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休息(跡×宍)
「跡部、ちょっと顔貸せよ」
「…ああ?」
二人の言い合いは日常茶飯事だ。
睨みあう宍戸と跡部を、他のメンバーは気にもせずに帰っていく。
「あんまり無茶すんなや。はよ帰り~」
忍足は苦笑いで宍戸の肩を叩いて、静かに部室の扉を閉めた。
陽の暮れた薄暗い部室に残された二人。
「…で?何の用だ」
おどけるように眉を上げた跡部は、どさっと勢い良くソファに腰掛け、立ち尽くす宍戸を見上げる。
「…ふん」
宍戸は、唇の端を上げて薄笑いを浮かべた。
そして、跡部の隣に腰掛ける。
「宍戸?」
犬猿の仲と言われる二人が、こんなに密着することがあっただろうか?跡部はいつもと違う宍戸の態度に、訝しげな眼差しを向ける。
「何無理してんだか?」
宍戸は吐き捨てるように言う。
「…ああ?」
跡部は一瞬の間を置いて、何のことだか判らないというように返事をする。
「他に丁度いいヤツがいれば俺も放っておいたんだけどな。何だか気づいたのは俺だけみたいだし。さすがに見て見ぬ振りは出来ねえよ、部長さん」
宍戸は強引に跡部の肩を掴むと、乱暴な手つきで自分の膝へと引き寄せた。
「っ宍戸!?」
「具合悪いならそれらしい顔しろってんだ」
「ふざけんなっ!」
「うるせーって、黙っとけ。どうせこのまま家帰ったら勉強やら仕事やら、山のように待ってるんだろうが。俺の所為にして少しでも休んどけ」
そっぽを向いた宍戸は照れくさそうに早口でまくし立てるが、その手は跡部が起き上がらないようにしっかりと抑えつける。
「馬鹿が」
「はいはいはい。何とでも言えよ。」
「俺はそんなにヤワじゃねーよ」
「あーあーそうでしょうよ。俺がお前を信用してないだけだって」
「ああ!?」
「こんな大事な時期に部長に倒れられたら、部活の士気に関わるんだって」
「…わかってる」
「そうかい。じゃー少し黙ってろ」
ぐうの音も出ない。
跡部は面白くなさそうに眉を顰めながらも、諦めてゆっくりと身体の力を抜く。そして、本当は重くて重くて仕方のなかった瞼を伏せた。
宍戸は何も言わない。
ただその眠りを邪魔しないために、暗闇に紛れるように息を潜める。
跡部も何も言わない。
数分後には、薄く開いた唇から規則正しい吐息が漏れ始める。
人の寝顔をまじまじと見つめるのも居心地悪く、部室の窓から真っ暗になった外を眺めていると、寝顔を隠すように頬を覆っていた跡部の左手が滑り落ちるのに気づく。
宍戸はソファの下にぶらりと落ちた跡部の腕を掴むと、ゆるやかに上下するその胸にそっと乗せてやる。
それでも目覚めない跡部に細い息を洩らした宍戸は、まるで言い訳でもするように小さく呟いた。
「…別に、部活の為だからな」
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
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