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岳人語りで。
見て見ぬふり(跡宍)
中間試験の一週間前。氷帝学園は部活動が禁止となる。
それはどの部活にも等しく、全国大会常連のテニス部だって例外ではない。
そんな訳で、俺らはいつものように跡部邸に集まって試験勉強だ。
俺は、侑士に丸めた教科書で引っ叩かれながら物理の勉強。
いや、マジで、俺将来こんな滑車にこんなコンテナぶら下げて吊るしたりしないから、力の大きさとか速さとか、絶対今後役に立たねェし。
そんな事考えると必死に頑張るのも馬鹿馬鹿しくて、俺はトイレ行くふりして部屋を抜け出した。
隣は跡部の私室。
そう言えば、さっきまで同じようにうんうん唸って勉強していた宍戸と、同じくその頭を引っ叩きながら英語を教えていた跡部の姿が無い。
細く開いた隣の扉に、俺は深い意味も無く近づいた。
別に覗き見るとかさ、全くそんな気は無くて。だって所詮男同士で友達だし、そんな、なあ?気にしないだろ?
なあ跡部、何やってんの?ってさ。普通に話しかけようと思ったわけよ。あわよくば休憩できるかなくらいで。
そしたらさ。
だだっ広い部屋の真ん中らへんにある、跡部お気に入りの大きなソファ。
そこで宍戸がうたた寝してた。
そうそう、気持ちいいんだよな、あのクッションが。俺もよく横になっては、腰掛けようとした跡部に蹴り落とされた。
そこに、つい、といった感じで宍戸が寝入ってて、その傍らに跡部が突っ立ってた。
そして何を思ったのか、跡部は徐に宍戸の隣に横になろうとする。
ま、まあ、大きいソファだし奥行きもあるから、詰めて寝れば寝れなくはないかな。
背もたれの方を向いて横になる宍戸の背中にぴったりと張り付けば、落ちる事は無いし。
でもさ、どうよ、それ。
高校生男子が、一つのソファにぴったりとくっついて横になるって。
蹴落とせよ。俺様の部屋だぞってさ。
宍戸は、そんな跡部に気づくでもなく寝入っているようだ。
まあね、こんなスパルタ勉強ももう4日目で、そりゃ眠いよな。俺もだ。
すると、跡部はもぞもぞと身体を動かし出した。何だか気まりが悪いのか、宍戸の身体をちょっと押したり、少し引いたり。
そんな事して漸く落ち着いたら、いわゆる「腕枕」ってのになっていた。
無理繰り差し入れた跡部の左腕に、宍戸は頭を委ねてまだ眠ったままだ。
「…がっくん」
急後ろから声掛けられて、俺は文字通り飛び上がった。
「っんだよ!侑士かよ」
小声で文句を言うが、忍足は咎めるように「しーっ」と囁いて、俺の口をその手で塞ぐ。
「…俺達は何も見なかった、って事で」
侑士の言葉に、俺は我に帰る。
そうだ、こんなこと跡部に気づかれたら何されるか分かったもんじゃない。
「ごめん」と心で宍戸に詫びながら、俺達は一歩ずつ後ずさり。そして何も無かったように勉強部屋にとって返した。
その日、お開きになるまで、宍戸の姿を見る事が出来なかったのは、まあ気のせいではないのだけれど。
俺と侑士は何も気づかなかった定で貫き通そうと決めた。
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