日常（乾不二）／Piece（リョ不二） 2012/02/11 (Sat)

もの凄く短いうえに、乾がしょーもない感じでごめんなさい。
これでも一応、不二を祝う気満々です。

明日は、不二受けを一休みして跡宍短文をUP予定。

日常（乾×不二）

揺れて外れてしまいそうな蓋を軽く押さえ、乾は数々の野菜がミキサーで砕かれていくのを静かに待つ。
調理室の一角に腰かけて出来上がりを待つ不二も、静かに微笑むだけで言葉を発しない。

ジュースの出来上がりを、二人きりで静かに待つ放課後。
自分の手で作られた物を、何の疑いも持たずに口にする存在というのは、乾にちょっとした恍惚を与えてくれる。
ましてやそれが不二ならば。

整った顔立ちで、形良い唇が薄く開かれ。
乾の与えるジュースを疑いも無く…。

「卑猥だ…」

「…乾がね」

低く響く、不二の呆れた様な声と深い溜め息。
乾は無言で眼鏡を押し上げ、ミキサーを止めた。

 

 

Piece（リョ×不二）

「先輩の本気はどこにある？」

そんなのは自分が聞きたいくらい。
不二の微笑みはそう言っているようで。

越前はおどけて肩を上げた。

あの日の試合の続きをすれば？
大事な物を奪い取れば？

大事な物って…？

「女でもあるまいし」

越前は歩み寄り、背伸びをしてその唇に触れる。
互いの唇はしっくりと、意外なほどぴったりと重なり合う。
まるで、パズルのピースが嵌るように。

「どう？何か感じる？」
「さあ、どうだろう？」
素っ気ない答えは、返って越前の興味をそそる。

「仕方ないなァ」

―じゃあ、もっと試してみる？

そして踏み出す、後悔への第一歩。