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年下の男の子(リョ×海)
「ねえ?海堂先輩。それ、着るの?」
放課後の海堂の部屋。
入学してすぐ、一目惚れした海堂に猛アタックを続けた越前は、1ヶ月もしないうちに海堂の部屋でこうして寛ぐことを許されることとなった。
中1の分際で「海堂先輩の彼氏です」と言い切る越前を、海堂の母は追い返すどころか大歓迎で迎えたのだ。今日もいつものように手作りお菓子をご馳走になっている。
焼きたての香ばしいクッキーを摘まみながら、越前は目の前の海堂が手にしたモノにくぎ付けとなる。
「え?」
海堂は質問の意味が分からなかったのか、間抜けな声を零して顔を上げる。
海堂はたった今越前の目の前で、明日の学校の準備をしていた。
学園指定の学生鞄に必要な教科書やノートを詰めて、最後に手にしたのは体育の授業で使うスクール水着だ。その変哲もない紺色の水着に越前の目は吸い寄せられている。
「まさか、その水着みんなの前で着る気?」
「え…?着る気って?当たり前だろ授業なんだから」
あまりに当たり前すぎる質問に、海堂は何を言っているのかと不思議そうに首を傾げる。
「そんなのダメだよ!ダメ、ダメダメダメ!!」
「えっ、越前!?」
ソファを降りて膝で擦り寄る越前に水着を取り上げられた海堂は、目を丸くしてそんな越前を見つめた。
「こんなの着ちゃだめだってば!」
「んなこと言ったって、授業なんだ仕方ないだろ!」
越前より上背もあり、すんなりと伸びた長い手はあっという間に水着を奪い返す。
「もう!海堂先輩!」
海堂は地団太を踏むように文句を言う越前の頭をぺちんと叩いて、その場に無理やり座らせる。
「意味が分かんねぇ。どういう事だ?」
「俺だってそんな海堂先輩の姿見たことないのに…!他のヤツ等に先輩の肌を見せる訳にはいかないよ!」
「……!」
堂々と言い切った越前に、海堂の顔は一瞬で真っ赤になる。
「カラダのラインがはっきり分かってさ、胸元も背中もがばーって開いてさ!そんなの他の人に見せたくない!」
「越前…」
帰国子女の越前は感情表現がストレートで、海堂は度々こんな風に驚かされる事がある。クラスメートの男子に廊下で話しかけられていただけなのに、どこからかやってきた越前に、まるで通せんぼをするように遮られることも何回かあった。越前の人柄のせいか、それで陰口を叩かれることは無かったが、今ではすっかり公認になりつつあり2年の教室にも当たり前のように入ってくる。
(…でも、水着はどうしよもねえし…。しかも、すでに去年これ着て授業受けてるし…)
海堂は頭に浮かんだそんな言葉を、口には出さず飲み込んだ。特に後半部分を言ってしまったら余計に事が大きくなる気がする。
(…それこそ、この場で水着を捨てられそうだ)
向かい合うように正座をしてぷるぷると頭を振る海堂の膝に、越前は片手を付いてよじ登るようにして擦り寄る。そしてもう片手を背に回してぎゅっと抱きついた。
「…俺だって、先輩の水着姿なんて見たこと無いのに。俺より先に他の人になんて見せちゃ嫌だよ…」
「越前…」
海堂は越前の背中をぽんぽんと撫でてやりながら、越前の言葉を反芻し「あれ?」と思い当たる。
「じゃあ、先にお前に見せたら、授業に出ても怒らないのか?」
「……」
海堂の素朴な質問に、今度は越前の顔が赤く染まる。
抱きつかれているのではっきりとは見えないが、明らかに染まった耳のふちと首筋に、海堂はクスクスと笑みを洩らした。
「…笑い事じゃないもん」
照れたような越前の声は、小さく窄まって消える。
(いつも自己中な程自分の意見を通そうとするのに、こんな時ばっかり恥ずかしがるのな?)
自分が先輩なんだということを忘れられているのでは?と思うくらいに振り回されている海堂だけれど、付き合って2ヶ月半、越前にキス以上を要求されたことは無かった。まだ中1だし、そこまでは考えていないのか?と納得していたのだが、どうやらただ恥ずかしくて言い出せなかったようだ。
(菊丸先輩なんて、付き合ったその日にHしたって言ってたし…。それくらい覚悟してたんだけどな)
テニス一直線でお堅そうな姿から、そういった事には縁が無さそうに見られる海堂だが、余計な情報を与えてくれる先輩方のおかげで知識だけは人並みにあった。
いつもの傲慢な態度からは想像もつかなかった越前の年下らしい姿に、海堂の好奇心がむくむくと大きくなっていく。
「越前、水着姿見てみたいか?」
「…いいの!?」
海堂の言葉に、越前は勢いよく顔を上げる。その頬は相変わらず火照ったようなピンクだけれども、瞳はギラギラと光って欲情を垣間見せる。
(…かわいい。やっぱり越前も男なんだな)
海堂は、そんな越前の姿をマジマジと観察して、何だか楽しくなってしまう。
いつも主導権を握られていいように振り回されているけれど、今回ばかりはその主導権は自分にありそうなのだ。
(Hするってなれば、やっぱりちょっと怖いけど、これくらいなら…)
海堂は抱きついた越前をそっと押し退けて膝から降ろし、水着を手にして立ち上がった。
「よし、着てやる。そしたら授業受けても文句言わないな?」
「…うん!」
大きく頷く越前に、海堂は思わず噴出しそうになったがグッと我慢する。
「じゃあ、ちょっと待ってろ」
そう言って海堂は、襖で仕切られた寝室へと入っていった。
締め切られた襖の外、越前は胸を高鳴らせて待っていた。意味も無く正座をしてしまう。
(まさか本当に着てくれるなんて…!)
ちょっとした思い付きで言った言葉が、本当になってしまった。
(そりゃ、よく考えれば去年も水泳の授業なんてあっただろうし、今さらかもしれないけど…)
けれど、越前は知っているのだ。菊丸から耳打ちされた最新情報。
(去年はBカップだったのが、今年はDカップになったって!しかも、まだまだ発展途上だって…!)
女同士というのはそんな話までするのか…と、少し驚きつつも、菊丸には感謝だ。
去年はそんなに目立たなかったとしても、今年はきっと男子生徒の注目の的になってしまうだろう確信がある。何てったって、越前と付き合い始めてから、海堂は格段に女性らしくなった。もちろん小麦色に日焼けして、険しい表情でコートを駆け回っているのには違いが無いが、制服に着替えた途端その表情は穏やかになるのだ。特に、越前の姿を見つけた時など、ちょっと女同士でもドキっとしてしまうくらいにイイ表情をすると菊丸は言っていた。
(…あ、ヤバイ。勃ってきた)
越前はいそいそと、少し長めの学ランで股間を隠す。
(こんなの知られたら、折角その気になってくれた海堂先輩を怒らせちゃう!)
越前はもう一度居住まいを正し、ぴんと背筋を伸ばして海堂の着替えを待った。
(…あれ?)
海堂は襖の向こうで着替え終え、全身を鏡に映しながら首を傾げる。
水着というものは大体がピッタリとしていて、勿論そうでなければ用を成さない訳だが…。
(きつい…)
去年着たときとは違った、違和感を覚える。
(そっか、身長大分伸びたしな…)
去年は小柄な方だったので、水着はSサイズを購入したのだ。
(どうしよう、すっかり忘れてた…)
無理やり伸ばして身につけた水着は、まるでハイレグのような角度を描き、なんともエロティックに食い込んでいる。
そして何より…。
(胸がパツンパツン…!)
無理やり身につけたため大きく開いた胸元からは、必要以上に乳房のふくらみが溢れ出す。
(あ~。カップも大きくなったの忘れてた…)
ワザと露出を激しくしたグラビアアイドルのようないでたちに、海堂は大きく溜息をつく。こんなでは明日の授業は受けられない。
(先生に正直に謝って、明日早速買ってこよう。名前も縫い付けなきゃな)
あれこれと予定を立てていると、寝室の襖がトントンと叩かれる。
「先輩どうしたの?着替え終わった?」
「!!」
聞こえてきた越前の声に、海堂はビクンと肩を揺らす。
(そうだ!越前どうしよう!?)
まさかこんな事になるなんて予想もしていなかったから、水着姿を見せるだなんて安請け合いをしてしまった。
「先輩?どうしたの?気分悪い?」
返事が返ってこないことに慌てて、越前が襖に近寄る音がする。
「だ、大丈夫!ちょっと待ってろ!」
「?うん」
切羽詰った海堂の声に、越前は大人しく襖から手を放した。
(越前は事情を話せば今回は諦めてくれるかもしれないけど、でも約束したのは自分なのに…)
こんな時、律儀な海堂の性格は仇となる。
適当な言い訳を言って、この場を逃れるような器用なことができないのだ。
(うーん、どうしよう)
「海堂先輩?やっぱり何かあったんじゃないの?大丈夫?」
なかなか姿を現さない海堂に、越前の声が心配そうな色を含む。
(あ~、どうしよう!)
「海堂先輩?」
(こんな水着で…!)
「大丈夫?入ってもいい?」
(あああ…)
「先輩?」
(もう構うもんかっ!)
結局解決策が浮かばなかった海堂は、その姿のまま寝室を飛び出した。
勢いよく開いた襖に、額を摺り寄せるようにして中の音を伺っていた越前は驚いて仰け反った。
「せ、先輩!?」
尻餅をついた越前の前で、海堂は凛々しくも仁王立ちする。
「ちょ、ちょっと水着が小さくなっちゃってこんなだけど…!」
きっとあまりの恥ずかしさに、そうやって勢いでも付けなければ出てこられなかったんだろうが…。
「…う!?」
越前は、見上げた海堂の姿に、くぐもった声を上げて顔を押さえた。
「え、越前!?」
越前は、鼻血を噴いていた。
「わーっ!大丈夫か?越前!」
海堂は慌てて駆け寄り、ひっくり返った身体を起こしてやりながらティッシュボックスに手を伸ばす。
大量に手渡されたティッシュで顔を拭いながら、越前は背中に海堂の胸のふくらみを感じていた。
「どうしたんだ?体調悪かったか?」
心配そうに、一緒になって顔を拭いてくれる海堂。
「だ、大丈夫」
まさか、先輩の水着姿に興奮しすぎて…とも言えず、越前は適当に誤魔化した。面倒見の良い海堂は越前が血を飲み込んでしまわないように身体を起してやり、出血した方の小鼻を指で押えてやる。
「そんなに出てないみたいだから、これで止まるか。続くようならティッシュをつめよう」
安心させるように身体を擦ってくれる海堂だが、折角の優しさも今回ばかりは裏目に出る。
(う~、ますます興奮する!)
越前は、触れる素肌と瞼の裏に焼きついた姿に、火照った身体を持て余す。
(だって、ハイレグだし!)
鋭角に切れ上がった水着に、股に食い込んだ布地。股間の柔らかそうな肌が紺色の布地の中で無理に寄せられ盛り上がって…。
「越前!?」
止まるどころか、出血は勢いを増す。海堂は慌てて鼻の穴にティッシュを詰め込んでやる。
男としてカッコイイ姿でないのは分かっているが、こればかりはどうしようもない。
「病院行った方がいいか?」
海堂は不安そうに越前を抱きしめる。むにゅっと押し付けられる乳房。
「!!」
その感触に、焼きついた水着姿が鮮明に思い出される。
(胸、溢れてたし…!)
大きく開いた胸元からは、張りのある豊かな乳房がのぞいていて、その谷間のイヤラシさと言ったら…。
「わー、越前!」
とうとう「救急車!」と叫んで立ち上がろうとする海堂を、越前は焦って引き止める。
「だいじょうぶ…」
「大丈夫じゃない!全然止まらないじゃねーか!」
いつもは冷静な海堂が、半分パニックを起してぎゅっと越前を抱きしめる。
こうなってしまっては、理由を言わない訳にもいかない。
越前は、情け無いのを覚悟で口を開いた。
「あのね、先輩。先輩の水着姿に、その、…興奮して鼻血出ただけだから。救急車とか、いらないから…」
「…えちぜん?」
思ってもいない言葉に、混乱していた海堂の思考がぴたっと止まる。
「心配かけて、ごめんね?」
鼻にティッシュを詰めながら、申し訳なさそうに眉を下げて振り仰ぐ越前。
視線がぶつかったら、海堂はかーっと真っ赤に頬を染めた。
「そ、んな。え?、あ…」
海堂は慌てて水着の胸元を引き上げたり、下に引っ張ったり。
「先輩の水着姿すげーHなんだもん」
「…こ、これはちょっとサイズが小さくて…!悪い…」
海堂はつい謝ってしまう。
「でもさ、今日着てみてよかったね?授業でこんなの着たら、学校中の噂の的だったよ?」
越前の言うとおりだ。鏡の無い更衣室でこんなのを着たら、きっと「ちょっときついな」位で授業を受けてしまったことだろう。
「ああ、今日着てみて良かった」
「俺に感謝してよね?」
間抜けな姿で不敵に笑う越前を、海堂は苦笑いで抱きしめた。
「ああ、感謝してる。明日は体育の授業を休んで新しい水着を買ってくる」
そう言ってもう一度強く抱きしめる。
それにしても、と。海堂は越前を優しく抱きしめながら思う。
(水着姿でこんなんじゃ、Hなんて当分先の話だな)
越前も思う。
(先輩がこんなにエロいとは予想外だった!次はカッコ良く行かなくちゃ!)
二人のHは、もう少し先になりそうだ。
女体リョ海バージョン。思ったより早く出来たので早速UPです。
しかし、お下品でごめんなさい。でも、実はしつこく水着ネタ続きます。青学&氷帝のお話も勢ぞろいで水着を着せてしまう予定!
多分、夏が終わるまでに出来上がらないとは思いますが…。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
これらに関する苦情の拍手コメントはスルーさせて頂きますのでご了承ください。
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