の時間を自分のために割いていることが分かる。
もちろん毎日会えるのは嬉しいけれど、そのために千石に無理はして欲しくなかった。
けれど、そんな神尾の言葉に、千石はその笑顔を貼り付けたまま、ゆっくりと神尾を振り返る。
「神尾くん、誰か他にイイ人でもいるの…?」
「はあ!?何それ」
そんな事あるはずもないし、そんな話してるんじゃない!ただ、自分の時間も大切にして欲しいだけ…。そう思う神尾の気持ちは全く通じない。
それどころか、千石は握る手に力を込めて、今来た道を取って返す。
「え!?千石さん、どこ行くの?」
速い足取りに、小走りになりながら引きずられる神尾は、慌てて声を掛ける。
店ならもうすぐなのに…。そう思いつつも、神尾はその力強さに何も言えない。
「やっぱり俺の家行こう」
「え?何で?」
深い意味もなく聞き返した言葉に、敏感に反応する千石。強い瞳で神尾を見つめて言い聞かせる。
「俺の部屋で、たっぷり抱いてあげる。神尾くんは俺のものだって、毎日でも教えてあげなきゃ。君はすぐに忘れちゃうみたいだから」
「…そんな」
(忘れる訳が無い、こんなにも千石さん中心の生活なのに…)
神尾は頬を染めて俯いた。
足早に今来た道を戻り、いつも使うバス停までの細い道に入った途端、千石は強く神尾を抱き寄せる。
「嫌?俺に抱かれるのは嫌?」
そう言って焦ったように、口付けを求める千石。
「ばか。嫌な訳ないじゃん…」
神尾は頬を真っ赤に染めて、でも嬉しそうに、余裕の欠片もない唇を受け止める。
「ん…」
最初から、乱暴に侵入する舌先。
「…神尾くんっ」
何度も絡め合う途中で囁かれる自分を求める声に、神尾は微笑みを零す。
「あ、ン…。せん、ごくさ…」
いつ誰が来るかも分からないのに、まるで縋ってくるような口付け。
(千石さん、かわいい)
神尾は甘い悦びに胸が締め付けられる。
溢れた唾液が口の端から伝えば、千石は極上の蜜でも啜るようにして、丹念に全てを嘗め尽くす。
「ああ、おいしい…」
うっとりと呟く声。
「もう、千石さんってば」
神尾は不思議でならない。
心から身体から、こんなにも千石に染められて、ほんの一瞬だって余所見をしていないのに。
(こんなに、千石さんの事ばっかりか考えてるのに…)
千石は必死で自分を捕らえようとする。閉じ込めようとする。他の何も瞳に映させないとでもいうように。
慌しく鍵を開ければ、家の人は誰もいないのか、千石は靴も揃えず2階へと駆け上がって行く。
「わ、お、邪魔しますっ」
神尾も千石に引き摺られながら、辛うじてそう挨拶をして後をついて行く。
会ったときから一度も解かれない握った手。
バスの中でも、千石があまりにも堂々としているから、変に意識してしまう自分の方が間違っているような気さえした。
自分の部屋に入ると、千石は年ごろの男子らしく雑然とした床に、自分の荷物と、奪い取った神尾の荷物を放り投げる。
「神尾くんっ!」
そして、上着を脱ぐ間も与えず、そのままベッドに押し倒す。
「ちょ、千石さん!?」
いつだって時間が惜しいみたいに千石は抱きしめるけれど、ここまで性急な事は初めてだ。
「…神尾くん」
抱きつくようにして自分の胸元に額を摺り寄せる姿に、神尾は少し苦笑いする。
マセたクラスメートの女子が言ってたみたいに「彼ってばHする事しか考えてないんだから!」なんて事は思わない。
それよりも、よっぽど幼い千石の行動。
「ねえ、千石さん?俺逃げないよ」
明るい色の髪をかき混ぜて、神尾は小さく言い聞かす。
まだ1ヶ月やそこらの付き合いだけど、神尾は、大らかな千石が唯一異常なほどに執着するある事に気づいていた。
そう「束縛」だ。異常なほどに束縛をしたがる。
監禁はその最たる形だと思うが、そんな大掛かりな事ではなくても、手を繋ぐ、電話をする、そして交友関係に至るまで。自分が監視しなければ逃げられてしまうとでも思うのか、その執着は度を越している。
そして、少しでも不安を感じればこうだ。他の誰もいない所まで神尾を連れ去る。赤の他人でも、町の雑踏の中でもそれは許せない事らしく、どうにかして2人だけの空間に入ろうとする。
「ねえ、千石さん?俺とじゃ不安?」
まるで幼い子供のようにしがみ付く千石の頭をゆっくりと撫でながら、神尾は尋ねる。
「…不安って?」
「んー?千石さん、俺の事信用できないのかなーって思って。俺と付き合ってて辛くない?」
神尾の言葉に、千石は苛立ったように両手を着いて上半身を起こす。そして、低い位置から睨み上げるようにして神尾を見つめる。
「…そんな事言って、俺がうざったくなったから逃げようってんでしょ!?」
「違うって!」
また、「逃げる」だ。何がどうあっても、千石は全てをそこに結びつける。
(ただ、千石さんが辛くないのか心配なだけだったのに…)
あんなに楽しそうに笑っていた、あの屋敷での笑顔が懐かしい。
日常に戻ってから、千石は見違えるほどに神経質になってしまった。
「…逃がさない」
そう言って、締め上げるように抱きつく千石。
「千石さん…」
「絶対、逃がさない」
頑なな千石に、神尾は力を抜いて全てを委ねる。
「…千石さんって我侭だよね」
呆れたように呟けば、千石は怒りもせずに、ただせっせと神尾の制服を脱がしに掛かる。
身体の力を抜いて、千石のやりたいように任せていると、次第にその表情には余裕が戻り、いたずらっ子のように瞳を輝かす。
(…要するに、二人きりの場所で主導権を握れていれば、それなりに安心するのかな?)
神尾は少し抜けたところはあるが、決して何も出来ないほどの天然ではない。
自分の事は自分でするし、我もそこそこ強い。負けず嫌いなのは試合で当たった時に十分理解してるだろうに…。それでも、千石は全てをやりたがる。神尾に関する全てにおいて手出しをしたがる。
強すぎる束縛は、神尾にとって苦痛にはなっていない。まだ付き合って1ヶ月だし、想われている事を感じる一つの目安だ。
それならば、千石のやりたいようにさせてあげようと、より千石が望むだろう事を言ってあげようと。神尾はその両手で、自分の制服を脱がし切った千石の頬をそっと包んだ。
確かにこの豹変に驚きはしたけれど、神尾は千石が大好きだ。その気持ちは変わらない。ましてや、その強い束縛が愛の大きさだと言うならば…。
(俺だって千石さんを喜ばせてあげたい!)
「千石さん、ずっと一緒だよ?」
「神尾くん」
あまり見せる事のない神尾の束縛に、千石の頬が緩む。
「まだ中学生だし、どうしたって学校は行かなきゃいけないけど、俺が帰る所は千石さんの所だよ」
「…本当?」
甘えるようにして、裸の胸に擦り寄る千石。
「本当。ねえ、大人になったら一緒に暮らそうね?2人っきりだよ?ペットだってダメだよ?」
「えー俺、犬は飼いたいよ」
くすぐったそうに笑った千石は、染まる頬を隠すようにして神尾の胸に吸い付いた。
「あんっ、急にはダメ。話の途中だろ?」
「だって、もう我慢できないよ」
「もう、仕方ないな、千石さんってば」
神尾はからかうように笑って、その額に口付けた。
「神尾くん」
甘い声を漏らし、丹念に裸の胸にキスを落とす千石。
神尾はそんな千石の仕草に、相手が年上にも関わらず「かわいいな」と思ってしまう。
最初があんな始まりで、その愛情や欲望をぶつけられる立場にいたから、神尾は気づかなかったが…。
(もしかして千石さん、愛されてないって思って、不安を感じてるのかな?)
神尾はそう思い当たると、乱暴にその頭を抱きしめてやる。
「千石さん、大好き!ずっと一緒にいてね?」
「…うん」
つき物が落ちたように、こくりと頷く千石。
(何だ、こんな事でよかったの!?)
神尾は嬉しくなる。
「ずっと一緒!いっつも笑ってて?千石さん!」
「うん」
千石は、あの日のような陽気な笑顔を浮かべると、抱きついた胸に、チュっ、チュっと強く吸い付いた。
「ばかぁっ!くすぐったい!」
2人は一頻りじゃれ合って。
それから。
甘く激しく、互いを貪りあった。
「…千石さん。安心してもう束縛は止めるんじゃなかったの?」
神尾は持たされた一つの携帯電話に、呆れて声も低くなる。
「え?そんな事言ってないじゃん。俺自分が束縛するタイプだって知ってたし、それで神尾くんに引かれちゃったかなーって少し不安もあったけど。でも、神尾くん俺の事好きだって、ずっと一緒だって言ってくれたじゃん!」
「だから、はい!」と押し付けられた携帯電話。
(安心させてやれば、束縛が緩くなるかなって思ったのに…!)
神尾の勘は見事に外れて、その束縛は、千石の開き直りとともに益々酷くなっていった。
「俺だって一応携帯持ってるし、千石さん専用とか言われても困っちゃうよ…」
今までの携帯を処分して、自分の与えた携帯を使えと要求してきたのだ。
もちろん登録できるのは千石一人きり。許しても家族だけ。そういって千石は一歩も譲らない。
「部活のメンバーは?」
「ダメ!一番ダメ!何かあったって家の電話で十分でしょ!」
千石は、もちろん神尾家の家電の位置を把握してそれを言っている。
家族から隠れて内緒話などができないリビングの隅。コードレスではなく、子機もない事も把握してでの行動だ。
そして、自分で代金を払ってあげる代わりに、着信履歴の一覧をくまなくチェックしようという意気込み。
「代金払うって、どうする気?働けもしないのに…」
「俺の、ラッキーを甘く見てもらっちゃ困るな。そこそこ貯め込んでるんだから!」
どうせ、宝くじや、パチンコや、競馬…。きっと褒められたものじゃ無いだろう。
神尾は大きく溜息を吐いた。
放課後の校門前で繰り広げられるこの押し問答を見て、伊武は小さく呟く。
「恋人はちゃんと選ばなきゃね…」
「そこ、うるさい!」
ちゃんと聞こえていた千石は、そんな後姿を指差して怒鳴る。
部活の仲間も呆れて帰っていく中、神尾は諦めたように、半ばヤケクソになって叫んだ。
「分かった!全部千石さんの言う通りにします!」
「やった!」
この発言によって、そう遠くない未来に、また無理難題を突きつけられる事に、神尾本人はまだ気づいていなかった。
先日リクエスト頂き、調子こいて監禁モノ続編を書いてしまいました…!需要は己とリク頂いた方だけかしらと思いつつ(笑。
お好きなCPの拾い読みでも大丈夫かしらと思い、頭に補足をさせて頂いてます。ごちゃごちゃしてごめんなさい。勿論全てお読み頂ければ一番分かりやすいかとv
ちなみに、拍手で予告してます「下宿モノ」は間に合わず(泣。また折を見て…。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
これらに関する苦情の拍手コメントはスルーさせて頂きますのでご了承ください。
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