[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
こんな土曜日の午後(忍×宍)
忍足はたまねぎを刻む。
「あかんわぁ、伊達メガネなんか役に立たへんわ」
涙が溢れる。
宍戸はピーマンを取り出す。
「忍足、どんだけ放っておいたんだよ。しなしなだぜ?」
そういいながらも縦に包丁を入れ種を取り出す。
「レタス入れると上手いよな!」
こちらはまだ新鮮。宍戸は豪快に半分に切り落とす。
「レタスチャーハンか、ええな。っつーか宍戸!レタスって普通外側から剥いて使わへんか?」
「え、マジ?俺いつも使う分切っちゃってる」
後の祭り。切り口は瑞々しく、幾重もの曲線を描く。
「じゃー、お前キャベツも1枚ずつ剥くのか?」
宍戸は適当な大きさに千切ったレタスを、これまた豪快に水洗いしながら尋ねる。
「当たり前やん」
忍足は涙の跡を残したまま、今度はにんじんを刻む。
「野菜の使い方一つでも違うもんだな」
宍戸は順番を気にせず肉や野菜を炒め出す。
「野菜の切り方はええけど、炒める順番は火の通り難いもんからやないの?」
忍足は宍戸の手からレタスの入ったザルを取り上げると、代わりににんじんを放り込む。
「食べられりゃーいいんだよ。お前って細かいなぁ」
「…宍戸が大雑把すぎるっちゅーねん」
「はいはい、すみませんでしたー」
全く心のこもっていない宍戸の言葉。
「何やねん。適当やなぁ…」
拗ねる忍足。
「ほら、むくれてないで。あーん」
塩、コショウで簡単に味付けたチャーハンを指先で摘まむと、宍戸は忍足の口元へ運ぶ。
「…熱くないんか?普通は箸使うやろ?」
「あ?俺はいつもこうだよ」
どこまでも豪快な男。宍戸。
「ま、ええけど」
忍足はあーん、と口を開け、宍戸の指から味見する。
最後に指先をチューっと吸い上げて、忍足は唇を離す。
「ええんちゃう?」
「…てめえ、何味見に色気出してやがる」
「ええやん。新婚みたいやろ?」
そう言って忍足が片目を閉じれば、宍戸も満更でもない様子。
「ま、たまには…な」
そう言って、まだ甘い感触の残る指先にそっと唇を寄せた。
「ねー。新婚ごっこはEーけど、ご飯まだぁ?」
バンバンとテーブルを叩く音に振り返れば、居間から自分達を睨む少年が二人。
ジローと岳人だ。
「腹へったぁー」
岳人は跳ねる元気もなく、テーブルに突っ伏している。
「わりーわりー。すぐ出来るから」
宍戸はそんな二人に苦笑いし、チャーハンを大皿によそう。
「なんや、皿1枚でええのか?」
「いーよ。洗い物増やしたくないし。みんなでつつこうぜ?」
「了解」
皿をテーブルに乗せれば「いただきます」も言わずにかき込む少年二人。
「…よく食うなぁ」
宍戸は岳人に麦茶を差し出しながら、むせるジローの背を擦る。
新婚もどきの二人に、食べ盛りの少年二人。
忍足は自分の部屋の光景に、思わず唸ってこう言った。
「ジローに岳人、俺らの子にならへん?」
だって、それくらい穏やかな午後なのだ。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
これらに関する苦情の拍手コメントはスルーさせて頂きますのでご了承ください。
■連絡事項などがありましたら拍手ボタンからお願い致します。
■当サイト文書の無断転載はご遠慮ください。
■当サイトはリンク・アンリンクフリーです。管理人PC音痴の為バナーのご用意はございませんので、貴方様に全てを委ねます(面目ない…)。
10 | 2024/11 | 12 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | |||||
3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 |
10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 |
17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 |
24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 | 30 |
・その頬は桜色に染まる(跡宍)400円
・社会科準備室(跡宍)500円
※詳しい内容は「カテゴリー」の「発行物」からご確認ください。
◆通販フォームはこちら◆