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女体注意報です!宍戸と岳人が女の子です。苦手な方はご注意ください。
女の子なのに一人称は「俺」です。名前もそのまんまです。ムチャクチャです…!

4/11アップ済み「岳人の受難(忍岳)」の後日談です。


過激なプロポーズ (跡×宍)

「じゃー悪いな、宍戸。今日もあいつと帰るわ」
ホームルームが終わると、岳人はそう声を掛けて足早に教室を出て行く。
「おう。また明日」
そう返事して後姿を見送るが、嫌そうな口振りのワリに、忍足の教室へ向かうその背中はどこか弾んで見える。
部活が休みの水曜日だけ、岳人と忍足が一緒に帰るようになったのは先週からだ。
まだ両想いには程遠い二人でも、岳人が満更でもないのは忍足のことを話す口調からも分かる。毎日部活で顔を合わせる時だって、以前とは違って冗談を言い合ったり、甘えてくる忍足の頭を軽く小突いたり、何だかいい雰囲気なんだ。
長い間忍足が岳人に片想いをしていたのは知ってたから、一歩近づいた二人を祝福する気持ちは大いにあるんだけど、一人で帰宅するのはつまらないなーって思っちまう。折角部活が休みなのに、寄り道仲間がいなくなっちゃったのはちょっと寂しいよな。滝は家も遠いしバス通学だから一緒には帰れないし。
「ま、今日は真っ直ぐ帰るか…」
急ぐ理由もないし、のんびりと帰る準備をしていたら、俺の座る横に誰かが立ったのに気づいた。
「跡部?」
見上げれば、鞄を肩に掛けた跡部が立っている。
「お前暇なんだろ?」
何の挨拶も無しにいきなりそう切り出す跡部。すごくぶっきら棒に聞こえるけど、これはいつもの事だから別に気にもならない。
「…暇だけど」
跡部は忍足と同じクラスだから、当然忍足と岳人が一緒に帰り始めたのは知っている訳で、俺は隠す必要もないから正直に答えた。
「じゃあ仕事手伝え。」
「仕事?」
「ああ。生徒会のな」
うーん。テニス絡みならやる気になるんだけどなぁ。生徒会なんていかにも小難しいことさせられそうだな…。
「終わったら好きなもの奢るぜ?」
「やる!」
そうくれば話は別だ。こいつん家のシェフが作るスイーツって最高なんだ!それねだっちゃおう!

「特に急ぎでもないんだけどな。帳簿をこの表に入力して欲しい」
大きな会議用テーブルの向かいから手渡されたノートには、ここ何年かの各部の活動経費の収支が手書きで書き込まれている。
「…うちの生徒会って、意外とアナログなことやってたんだな」
今時手書きはないだろう…。
「大した量でもないし、わざわざデータ打つ方が面倒だったんだろ?でもいつか変えるなら、今時間があるうちにって思ってな」
確かに。氷帝テニス部はシード校でまだ都大会までには少し余裕がある。跡部が生徒会に集中できるのは今のうちかもしれない。でも、手伝わせるなら他の生徒会役員だっているだろうに…。
不思議に思って向かいに腰掛ける跡部の表情をうかがったら、ニヤリと笑って言いやがった。
「どうせなら、こき使えるヤツの方がいいからな」
「…なるほどな」
嫌なヤツだよ、全く。まあ暇だし、スイーツ付きだからいいけどな。
「了解。取りあえず続きを入力すりゃーいいんだろ?」
「ああ」
俺は下ろしていた髪を一つに結び、着ていたジャケットを椅子の背にかけて入力を始めた。

頭を使わずに、ただ数字を入力していくだけという単純作業は実は結構好きだから、すぐに没頭して3、40分たった頃、キーボードを打つ手を止めてふと跡部が質問をしてきた。
「お前、先週ウチのクラスの男とカラオケ行っただろ?」
「…ああ?」
急に仕事と関係ない話をされて、一瞬何のことか分からずにぽかんとしてしまう。
「だから、カラオケ」
跡部がイライラしたように繰り返すから、俺は慌てて頷いた。
「ああ。良く知ってるな?」
初めて一人で帰ることになった先週、俺のクラスの男子2人に誘われてカラオケ行ったんだよな。暇だったし、奢ってくれるって言うし。俺を含めた3人で行くのかと思ってたのに、いざ目的地に着いてみたら跡部や忍足と同じクラスだっていう男子が2人待ってて、結局合計5人で行ったんだ。
それがどうしたんだろう?
「もしかして跡部もカラオケ行きたい?」
確かにコイツ歌上手いんだよな。前部活のメンバーで行った時ビックリしたのを覚えてる。
「バカかお前は。違げーよ!」
…違ったらしい。
「じゃあ、何だよ?」
そう尋ねたら、跡部は眉間に皺を寄せて吐き捨てるように言った。
「何で、ほいほい付いて行ったんだ、そんな所」
「はあ?」
そんな所って、たかがカラオケだろ?別にみんな普通に行くよな?
何だか遠まわしな会話で言いたい事がよくわからない。跡部らしくねーな。
「何が言いたいんだよ?」
こーゆーのって性に合わないから、俺は単刀直入に聞いてしまう。
そしたら跡部のヤツ、すっごくムッとしたような顔で言うんだ。
「お前は危機管理がなってない」
「はあ?危機管理だ?」
どこぞの会社じゃねーんだからよ。
「要は何だよ?」
「本当にバカだな。女が1人、男4人に囲まれてカラオケボックスなんて行ってみろ。普通は何も無く帰ってなんて来られねーぞ!」
「…なっ」
何だよ!その言い方。
「別に何もなかったからいいじゃねーか!」
ムカつくな!こいつはクラスメートのこと何だと思ってるんだ。世の中そんな姑息なマネするやつばかりじゃねーだろ。
「…やっぱりてめえは何も分かってねーな」
「何なんだよ!」
嘲笑うみたいな口調にさすがに腹が立って、俺はバンっと机を叩いて立ち上がった。
そしたら跡部のヤツもゆっくり立ち上がって、俺の方へやって来る。
「クラスのヤツにお前が男とカラオケ行ったって聞いて、俺がそいつらに電話を入れたんだ。『宍戸に手出したらただじゃおかない』ってな」
「え…?」
そう言えば、最初は歌も歌おうとせず俺に根掘り葉掘り質問してきた奴らが、途中で掛かってきた携帯で話をした後からは、普通にカラオケをしだした気がする…。
じゃあ、あの電話が?
「思い出したか?あの電話が俺だよ」
「え、それじゃあ、あいつら…」
「そうだよ。俺が脅しかけなきゃ、お前のことあの場所でモノにする気でいたんだよ」
「…嘘」
だってあいつらすごく楽しいヤツらで、そんな事考えているようには見えなかった…。
「だからお前は甘いんだよ」
跡部は大きく溜息を吐いて、俺の頭を叩く。
…でもさ。
「でも、結局何もなかったからもう良いじゃねーか」
同じクラスのヤツの事そんな目で見たくないし。わざわざ事を大きくしなくても…と思ったのに。
「てめえは、バカも大概にしとけ!」
「なっ!」
むかつく!そんな言い方しなくたっていいじゃねーか!これは俺の問題なんだし。
「別に俺に何があったって、跡部には関係ないじゃねーか!」
こっちもカチンと来て、つい思ってもいないことを言ってしまう。
「…あーん?」
すると跡部は酷く怖い顔をして、俺の頭を抑えつける。
「な、何だよ!」
大きな手で後頭部を掴まれて、グイッと引き寄せられる。
「…関係あるんだよ。てめえは俺の女なんだからな!」
「…えっ!?」
跡部はそう言って、俺の身体を抱きこみ動けないように強く締め付ける。
「…痛っ」
苦しくて身を捩っても、跡部は少しも力を緩めずに俺の顔を覗き込む。
「お前は、俺の子を生む女なんだよ。他のヤツに触らせてたまるか」
急に何言ってんだよ、こいつ!頭おかしくなったんじゃねーの!?
「いつそんな事決まったんだよ!だいたい俺はお前のこと、そーゆー意味で好きなんかじゃねーよ」
「はんっ!てめえの意見なんて聞いてねーよ。俺がそう決めたんだよ!」
本当は少しカッコいいな…とか。この前の岳人と忍足の一件の時も結構親身になってくれて、意外と優しいんだなとか思い始めてたのに。そんなの帳消しだ!
俺はぷいっと横を向く。
すると跡部は片手で俺の顎を取り、顔を傾けてキスしようとする。
「っやめろ!」
抱きしめる腕は1本になったはずなのに、逃げようとしても全然力じゃかなわねえ!
「手荒なことはしたくねーんだよ。大人しくしてな」
「ふざけるなっ!」
こんなんじゃ、カラオケ行った奴らより最低じゃねーか!
俺は必死に顔を背けた。
でも、掴む手に力を込められたら、もう反抗できない。
だって、跡部がこんなに怒るのなんて初めて見たんだ…。

抗うのを止めるとすぐに、俺の唇は跡部に奪われた。
「…ん」
拘束していた腕は優しく背にまわり、顎を掴んでいた手はそっと俺の頬を包む。
さっきまでの怒りが嘘のように、その唇はゆっくりと俺を支配していく。
最初は重なるだけだった唇が次第に深くなり、熱い舌先が俺の歯列を割っていく。
「あ、ン…」
どうしていいか分からなくて、されるがままに軽く唇を開いたら、今度は強引に舌を絡められる。
「んん、ンっ」
激しくて、熱くって。
逃げても逃げても追ってくる熱に、俺は唇だけじゃなくて全身が囚われていくような錯覚に陥る。まるで大きな波に翻弄されるような…。
膝の力が抜けて身体が崩れ落ちる瞬間、跡部は軽々と俺を抱きとめた。そして唇を離すと、そのまま部屋の奥に据えられたソファへと運ばれる。
「お前は大人しく俺の言うこと聞いてりゃいいんだよ。幸せにしてやるから…」
俺の身体を横たえながら、跡部は凄く甘い声でそう囁く。
「…そんなの、プロポーズみたいだ」
昨日まで喧嘩ばっかりしてた俺なんかに、こんな事言うなんて…。
「プロポーズと思ってくれていい」
「…跡部」
本気なんだろうか?こんな事。
俺のこといっつも「色気がない」とか「女とは思えない」とか、散々な言い方してたくせに。
他の男子とカラオケ行ったくらいでそんなに目の色変えて怒るなんて、そんなの。
…信じていいのか?
俺が戸惑って視線を逸らしたら、跡部は返事を催促するようにもう一度俺に口付ける。今度は風が触れるように優しく。
「知ってるだろうが俺は相当気が短いんだ。今この場所で犯してやってもいいんだぜ?」
「なっ!?」
こ、困る。こんな場所で!…じゃなくって。
今日は勝負下着じゃねーし!じゃなくって…。
ああ、もう。
俺だって…。
俺だって、好きなんだ。もう認めるよ…。
「…幸せにしてくだサイ」
恥ずかしくって目を瞑ったら、閉じた瞼に温かいキス。
「よーし、いい子だ」
跡部がククっと笑った音がする。
いつも機嫌が良いときにする笑い方だ。
「今後他の男に付いて行くようなことがあれば、その時は速攻で孕ますからな。覚えとけ」
何!?怖いやつ!
「お前を閉じ込めて、子供産ませて。俺のものだって周りに分からせてやる」
「…バカ」
そんな乱暴で無茶苦茶な言葉。
それでも…。
ちょっと嬉しい、かな…?



女体宍戸でした。女体パラレルは跡宍1本の予定だったのですが、調子こいてもう1本(笑)明日アップ予定です。
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