忍者ブログ
★初めてお越しの方は、お手数ですが「はじめに」を必ずお読みください。★
[97]  [96]  [95]  [94]  [93]  [92]  [91]  [90]  [89]  [88]  [87
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

リョ海です!

未だかつて無い乙女ちっく海堂。
お誕生日だしって事でご勘弁を!(は?)


4万打企画中なのですが、思いもかけず海堂の誕生日に間に合ったので、急遽UPです。
紛らわしくてごめんなさい…。

リストバンド (リョ×海)

俺は今出たばかりの部室にとってかえす。
「先輩」
「越前!?」
そして、一人残っている海堂先輩に尋ねる。
「この辺に俺のリストバンド落ちてませんでした?」
「…!し、知らねー…」
先輩は不自然に視線を逸らす。
ビンゴ!
慌てて両手を後ろに隠す先輩の姿に、俺はガッツポーズでもしたい気分だ。

「そーっスか?ついさっきまであったんだけどなぁ。おかしいな~」
わざと落としておいたくせに、白々しい演技だと自分でも思う。でも、先輩はパニック状態でそんな事気付かないみたい。
「悪いんスけど、一緒に探してもらえます?結構お気に入りなんスよね~」
おろおろと視線を彷徨わせる先輩。ちょっと泣き出しそう。
可哀相になってきたなー。そろそろ許してあげようか?
部室の床を探すフリをして、わざと歩き回っては先輩の表情を盗み見る。
顔真っ赤にして、涙を溜めて…。
なんて愛しい。
こんな遠回りなことしなくても、先輩が望むなら何だってあげちゃいたいくらい先輩が大好きなのに。
だからもう、許してあげる。
素早く先輩の背後に回ると、その手首をがしっと掴む。
「あっ、なーんだ先輩拾ってくれてたの?」
わざと意地の悪い質問をしたら、とうとう先輩の瞳から涙の雫がころがり落ちた。

「…わりぃ…越前、すまねぇ…」
頭を下げぽろぽろ涙を零すその姿。歓びに胸がきゅうっとなる。
「ごめんね、先輩。泣かせるつもりはなかったんだ」
身を縮める先輩をギュッと抱き締める。
すると先輩は、びっくりしたように涙を止めて俺をうかがい見た。
「先輩、先週も俺が落としたリストバンド拾ったでしょ?」
その問いかけで俺が全てをお見通しだと悟ったのか、先輩は小さく頷く。

俺は先週、部活後の着替え中にリストバンドを落とした。
桃先輩と帰る途中にその事に気付いたけど、もうボロボロだったし「まぁ、いいか」と放っておいた。
そんな事もすっかり忘れた二日後。
俺のロッカーには、同じデザインの真新しいリストバンドがそっと置かれていたのだ。
最初は「新しくなってラッキー」くらいにしか思わなかったんだけど、その日の練習で海堂先輩の様子がおかしいのに気がついた。
いつも無口な人だから、他の人は気付かなかったかもしれない。
でも、俺は気がついた。
だって毎日見つめていたから。着替え中も、ストレッチ中も、いつだって。
だから俺の姿をうかがっては、あわてて視線を逸らす先輩にすぐ気がついた。
それで、もしかしたらって思ったんだ。
そして今日、俺の都合のいい勘違いじゃないか確認したくて賭けてみた。

「あの時のリストバンドは大切に持ってくれてるの?」
先輩はしばらく固まっていたけど、諦めたように小さく頷く。
「あんなボロボロだったのに…わざわざ新しいの買って返してくれたんだ?」
先輩は視線を合わさずまた小さく頷く。
「先輩がこういうことする人だとは思わなかったな~」
からかうような口調で言うと、ビクッと体を震わせた先輩はまた涙声になってしまう。
「…すまねぇ」
もう、本当にカワイイ!!
俺はもう我慢できなくて、背伸びをしてその頬にチュッと口付けた。
「嬉しいよ先輩!俺が使ったものを持っていたいくらい俺のこと好きなんでしょ?」
「…怒ってないのか?」
思ってもいない台詞だったのだろうか。先輩は不思議そうに尋ねる。
「全然。こっちこそ今日は試すみたいなことしちゃって、ごめんね?」
そう言って抱きしめた腕にぎゅっと力を込めると、ホッとしたのだろうか。
やっと止まっていた涙がまた溢れ出す。
「あぁ、そんなに泣いたら目が腫れちゃうよ」
笑って指先で雫を拭ってやると、益々止まらない。
「…ひっく、ふぇ…」
しゃくり上げて涙する先輩。赤ちゃんみたい。
こんな姿を見せるのは俺にだけなんだよね?
「…え、ちぜんが、好きだけど、言えなくって」
鼻声が新鮮に聞こえる。初めて聞く声。
「おと、したリストバンド見たら、どうしても、欲しく、なったんだ…」
涙ながらに一生懸命伝えてくれる海堂先輩。
いつもの厳しい表情がウソのように、幼くて可愛らしい。
「じゃあ俺たち両想いだね。リストバンドなんて小さなモノじゃなくって、俺の全てが先輩のモノなんだよ?」
驚いた目で俺を見つめる先輩。
「だから海堂先輩も俺のモノ。わかった?」
そう言うと、初めて微笑みを見せてくれる。
「じゃあ、恋人として『よろしく』のキスだよ?」
背伸びをしてその顔を覗き込むと、海堂先輩は少しかがんで瞳を閉じてくれた。



文中のどこにもお祝いの要素は見られませんが(笑)、お祝いです!海堂おめでとう!

PR
はじめに
ようこそお越し下さいました!「ハコニワ‘07」はテニスの王子様、跡宍メインのテキストサイトです。妄想力に任せて好き勝手書き散らしている自己満足サイトですので、下記の点にご注意くださいませ。
■R-18作品、猫化・女体等のパラレルがオープンに並び、CPもかなり節操なく多岐にわたります。表題に「CP」や「R-18」など注意を明記しておりますので、必ずご確認の上18歳未満の方、苦手なCPのある方は避けてお読みください。また、お読みになる際は「自己責任」でお願い致します。気分を害する恐れがあります…!
これらに関する苦情の拍手コメントはスルーさせて頂きますのでご了承ください。
■連絡事項などがありましたら拍手ボタンからお願い致します。
■当サイト文書の無断転載はご遠慮ください。
■当サイトはリンク・アンリンクフリーです。管理人PC音痴の為バナーのご用意はございませんので、貴方様に全てを委ねます(面目ない…)。        
   
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
通販申込
現在、通販は行っておりません。申し訳ございません

・その頬は桜色に染まる(跡宍)400円
・社会科準備室(跡宍)500円


※詳しい内容は「カテゴリー」の「発行物」からご確認ください。

◆通販フォームはこちら◆
拍手ボタン
カウンター
お世話様です!サーチ様
ブログ内検索
プロフィール
HN:
戸坂名きゆ実
性別:
女性
自己紹介:
私、戸坂名は大のパソコン音痴でございます。こ洒落た事が出来ない代わりに、ひたすら作品数を増やそうと精進する日々です。宜しくお付き合いください。
忍者ブログ [PR]

photo byAnghel. 
◎ Template by hanamaru.