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苦手な方はご注意ください。
プールサイド5(跡×宍)
~女体シリーズ11~
最後まで泳いでいた海堂と越前の背中を見送ると、もうプールサイドには宍戸一人きりだ。
昼間は残暑が厳しくても、この時間になると水着姿では少しひんやりと感じる風がポニーテールを揺らす。
閑静な住宅街の中、少し高台にある跡部邸は、高いビルに邪魔されることもなく次第に暮れかかっていく空の色を愉しむことが出来るので、宍戸は風に遊ぶ毛先を抑えながらその移り変わりをぼんやりと眺める。
「どうした?一人で」
「跡部」
ビーチチェアに腰掛ける背中から、ふわりと抱きしめられる。
素肌の腕に触れた柔らかな布地が温かくて、つい擦り寄るように頬を寄せた。
「いつまでもそんな格好でいたら、冷えるに決まってるだろ?」
まったく…と舌打ちしながら、跡部は自分が身につけていたパーカーを脱ぎ宍戸の背中に掛けてやる。
「…あったかい」
宍戸はそう言って微笑むと、大きすぎる上着に袖を通し、指先まですっぽりと隠れた腕で自分の頬を包む。
「跡部の香り」
「…ばーか」
面映げな跡部の横顔に、宍戸はクスリと笑う。そして立ち上がると、跡部と向かい合い躊躇いもなくその胸に抱きついた。
「悪かったな。全然相手をしてやれなくて」
目の前の黒髪に口付けて跡部は小さく言う。
使用人を下げホスト役をかったはいいが、遠慮のない仲間を相手に跡部は結局プールに入れなかったのだ。
けれど宍戸はそんな跡部の言葉に返事をせず、ただ微笑んで抱きつく腕に力を込める。
「樺地。先に戻っててくれ」
黙々とビーチパラソルやチェアを片付けていた樺地は、跡部の声に一つ頷くと、その両手に大荷物を抱えて屋敷へと帰って行く。
「…あ、悪い。俺が座ってる椅子片付けに来たのか」
申し訳なさそうに眉をしかめる宍戸に、跡部は気にするなと首を振って、珍しく素直に甘えてきた宍戸の背を抱き寄せる。
「お前はプールに入ったのか?」
「いや。結局プールサイドでおしゃべりして終わっちまった」
「何だ、折角の機会だったのに」
「いーの。みんなとおしゃべりできて楽しかったし。それに、お前が忙しくしてる姿見てる方が楽しかったしな」
「悪趣味だな?」
「そうかよ。でも、カッコよかったぜ?跡部」
「当然だろ?」
跡部がククっと喉で笑えば、宍戸も微笑む。
「俺は結局、お前がその水着で泳ぐ姿が見られなかったな」
ビキニだなんて聞いてないぞ!と。今朝は怒って見せた跡部だが、本当は誰よりも楽しみにしていたのなんて一目瞭然だ。二人きりで見栄を張るのもバカバカしく、跡部は残念そうに溜息をついた。
「だから。それはお前だけじゃないって」
「ああ?」
「言ったろ?俺、今日は一度もプール入ってないって!誰も俺がこの水着で泳ぐ姿は見てないんだって」
早口でまくし立てる宍戸に、跡部は一瞬きょとんとしてから、ゆっくりとその口角を上げる。
「そうか。可愛いことしてくれるじゃねーか」
「べ、別に!」
照れて身を捩る宍戸を、逃がしはしないと跡部はさらに強く抱きしめた。
「そうか。お前の濡れた髪が素肌に張り付く姿とか、ささやかな谷間を雫が流れ落ちる様だとかを、俺以外のヤツに見せてはいないんだな?」
「お、お前!言い方エロいんだよ!っつーか『ささやかな谷間』とか余計なお世話だし!」
「ささやかだろう?」
「うるさい!」
臍を曲げてツンと横を向く宍戸に、「冗談だ」と笑って跡部はその顎を掬い上げる。
「可愛いぜ、お前」
「ばか」
冗談めかしに言いながらも、跡部の瞳は妖しく煌いた。
宍戸は、甘やかな空気にうっとりと瞳を細める。
「なあ、宍戸。もうすぐ日が沈んじまう。それまで少しだけいいだろ?」
「いいだろ…って?」
「野暮なこと聞き返すなよ。折角の水着だ。陽の下で堪能したいじゃねーか」
「…もう夕方だし」
「だから。沈むまでだって」
さっき素直に抱きついてきたのが嘘みたいな宍戸の捻くれた返事に、跡部は苦笑いを浮かべながらもその体を抱き上げてしまう。
「!わっ!」
急に足が浮いて慌てる宍戸を、丁寧にチェアの上に横たえる。
「…堪能って?」
「あ?別にこんな所で最後までヤッたりしねーから安心しろって」
「…どうだか」
半信半疑な宍戸の声に返事をせず、跡部は先ほど羽織らせてやったパーカーの前を割る。肩が落ちた上着は両腕だけを覆い、細い首筋やくっきりと浮いた鎖骨、なだらかなデコルテに、「ささやかな」谷間、そして可愛く縦に割れた臍などが跡部の眼に晒される。
そして胸元と、小さなヒップを包むのはギンガムチェックの可愛いビキニだ。
「随分少女趣味な水着じゃねーか。珍しいな?」
宍戸の私服は少し背伸びをしたシンプルなものが多いから、跡部は意外に感じてそう尋ねる。
すると宍戸は、視線を泳がせるとほんのり頬を染めて言い捨てる。
「レースとか使ってある方が胸が小さいの誤魔化せるんだよ」
「…成る程な」
ククク…と楽しそうに笑う跡部の額を、宍戸はぺチン!と叩く。
「人が正直に言ってるのにバカにするな!」
いつもの喧嘩腰な物言いだが、宍戸の瞳はほんの一瞬だけ悲しそうに眇められた。
もちろんそれを跡部が見逃すことはなく、穏やかに微笑むと大きな手のひらで宍戸の両頬を包み込む。
「バカになんてしてねーよ。俺の為に一生懸命お洒落してくれたんだろ?」
「べ、つに。お前のためじゃねーよ」
「強がるなって。男はな、自分のために一生懸命綺麗になろうって頑張る女が、たまらなく可愛いんだよ」
「頑張ってなんて…」
「俺のためなんだろ?」
「っだから…!」
「そうなんだろ?」
素直になれない宍戸を、跡部は根気よく言い聞かす。
「そうだよな?」
「…ああ、そうだよ」
そのしつこさに負けて、宍戸は溜息をついた。
仕方なしに本音を晒した宍戸の唇は拗ねたように尖り、まるでアヒルのキャラクターのようだ。
「…やべぇ。お前、可愛すぎ」
そう言った途端、跡部はガバっと宍戸に覆いかぶさってくる。
「バカっ!」
誰がやって来るか分からないプールサイドだ。宍戸は慌てて辺りを見渡した。
「大丈夫だって。みんなバーベキューと花火の準備してるさ」
「ったく。また計算尽くか?」
「…」
ビンゴだ。しばらくここへは誰も近づけないように樺地に伝えてあるのだ。そうでなくても、二人が戻ってこないとなれば滝や忍足あたりが気を利かせて放っておいてくれるだろうことは予測がつく。
「なあ?少しだけ。いいだろ?」
そして伝家の宝刀、跡部の「おねだり」だ。日ごろ俺様な跡部にこれをされると、宍戸は勝てた例が無い。
「…もう、好きにしろ」
そう言って瞳を閉じた宍戸に、跡部はニヤリと声もなく笑った。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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