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 R-18です。苦手な方はご注意下さい。
 4/1~4/10UP済み「猫宍奇想曲」→4/18~UP済み「猫宍夜想曲」の順にお読みください。


猫宍夜想曲⑤ (跡×宍)
~猫宍シリーズ14~


乗り込んだ車の中で、俺はピッタリと跡部の横に座った。
こんなに広い車内なのに、ぴったりと。
何故って。
それは、跡部がむっつりと黙りこくってしまったから。
俺の方なんて一度も見ないし、ウンともスンとも言わない。
だから、少しも離れたくなくてピタリとくっついた。制服越しに体温を感じるくらい。
「…跡部?」
腕を絡めてそう呼んでも、跡部は一言も口をきかない。
無表情で綺麗な横顔は、酷く冷たく映る。
いやだ。怖い。
こんなのは初めてだ。
俺が腹をたてて口をきかない事はよくあったけど、そう言えば跡部にこんな風に無視された事は一度だってなかった。
「…跡部、ごめん」
何でも良いから言って欲しい。頭ごなしに責めてくれたほうがどんなにいいか。
「なあ、跡部ってば」
「……」
「…跡部」
「……」
「…あとべ」
どうしよう…。
全然振り向いてくれない。
「あとべ…」
「…バカ。泣くな」
「…え」
やっと俺の方を向いてくれた跡部は、すごく困ったような顔をして俺の頬を指先で拭った。
全然そんなつもりなかったのに、気づいたら俺は泣いてた。
さっき学校を出るまでは、どんな無茶なお仕置きされるのかなァ、イヤだなァ、くらいにしか思ってなかったのに。機嫌を直してくれない跡部を見てたら、勝手に泣けていた。
「…ったく」
跡部はポケットからハンカチを取り出す。
泣けば何でも許されると思ってる女みたいに見られたくはないけど、そう見られても仕方が無いくらい、勝手に涙は溢れていく。
「泣きたいのはこっちだってのに。拗ねる暇さえくれねーのな?」
「ごめん…」
俺の顔を覗き込んだ跡部は、丁寧に涙に濡れた頬を拭う。
良かった。跡部が俺を見つめてくれる。
胸につかえてた苦しくて悲しい塊が、すっと消えてく。
でもホッとするのと同時に、俺は少し不安になってきた。
そういえば俺はいつも甘えてばかりで、この前自分から跡部に「抱け!」って言った以外は、跡部が歩み寄ってきてくれるのを待ってるだけだった。
どんなに激しい喧嘩をしたってそれでも待っていられたのは、跡部が俺の事好きでいてくれてるって自信があったから。何を言ったって俺に夢中だろ?って、きっとどこかで自惚れてたんだ。
…でも、珍しく俺を突き放したみたいに黙りこくった跡部を見て、初めてこんな不安を感じる。
今更だけど、何でだろ?
誰よりカッコ良くて、頭も良くて、家柄も良くて。こんなスーパースターみたいな跡部が俺だけを好きでいてくれてるなんて、どうして自惚れていられたんだろう?どう見たって俺の方が平凡な顔で、頭に至っては比べるまでもなく悪くて。しかも、今やこんな姿だし…。追いかけなきゃいけないのは俺の方だよな?誰よりカッコイイ跡部を必死で追いかけなければいけないのは俺だろう?
他のヤツらの事構ってる場合じゃないよな?
一度湧き上がった想いはもう止まらない。
横にぴったり並んでるだけじゃ、不安で不安で仕方がない。こんな気持ち初めてだ。
こんなんじゃいつか跡部に捨てられちまうって、むくむくと不安が大きくなる。
「宍戸!?」
跡部は驚いたような声を上げる。
でも、こうしてなきゃ不安なんだよ。
俺はシートに深く腰掛ける跡部の膝によじ登った。向かい合わせに座って、跡部の首にぎゅっとしがみ付く。
「宍戸…」
跡部の声が少し柔らかく微笑んだ気がした。
跡部はいつもこうして俺を膝に座らせたがった。でも今は跡部を喜ばせたいためにこうしてるんじゃないぜ?俺が、俺自身がこうしていたいんだ。
もぞもぞと動いて、一番ぴったりくる位置を探す。少しの隙間も今は不安なんだ。
俺の気持ちが分かったみたいに、跡部が苦笑いして俺の背中を強く抱きしめてくれる。そうしたら最後の隙間もぴたっとくっつき、俺はやっと安心する。
「…好き」
小さく呟いたら、跡部は「ああ」と答える。
「跡部が好き…」
もう一度言ったら、跡部は擽ったそうに笑う。
「俺もだ。俺も宍戸が好きだ」
温かな胸でうっとりと瞳を閉じると、跡部は優しく頭を撫でてくれる。
そして小さく言った。
「…二度とあんな事させるなよ?」
コツンと頭に落ちた拳骨がすごく優しくて、俺も少し笑った。

部屋に入った途端に抱きついたのは俺だった。
ベッドに着くまでなんて待ってられない。だってこの部屋って広すぎんだよ!5歩くらいでベッドなら我慢できたんだけどな。
「ったく、お前は」
張り付いた俺を、跡部は抱き上げてベッドまで運んでくれる。
何だよ。いつも床やソファでも気にせず盛るのは跡部の方なのに!余裕ぶりやがって…。
「こんな風に俺を求めるお前が見られるなんてな?」
「うるさい」
跡部はニヤニヤと笑う。
俺は構わず跡部のブレザーを脱がしにかかる。
俺だって男だぜ?こういう衝動を抑えられない時だってあるんだよ。
「…猫の発情期ってこんな時期だったか?」
「バカか!」
俺は(一応)人間だ!強いて言えば年中発情期?
ブレザーを脱がせて、シャツのボタンに手を掛ける。
少しずつ露わになる胸は、綺麗な筋肉に覆われて少しの無駄だってない。部活を引退してもトレーニングを欠かさない跡部は、現役の時よりも逞しくなった気がする。
着痩せするんだよコイツ。
俺はシャツを脱がせきるまで我慢できなくて、熱いくらいの肌に唇を寄せる。
唇を滑らせて、少しだけ舌先で擽る。そして視線の端に入った乳首に歯を立てる。
「…くすぐってーよ」
クク、と笑った跡部は、身体に纏わりつくシャツを引き千切るように脱ぎ捨てた。
「されてばっかりは性に合わねーんだ」
今度は俺がベッドに押し倒される。
俺の覚束ない手つきとは違って、流れるような動きであっという間に俺の制服を暴いていく跡部。
頭の中がグワングワンと鳴るくらいの興奮の中、跡部のイヤらしい声が耳元を掠める。
「思う存分、抱いてやる」
…ああ。メチャクチャにしてくれ。

もう最初の頃のようにおっかなびっくり触れたりしない、跡部の力強い腕。
いいんだ、このまま抱き潰されてしまっても。どんなに幸せかと思う。
「跡部、…あとべ」
大好きな彼の名を呼べる喜びを、噛み締める。
「…宍戸」
そして、愛する人に名前を呼ばれる喜びも…。
跡部はいつものように俺の胸に口付けを落とす。俺の緊張が解け苦しまずに跡部を受け入れられるように、とても丁寧に俺を愛してくれる。
でも、何でだろう。今はそれがじれったい位で。早く、強く貫いて欲しいんだ。
「跡部…?早く」
先をねだって肩を揺すれば、跡部は少しだけ困った表情をする。
「…慣らさなきゃ無理だぜ?」
「だいじょうぶ、だから」
「…じゃあ、こうするか?」
ニヤっと笑った跡部に抱き上げられた俺は、あっという間に身体を返された。
「…!?」
驚く俺に、跡部は愉しそうに微笑む。
「これは初めてだろ?」
「…バカ」
…いわゆるシックスナインってやつ?しかも跡部は俺を上に乗せたもんだから。
「俺の顔に跨ってみろよ?」
「…やっ」
確かに早くしてとねだったのは俺だけど、こーゆーのは恥ずかしい。
「何だ?これならお前を慣らしながら、俺のもすぐ入れられるように濡らせる。一石二鳥じゃねーか」
「…一石二鳥とか言うな。ばか」
そんなの何かの作業みたいで、切ないじゃねーか…。
俺が不貞腐れたら、跡部は「冗談だ」と笑って俺の尻を撫でた。
「俺がしてみたかっただけだ」
…それもどうかと思うけど。
俺は言われるままに跡部の顔の上まで身体をずらす。両脚を開いて跨ってるんだから、跡部には全てが丸見えなのに。今更なのに腰を落とすことなんてできない。無理やりに舐められるのには慣れてきたけど、自分からなんて、そんな…。
「何躊躇ってんだか。どうせ丸見えなんだよ」
喉の奥で笑った跡部は、俺の腰をつかんでぐいっと引きおろした。
「…ああっ」
全体重を持ってかれそうになって、慌てて前屈みで跡部の両脇に手を付いたら、尻を跡部に差し出す形になる。
「嫌がってた割りには大胆じゃねーの?」
跡部は、目の前でイヤらしく震えてるんだろう俺の後口に舌を伸ばす。
「ん、ンっ」
俺は後ろが見えないから、急に感じる濡れた感触に背筋を震わせた。
刺激にピンと伸びた背中と一緒に、尻尾も硬直する。
すると跡部は俺の敏感なところを舐め上げる舌はそのままで、右手で掴んだ尻尾の先を、俺の屹立に伸ばす。
「今日はエライ敏感だな?こんなんでも感じるんじゃねーの?」
そう言って、逆立つ尻尾の先で俺のモノを擽り始める。
「…いやァ!」
自分の尻尾で、自分の中心が感じて震える。
いやだ、いや!
すごく淫乱みたいで恥ずかしい…。
でも、止まらないんだ。
俺の先っぽは先走った涙がトロトロと伝い、後ろを追い立てる跡部の舌は益々大胆になる。
…くちゅ、と音をさせて潜り込んだ舌先は、もう収縮を始める俺の粘膜を激しく擦り上げる。
「あ、あァ、もう」
膝が震えて、跡部の上の崩れ落ちてしまいそうだ。
「何だよ、これじゃシックスナインにならねーよ」
「う、あン…ごめ、んっ」
これじゃ俺ばっかが気持ちよくって…。
俺が謝ったら跡部は一度舌を抜いて、俺の尻尾を握る手にきゅっと力を込めた。
「宍戸、俺に『お願い』してみな。そうしたら一人だけ気持ち良くなったことを許してやる。…それと、忍足や日吉たちのこともな」
「お、願い…?」
「ああ『跡部の大きいモノを、後ろのお口にぶち込んでください』とかな?これくらいのお仕置きは、されて当然だよなぁ?」
「…そんなっ」
出来ないって言おうとしたら、もう一度強く尻尾を握られる。
「許して欲しいんだろ?」
「…ば、かァ」
ホント意地悪なヤツ…!
でも、もう待てない。欲しくて欲しくて仕方ないんだ。
俺は、一度喘ぐように息を吸ってから、口を開いた。
「跡部の、おっきいの…後ろの、お口に…くださ、いっ!」
「ふん…。まァ80点ってとこか?」
いつの間にかベッドに抑え込まれた俺は、瞳をギラギラとさせた跡部に貫かれた。

「あ、あン、いい…っ」
メチャクチャに揺さぶられる身体。
「そ、んなァっ。だめ…!」
「イイ、だろ?…濡れてるぜ?」」
からかうみたいな跡部の息遣いも、荒く擦れてる。
いつも以上に余裕のない跡部の目に、さっきの恥ずかしい「お願い」が効いてるのかな、なんて…。
恥ずかしいの我慢した甲斐があった?跡部は喜んでくれてる?
そう思ったら。…ああ、感じる!
そして、激しいピストン。
「ァ、や!…いやァ」
「…くっ、そ。すげェ、締め付け」
滅多に声を出さない跡部が、悔しそうに眉をしかめて呻く。
なあ?すごく感じてくれてる?俺の身体で感じてくれてるのか?
嬉しくなって、跡部の首筋にむしゃぶりつく。
「あんっ、あとべぇ…」
俺も気持ちいいよ?すごく感じてる。
「宍戸っ、」
「ああっ!」
ただでも大きい跡部の勃起が、もう一回り膨張する。
「っ、ししど!」
「っすご、い…!」
大きい。熱い。
強く、何度も突き上げられる。
好き、好き、好き…。大好き。
大好きなんだ跡部。
「…愛して、るっ!」
自然と口をついて出た言葉。
俺はそう叫ぶのと同時に、熱い飛沫を放っていた。

頬を拭う温かい感触に瞳を開けば、心配そうな目で跡部が覗き込んでいる。
手にした蒸しタオルが、額の汗を拭ってくれて気持ちがいい。
「悪ィな。無茶しすぎた」
確かに途中から記憶が飛んでいる。「愛してる」って叫んだところまでは覚えてるんだ。でもこの表情を見ると、その後相当無理をされたみたいだ。
「…大丈夫」
笑って身体を起こそうとしたけど、腕にも、腰にも力が入らない。ピクリと跳ねた指先すら、その動きは自分の身体ではないみたいに鈍い。
「あ、れ?」
「…寝てろ」
苦笑いの跡部。
ああ、帰り際に言ってたジローの言葉が本当になっちまった。全く足腰立たないなんて初めてかもしれない。
跡部のヤツ、いつもはそれなりに加減してくれてたのかな?
「跡部、いつもより感じてた?」
ちょっと大胆な質問をしてみたら、跡部は驚いたように目を見開く。
それから、少し照れたように視線を逸らして「まあ、な」と呟いた。

ジローと忍足は、猫化した俺を構わせてもらえなくて、ちょっとしたイタズラのもりであんな事したんだろうけど、結果的には俺が一番あの時の事を気にしてるのかもしれない。跡部よりも。
なぜなら、あの日から俺、跡部の姿が見えないと不安で不安で仕方なくなってしまった。帰りの車で跡部に無視された事が、かなりこたえてる。あんな短い時間だったのにな。あの時色々と考えさせられちゃって。
そんな俺が取った行動は、今や新たな名物になりつつある。俺だけじゃない。他のメンバーも揃って注目の的だ。
まず、俺が跡部の傍を常に着いて歩き、その後ろを日吉と長太郎、そして残りの3年メンバーが追いかける。まるでカルガモ一家の行列のようだってな。
ホントの所、あの日跡部がどれくらい本気で怒ってたのかは分からないけど、今ではそんな事どうでも良さそうな位、満更でもないって顔してる。俺がいっつも着いて歩くからさ。
「これから会議だが教室で待ってるか?それとも一緒に来るか?」
「一緒に行く」
跡部の問いに、俺は迷うことなく答える。
日吉が心を開いてくれるのも嬉しいし、長太郎やジローが甘えてくれるのも可愛い。
でも、今や甘えん坊将軍は俺だ。威張ることでもないが断言できる。
せいぜいこの姿を最大限に利用してやるさ。
俺はどこまでも跡部に着いて行く。
俺の返事に、跡部はとても満足そうに頷き俺の手を取った。
「よし。隣で大人しく待ってんだぞ?」
「おう」
子供扱いされたって、最初の頃みたいに溜息したりしない。
跡部の傍を離れなくても不審がられないこの姿に、俺は初めて感謝したくなった。



これにて「猫宍夜想曲」は終了です。跡宍となると明らかに気合が違います。長さが証明している(笑)。
長さの割りに、お仕置きが温くて申し訳ない…!でも必死な宍戸が書けて楽しかったァv。
いつになるかは分かりませんが、次は他校と猫宍を絡めてみたいと思います♪
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